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仮装
はじめての創作なのであたたかい目で見てもらえると嬉しいです
拝啓 貴方へ
貴方の言ってくれた「綺麗だね」をまだ捨てられずにいます。
食べないようにすることにももう慣れてしまいました。
空っぽの方が、軽くて、華奢で、綺麗に見える気がするんです。
体重計に乗る回数が増えました。
月が少しずつ欠けていくように、私もちゃんと減っているか確かめるためです。
だって貴方が「月が綺麗だね」と言ってくれた時の月は、満月でなくて三日月だったもの。
纏足という文化があるそうです。かつての中国では女性の足は小さいほど美しいとされていたので、足に布を巻き、骨を折って変形させ、強制的に小さくした風習だそうです。農作業をしないエリートの象徴だそうです。
私は何も骨までを折ったわけじゃない。
ただ食べるのを少しやめただけ。
なのに今は貴方のあの言葉が正しい気がしてます。
鏡よ鏡世界で1番美しいのはだあれ?
私は白雪姫の継母のように世界一になろうとしてないのに。貴方の中で1番なろうとしてただけなのに。
白雪姫の継母もシンデレラの姉達も人魚姫も私も、知らない間に踊り狂ってたのかもしれません。
もう私は私の輪郭がわからない。
貴方のために努力する私は、可憐な乙女だったはずなのに。
それでも、このまま、貴方が「綺麗」と言ってくれた私に近づけられたら前みたいに私を見てくれますか。
もしそうならば私はずっとこのまま凍っていてもいいと思います。
どうせ春が来ても私は溶け方なんて忘れてしまっている。
もしかしたら私はもう戻れないとこまで来てしまったのかもしれません。
敬具