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能力境の改革記 #3
日記で詳しくネタバレをしているので、見終わったらぜひこちらも
詳細説明としてご覧くださいね。
https://tanpen.net/blog/9b661d10-083b-4734-9d25-26f67b51bac1/
理って外の世界出身ですけど、地名で言うとどの辺かなって考えたんですよ
…たぶん、名古屋。(適当)
今回は過去になります。過去ですからね。
過去ですからね。
理「………どうしよ、……笑えないんだけども?」
完全に閉じ込められてしまったようだ。この、居心地の悪い迷宮に。
迷宮の入口さえももうわからない。
そのはずなのに、壁の向こうから笑い声が聞こえた。
「__…うふふ、やったわ。これで……は……………………よ__」
何を言っているかよく聞こえない。脱出のヒントになるかもしれないのに、惜しい。
理「もう、ここを封印するしか!
……って言っても、封印すらもできない…どういうことなの」
そう、この迷宮は、なぜか封印ができない。何かしらの対策があるのだろうか。
なんにせよ、自分の封印を対策するほどの実力がある人が、自分を閉じ込めたということ。
理「嫌だ…っ、嫌だ!!!」
羽塚「うるさいわね、あなた!!!!!」
羽塚さんの強い声が聞こえた。壁の外側から、少し曇った声だった。
びっくりした。こんな人とは思っていなかったから。
理「……!!」
なにもできず、呆然としていた。
壁に寄りかかろうと思えば、壁が外の冷気を吸って、とても冷たい。
なんなら、迷宮は外より冷たい。これが果たして、8月か?
雀「あら、理ちゃん。探しましたよ。」
理「!!!」
---
バサバサとした羽音が聞こえたかと思えば、そこにいたのは雀さんだった。
だけど、もう何も信じられない。
理「…どうせ、偽物なんでしょう」
雀「あら理ちゃん、随分と疑っているようで?そうではありませんよ」
理「………本当に、ですか?」
雀「ええ、本当に、ですよ」
この雰囲気から、雀さんは本物だろうと確信した。
雀「理ちゃん、今回ばかりは協力しますよ。今、じわじわと境界内が焼け野原に
なっているようです。まだ、幽魔城の周辺しか被害はないようですが、
そのうち人境にも被害が及ぶでしょう。それはなんとしてでも避けたいですから」
理「……雀さん」
知らないうちに、自分は迷宮の外側にいた。
雀「こんな迷宮、封印すればすぐに脱出できたのに」
理「いや、封印ができなかったんですよー!」
雀「…弱っているようですね。緊張しているから上手くできなかったのでしょう」
理「ぅ…そうなの、かな……?」
どうやら緊張していると上手に封印ができないらしい。
また一つ、賢くなった。
雀「この城の連中の思惑はわかっているのです。さあ、避難の手引きと、
元凶を捻り潰す準備をしましょう」
理「言い方は怖いけど……。はい!!」
理「私、このお城の中の人ぶっ倒します!!雀さんは一般住民を操境の安全な場所…
ショッピングモールとかに避難させてください!!あと、余裕があれば
応援が欲しいです!!」
雀「わかりました。__さすがリーダーさん…。__」
---
幽魔城の門の方へ行くと、リニアさんが立っていた。
リニア「……あら、さっきぶりね、理。」
理「…リニアさん!!そこらじゅう焼け野原みたいにしてるのはあなたですね!?
これでは甚大な被害が予想されますから、異常解決家のリーダーとして、
あなたを許すわけにはいかないんです!!」
リニアさんは、こちらにゆっくり歩み寄ってきた。
リニア「………本当に、面倒な子ね。」
理「!!!」
リニア「ぅふふっ……“スカーレット・バックビルディング”」
理「!?…っ!!あっぶな……!?」
リニアさんは手を高く掲げた後、紅い針の雨を降らせた。
理「……っ、“境界内封印”!!」
下手するとすぐに針が刺さりそうだったので、針を全て封印した。
リニア「へぇ、面倒だけど、面白そうな子なのね。いい暇つぶしになるわ
封印ができるのね…強いじゃない」
理「そんなことより、あなたを説得する方が先なんです!!」
リニア「……“ノン・アビリティ・クリアー”」
理「っ……。」
どうやら、リニアさんはあたしの能力を消したようで
お札を持っても、ガラスの棒を振り回しても、もう封印も何もできなくなってしまった。
理「………」
リニア「もう降参かしら…?暇もつぶせないわ。ただ面倒なガキじゃない、あなた」
リニアさんは再び手を高く掲げた。
その瞬間に、濃霧が発生した。
理「!!」
理(この霧…吸っちゃいけない気がする!!)
