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人生の分岐点
夜桜
第一話「人生の分岐点」
大学のベンチに座り、シェイクを飲む。
このシェイクは友達がお勧めしてくれたもの。
見た目はカラフルで、味も悪くはない。
普段飲んでいるものよりおいしいかと言われたら、同じぐらい。
一応、お勧めしてくれた友達にメッセージを送る。
『おすすめの奴、飲んだ。見た目カラフルで驚いた。』
簡素なメッセージ
これでも、気を遣っている方。
暫くぼーっとしていると、スマホが震えた。
早めに取り出して、内容を確認する。
『飲んでくれたんだ!ありがとう!やっぱり|澪姉《みおねぇ》ってしっかりしてるよね。』
しっかりしている――よく、そう言われる。
初対面でも、友達でも。
頼られることが多かった。
「好きでしっかりしてるわけではないのよ。」
いや、本当にそうか?
頼られている自分に酔っているだけなのでは?
考えても答えは出ない。
分からないことを考え続けるのは時間がもったいない。
思考を切り替えよう。
一度、SNSを開く。
最近は忙しくなってきて、開く時間がない。
動画をスワイプしていると、
とある宣伝が目に留まった。
{大型新人アイドルオーディション開催!}
{今なら夢が叶う!}
下にある、募集要項を確認する
・参加費無料
・何歳でもOK
「書類審査からか。」
SNSを閉じ、事務所名を検索する。
そうすると、芸能事務所が出てきた。
今所属しているアイドルは10名ほど、
おそらく、ここ数年で一気に跳ねたのだろう。
怪しい事務所でもなさそうだし、
落ちたとしても、良い経験になる。
「応募するか」
私は、応募するためのサイトへ移動する。
必要事項を一通り書いた後。
最後の欄
文章でも、動画でも構いませんので、自己アピールをお願いします。
流石に必要事項だけは緩いなと思っていたら、
突然自己アピールを求められてしまった。
スマホの録音機能をオンにする。
動画は大変だし、文章はパソコンの方が楽。
だったら、録音して後でいじる他ない。
「あー、どうも。自己アピールという事で、適当に話します」
「|朝比奈《あさひな》|澪《みお》です。19才大学生。
特技かはわかりませんが、人の変化には気づく方です。
趣味はゲーム。アイドルは詳しくありません。
多分、このPRの中で一番やる気がない人間だと自負しています。」
そのままの勢いで、10分間ほど話した。
編集作業をしてもいいが、
そこまで時間をかけるのはもったいない。
録音を張り付けて、送信ボタンを押した。