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変わっていく時。
ネガティブに入るかはわかりませんが、こっちの気持ちはかなりネガなんで一応。
初めてHiHiにシフトした小説。
主人公は、、、まあ、調べてみて。
口調とかは掴めてないかもだが、あしからず。
久しぶりの、のんびりとした朝。
今日は新年度の始まり、エイプリルフール。
本当だったら必ず出社だろうけど、逆にこれから忙しくなってくんだから休め休めといろんな人たちに言われてしまった。
いや、俺社長なんだけど、笑
ということで、はちみつトーストなんかかじりながらぼーっとスマホを眺めている。
見ているのは、この前やってたインライのアーカイブ。
「あー、あいつら頑張ってんだな。」
とかこぼしながら、大好きな仲間たちの姿を追い続ける。
俺が退所してから、東ジュは何もかも変わった。
グループ改編。
多くの仲間たちの退所。
俺以外にもたくさんの人が新しい夢を見つけ、旅立った。
そして、その激動に揉まれる中に、
「伝説に成る」ってあの日決めた5人組の姿は、もう無い。
3つ、なりたい姿も決めたんだよね。
新国立競技場でライブ、ビルボードで1位、それからノーベル平和賞受賞。
聞いた人は馬鹿にするかもしれない。でも、本気でやってた。
「、、、あのグループに、人生賭けてたんだけろ、」
俺がやりたいことを見つけて、いなくなるって決めた時。
いろいろ聞き出されて、それでも最後には納得してくれた。
背中を押してくれたあの4人に、俺はこれからも人生をこいつらに賭けるって誓った。
アイドルとしての立場では、もう支えられないけど。
こいつらの第一号のファンとして、元メンバーとして、
苦しんでる時は、助けたい。そう思ってた。
そのはずだったのに。
もちろん連絡だって取り合ってる。
離れていてもずっと、「天下に轟く五人組」だよなって。
俺たちは、それぞれの「夢を駆ける」んだよなって。
でもあの世界って、そうはいかない。
別のグループになった以上、デビューをかけて争うライバルであり、仲間であり、敵。
それが芸能界。
だから、きっと、
あいつらはもう、一緒では、いれないから。
俺は。
インスタを閉じて、Xを開き、通知を消化する。一通り巡回が終わると、閉じる。
ネットニュースを開く。
トップニュースに出てきた単語に、思わず息を呑んだ。
「りと、かんが、、、解散、?」
開きたくもないニュースを反射的にタップする。
『関西ジュニア「Lil かんさい」が解散すると1日、ジュニアの公式サイトで発表した』
なんていう文字が書かれている。
下にスクロールすると、自分の名前も書いてあった。はっきり。
そのまま流れ作業のように、ジュニアの公式サイト、有料ブログを開く。
勝手に指が、開いていく。
ジュニアの公式サイトでは報告の文書。
ブログでは4人の連名での想い。
心が掻き乱されながらも、スクロールの指は止まってくれない。
現実を受け入れろって叫ぶように、勝手に親指がその先の文章を読ませてくる。
全てを読み終わる。
スマホの電源を落とすと、画面は暗くなって、自分の顔が見えた。
ひどく歪んで、くしゃくしゃになった顔。
ああ、本当に、何もかもが変わっていく。
俺の知らないところで、俺の大好きなものが、変わっていく。
それがどうしようもなく怖くて。
いつもはこんなこと言わない。こんなこと信じない。
野球だってそう、神様なんていない。マウンドの魔物は自分自身。
でも、言わないわけにはいかなかった。口を突いて言葉が滑り出る。
「、、、神様、、、助けてください、」
スマホが手から滑り落ちて、がんっと物騒な音が鳴る。
そのまま床に崩れ落ちた。
頬を流れ落ちていく冷たい涙は、止めることができなかった。
まあ、半分フィクションですね。
事実の部分もあります。
ただ、想いみたいな部分はフィクションというか。