あたしだって半分人間だし、息苦しさは感じる。
だけど、頑張って息を止めてみた。
すると、能力が戻った気がした。
リニア「…《《あの技》》、一定の時間しか能力を消せないのよね…
困ったものだわ」
あたしはとにかくリニアさんの体力消耗のため、技をたくさん繰り出すことにした。
理「“封印大台風”!!!どうです、もういい具合に降参したらいいんじゃない
ですかー!?」
リニア「…っ!!羽塚ぁ!!!何してるのよ、羽塚ー!!!!!」
聞き覚えのある名前を、リニアさんは叫んだ。
その瞬間に、羽塚さんがリニアさんのすぐ横に現れた。
だけど、本当に羽塚さんだろうか?羽塚さん《《と思われる》》人は、
背中に大きく、なんとも悪魔らしい羽を持っている。
---
羽塚「リニア様。もう、羽塚とは呼ばないでください」
リニア「…そうね。《《ミツカ》》。」
〈|速川《さかわ》 |羽塚《はつか》。人間妖怪(何の妖怪かは不明)の23歳。〉
〈寒暖を操る能力を持っている。〉
〈幽魔城のメイド長。二つ名は「寒暖メイド」。〉
〈幽魔城に住んでいる。〉
理「…ミツカ!?誰ですかそれは!」
羽塚「あなたのような面倒な部外者が、私たちに介入しないでちょうだい?
羽塚なんて名前、ただの偽名よ。私は、ミツカなの。」
理「あ、あなた…っ、本当は……人間妖怪でもなかったのですか…!?」
羽塚「当たり前じゃない。私は悪魔。リニア様に、悪魔にしてもらったのよ
そんなこともわからないなんて、あなたもまだまだって所なのよ。」
理「まだまだでもいいさ!!あたし、境界を守る為に貴方を今ここでぶっ倒し
ますから!!!何がどうだっていい、貴方を外の世界送りにしてやる!!!」
《《ミツカ》》「油断すると動けなくなるわよ?
実際、動けなくなった者が元素の数よりいるんだものね?」
〈ミツカ。悪魔の23歳。〉
〈悪魔は不老不死ではないがかなり死ににくい。〉
〈寒暖を操る能力を持っている。〉
〈《《幽魔城のメイド長であり》》、《《異常の元凶のひとり》》。二つ名は「寒暖メイド」。〉
〈幽魔城に住んでいる。〉
《《ミツカ》》は、声色を変えて、なんだか偉そうな喋り方をした。
理(118人以上いるの!?)
リニア「ミツカ、下手なことを言うのはやめなさい。
ミツカこそ油断すると、この娘にやられるかしらね」
ミツカ「ええリニア様、私も油断は致しません。さっさと排除して参りますから」
---
ミツカ「“スピードオブハリケーン”……どうかしら!?面倒な娘ちゃんも、
疲れてきたんじゃないかしら」
理「……こんなの見掛け倒しだ!!ただ寒いだけ……」
リニアさんは、そのすぐ近くで、あたしたちを高みの見物していた。
理「“封結界”!!!絶対にここで食い止めてやるー!!!」
ミツカ「結界技?小賢しいようね。いい?
幽魔城のメイド長の働きっぷりを低みの見物してなさい!!!!!
“モーメントファイア”!!!」
理「…っ!」
禍々しい火は結界で簡単に防げた。そして結界にあたったものは、
全て封印された。結界を張っていてよかった…
ミツカ「なっ……!?」
リニア「__ミツカ、貴方はもう十分よ。あとは私に任せなさい。__」
ミツカ「リ、ニア、様……っ。」
ミツカは、シュンっという音を立てて姿を消した。
リニア「…はあ。変な娘に、妨害をされてしまったわ。
幽魔城の悪魔、一生の不格だわ」
〈リニア。悪魔で130年生きている。〉
〈悪魔は不老不死ではないがかなり死ににくい。〉
〈明を操る能力を持っている。〉
〈《《幽魔城の主人であり》》、《《異変の元凶》》。二つ名は「幽魔城の悪魔」。〉
〈幽魔城に住んでいる。〉
理「一生の不格でもなんでもいいけど、境界に少なくとも被害があるのは事実
なので!!!」
リニア「……貴方も、何もわかっていないようねー。
境界の人々を洗脳して、全員が私を崇拝すれば境界は間違いなく
平和になり、最高の歴史を刻むことになるのよ」
理「貴方の方が、何もわかってない!!
