end1 幸せな嘘

光へと走る仲間たちを背に、俺は立ち止まった 鬼の影が迫り、冷たい声が囁く だるま「`今度はお前が本当のだるまになるんだ…呪いを受け入れろ…！`」 俺はもう、どうするか決まっていた もっと早くこうしても良かった けれど、最後に皆んなの顔が見たかったから… ⚡️「…誰が受け入れるかよ、そんな呪い」 俺は抗った ⚡️「お前に俺は壊せない」 ⚡️「俺の中にある絆は、誰にも触れられない」 だるま「`何を言う、まさか1人で俺とこの呪いを完全に消滅させるというのか？`」 だるまは笑う、俺を嘲笑う だるま「`ふざけるのも大概にしろ、お前1人で何ができるというのだ`」 俺はだるまを睨みながら言う ⚡️「知ってるよな？俺の左目には膨大な魔力があること」 ⚡️「それを抑えるために、眼帯をつけていること」 だるまは今更なんだ？と言う顔をしている ⚡️「いつしか、仲間があいつに向かって放った呪文、」 ⚡️「今度は俺の番や」 だるま「`おい、何をする気だ`」 ⚡️「…バク、あいつらを頼んだ」 👻「分かったよ、」 バクは透き通るような声で答えた だるま「`バクとやら、お前は何者だ？人間ではないだろう？`」 そう言うとバクは、《《本当の姿》》をだるまに見せた 水色の髪の男の子、 だるま「`お前は…っ！！ルノ…っ！？`」 ルノ「父さん…ごめんね、あの時父さんを置いて家を出て、」 ルノ「あの時僕は、兵器になったんだ」 ルノは家を訪ねてきた研究者に攫われて兵器となり、 名をバクと変えた ルノ「僕は父さんを助けることはできない」 ルノ「さよなら」 そう言ってバクは消えていった だるま「`待てルノ！！俺はっ！！俺は！！！`」 ⚡️「行かせるか…幸せになったら駄目や！！」 俺は必死にだるまを止める ⚡️「お前は何人殺した？呪いの力を使って何人殺した？俺の仲間を何回殺した！？」 ⚡️「その罪は二度と償えない…俺やって同じ罪を背負ってる！！」 ⚡️「俺はお前と…ここで一緒に死ぬっ！！！」 こんな未来なんて、望んじゃいなかった もっと笑って、 もっと隣で、 もっと生きていたかった だけど、もう選ぶしかない 俺の命か、みんなの未来か そんなの、決まってる 皆んなが幸せでいてくれたら、それでええんや ⚡️「じゃぱぱ…っ」 君を…、皆んなを守るためにやったんや ​ ​ 助けてくれ、なんて言えなかった ⚡️「でも…最後に言えて、良かった…っ」 ​ ​ ごめんなぁ、皆んな ​ ​ いや、、ありがとう…、やな。 ​ ​ こんな｜さいご《最期》で、、俺は幸せやで、、。 ⚡️「一緒に地獄に堕ちろ、だるまっ！！！」 じゃぱぱ、皆んな、 こんな俺を必要としてくれて、 こんな俺を愛してくれて、 こんな俺を助けてくれて、 ありがとう、 ⚡️「…スーパーノヴァ＿＿」 世界が白く塗り潰され、音が消えた 光の中、たっつんは初めて、心からの笑顔を浮かべていた 最後に見えたのは、泣きながら笑っているじゃぱぱの顔だった --- 🦖「…え？」 目を開けると、見慣れた天井 シェアハウスだった 🦖「なんでここに？俺は…」 頭がぼーっとする、 あの時、確か… ｶﾞﾁｬｯ ？「いつまで寝てるんや？」 ⚡️「じゃぱぱ？」 会いたかった人がそこにいた 🦖「たっつん…っ」 俺はたっつんを力強く抱きしめた ⚡️「うわっ！？」 🦖「うわあああっ！！ﾎﾟﾛｯたっつんがいるよっ！！いるよおおっ！！ﾎﾟﾛｯ」 泣きじゃくりながら俺はたっつんを抱きしめた たっつんも俺のことを抱きしめてくれた --- 🍪「シヴァさんがのあさんのオムライス食べたああ！！！」 🐸「食ってないって！！のあさん落ち着いて！？w」 仲間たちが笑い、 🌷「うへへ…うりりいいん！！」 🎸「なおきりさん酔いすぎだってぇ！うへへっ！！」 肩を組み、 ⚡️「おーい動画撮るでー！！」 🍫「今行くー！！」 当たり前のように動画を撮る 楽しい日々 安心できる時間 失われたはずの幸せが、そこにあった 🦖「幸せだな…」 心の奥で何度も呟く これでいい これが本当の結末なんだ --- 🍗「…っ」 だが、ゆあんくんだけは気づき始めていた 👓「ねえ！もう300万人いくよ！？」 🐏「ええ！？やばっ！！やったああ！！w」 みんなの笑顔が、どこか「完璧すぎる」ことに 🍗「アンチコメも誹謗中傷コメも無くなったな…」 何をしても傷つかない日常 どんなに願っても叶わなかった奇跡が、 あまりに容易く手に入ってしまっていることに --- 🍗「ぁ…ﾎﾟﾛｯ」 目が覚めたとき、 俺は涙を流していた たっつんの隣で笑うメンバーを見つめながら、 心の奥で理解していた ここにあるのは真実じゃない でも＿＿ 🍗「……たっつんは、もう…」 🍗「いや、もういいや」 🍗「俺は、ここにいたい…ﾎﾟﾛｯ」 小さく呟いた声は誰にも届かない ただ、自分自身にだけ響いた 幸せは続く それが偽りでも、夢でも、 「今、隣にみんながいる」という事実だけで十分だった --- たっつんの命を代償に与えられた夢の世界 そこに閉じ込められたじゃぱぱ達は、永遠に目覚めることはない 夢の中では、広いリビングに夕日が差し込み、 湯気の立つシチューを囲んで笑い声が溢れていた たっつんも椅子に腰かけ、 「やっぱり、こうでなきゃな」と笑う ＿＿現実、 じゃぱぱ達は自室のベッドで眠っていた 呼吸は穏やかだが、その瞼が再び開くことはない そして、彼らの輪の中に、 たっつんの姿だけはなかった けれど、彼らの心は決して絶望していない 夢を夢と知りながら、それでも選ぶ「幸福」 「`だるまさんがころんだ`」 その声さえも、今ではもう遠い ただ穏やかな微笑みだけが、永遠に続いていく たっつんが命を燃やして残したこの世界を、 「`呪い`」と呼ぶべきか、「救い」と呼ぶべきか＿＿ それを決めるのは、“この物語を読んだあなた”だ 幸せな嘘　完