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優等生なんだから。(2)
「あやー?入るよ」
入ってきたのは、姉のゆいだった。
ゆいは優しくて、頭がいい。
「あや、たまには休みなよ。ジュース持ってきたから飲みな」
「ありがとう」
ゆいは努力なんかしなくても、何でもできる。
私が優等生に《《なるように言われたのは》》、ゆいのせいだ。
ゆいのことは好きだ。でも、嫌いな部分もある。
「あやはさ。お母さんに勉強しろって毎日言われて、嫌じゃないの?」
「…嫌だけど。でも、嫌っていったら殴られるし」
「まあ、私からお母さんに交渉してみるよ。5分くらいは休んだら?」
そう言って、ゆいは部屋を出ていった。
「ねえ、お母さん。あやに少しは休ませたらどうなの?」
「そうねぇ。ゆいが言うなら…」
私はそのことをこっそり聞いていた。
ゆい、ありがとう…
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「あや、1週間は宿題以外の勉強しなくてもいいよって。」
「ほんと?」
そして私は、`1週間だけ`勉強をしなくてもいいことになった。