そんなのいいから、貴方をミツカより先にぶっ倒してやる!!!」
リニア「ふっふっふ……はーっはっはっ!!!!!
ただの面倒な娘かと思ってたら、面白い娘だわね。
さあ、人間と悪魔、一対一でどちらが強いか、明確にしようじゃないの!!」
理(いやあたしは半分しか人間じゃないけど……まあいいか)
リニア「“アンノーン・マイスタ”。」
理「!?」
城の姿が見えなくなり、それと同時にリニアの姿も消えた。
おそらく、この技でミツカはさっき姿を消したのだろう。
リニアがあたしの後ろにいることに気づいたので、自分も技を繰り出した。
理「“封印超特急”!!!」
とりあえず、リニアを目に止まらない速度で封印してみた。だけど、
前を向くとまたリニアさんがいた。半ば呆れた状態で、次の技を繰り出そうとした。
---
その時だった。
後ろから駆け込むような足音が、複数聞こえてきた。
???「理さんっ!!応援に来ました、あんまり力になれないかもしれないけど…!!」
理「時否さん!!来てくれたんですね!!」
〈|安藤《あんどう》 |時否《じいな》。20歳の時に死んだ幽霊で108年生きている。〉
〈幽霊はもともと人間で、もう死んでいるのでほぼ無敵。〉
〈時を操る能力を持っている。〉
〈時計職人。二つ名は「時の達人」。〉
〈人境に住んでいる。〉
時否「その悪魔さんが、元凶ですか!?」
理「そ、そうです!!リニアっていうらしくて……」
そういった瞬間、リニアは顔をしかめてこちらを睨んだ。
時否「っ…。」
理「大丈夫です、見掛け倒しなんで!」
リニア「あんたー!!!ふざけるのも、大概にしたらどうなのかしらー!!!」
理「ふざけてない、お前の方が、なん倍もふざけてる!!
自分をかえりみて、悪魔やめて気取るのやめて出直してこいっ新幹線!!!」
リニア「新幹線ですってー!?貴方誰に向かって言ってんのよ藤原ー!!!」
時否「理さんは……よくそんなに胸を張れますね……__私なら言えないや………。__」
リニア「うわああああああっ“スカーレット・クラクション”!!!」
リニアはそう言った瞬間に、周囲に鳴り響くような、
ソニックブームを彷彿とさせるうるさい轟音を鳴らした。
理「ふざけるなっ耳に響くだろ……ぉ!!!」
時否「っ!!!“|やり直そう《タイムリセット》”っ……!!!」
---
理「ふざけてない、お前のほうが、なん倍もふざけてる!!
自分をかえりみて、悪魔やめて気取るのやめて出直してこいっ新幹線!!!」
リニア「新幹線ですってー!?誰に向かって言ってんのよ藤原ー!!!」
時否(……やらなきゃ!)
時否「“手品”をするね!この本から、リンゴを出すよ!」
理「…!!そ、それをやるんですか!」
リニア「は〜!?今リンゴの気分じゃないんだけどー!!
そんなことより、人間をおいしくいただきたいわ?」
理「うるさいリニア!時否さんの邪魔をするな!
お前の気分とか、聞きたいともまったく思わないから!!」
時否(これ…時間戻してもあんまり意味なかったかも…!?)
リニアはリンゴの近くに近づこうとした。すると動きが完全に止まった。
理「時否さんナイスです!!今がチャンスだ!!!」
理「“封印大台風”!!!!!」
リニア「!?っどういうことよ!?」
リニアは、あっけなく封印されたのだった。
ミツカのセリフ、咲夜さんに影響を受けました。申し訳ない。
時否ちゃんって本当に好き。理との連携プレイも優秀なようで。
セリフのサンプルが優秀。企画参加者様のセリフサンプルを使わせていただきましたわ〜