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最強エンターテイナーは、生理男子?
生理男子のじぇるくん
「ん……」
毎月現れる大嫌いな痛みに、目が覚める。
「い゛っっ……たぁ、」
俺は、普通の男の子とは違う。
おれには、「生理」が来る。
男にも生理が来る、なんて知らなくて、初めて来たときはほんとに怖くて。
周りの人には言わずに何とかしてきたけど…
しばらくして周期とか安定して、そこから悩まされることになったのが「生理痛」。
お腹が痛いのはもちろんだけど、頭も痛いし腰も痛いし気分も悪い。
いろいろ調べたりしたけど、俺は結構症状が重いそうだ。
「はぁ゛……といれいこ、」
ふらふらの身体を必死に動かして、トイレへ向かう。
途中でバランスを崩して、思いっきりこけた。
いろいろと痛みが重なって、立つこともしんどくて、
「う゛~~~…いだいぃ…」
思わず涙があふれる。
もうたちたくない…
本当はそういうことにしてこのまま寝たいけど、さすがにこんなところで
寝るわけにもいかない。
やっとの思いで着いたトイレ。目に入ったナプキンを真っ先にひったくる。
いつも通り取り付けながら、今日の予定を探る。
今日は…ぁ。
(はいしん…)
なーくんと二人で、ゲーム配信をする予定が入っていた。
やば、こらあかんわ…こんなんで配信なんかできるわけない…
ずきずきと存在を主張する痛みに「はぁぁぁぁ…」と大きくため息をつく。
ささっと立ち上がり、レバーを引いた。
さっきまで腹を刺激していた痛みは、いつの間にか頭にまで登ってきて
額に手を当てる。
ふと時計に目をやると、配信予定時間まであと1時間。
……ちょっとだけ、ちょっとだけなら、寝てもええかなぁ…
そんな気持ちにすがりたいくらい、今はしんどくて。
ぁー…なんか、
きもちわるなってきた、
「ぅえ゛っ、げほっ…!」
ばっ、と手を伸ばし、ごみ箱に顔を埋める。
「お゛ぇっ、げほ…げぇっ……ぅ、」
もう、ややぁ…
「ぅ~~…あたまいたいぃ…」
吐いたからかな、くらくらする…
けど、もうすぐ配信が始まる。
はよ、準備せな…
吐いたものがてらてらと光る袋を縛り、うがいをしに行こうと立ち上がる。
下腹部に走る痛みに眉を顰めながら、口に含んだ水を吐き出した。
配信部屋に向かい、椅子に座る。
カメラやらマイクやらパソコンやら色々準備していると、スマホから着信音が。
画面には、「なーくん」と表示されている。
「ぁ、なーくん?もう配信始まっとる…?」
『ううん、まだ始めてないよー!けど、いつもより遅いなーって思って…』
いつもなら、もう自分からなーくんに電話をかけているはずだ。
正直に体調悪かったって言うか…?いやでも…
「あー、ごめん!ちょっと…寝坊してさぁ!」
『えぇ、ジェルくんが寝坊…?珍しいね…ぁ、もう準備できたー?
配信付けるよー?』
「あ、うん…!もう準備できた!」
お腹をさすりながら、なるべく元気に返事をする。
これ、配信中に限界来たらどうしよ…
それだけ本当に怖くて、忘れていた薬を口に放り込んだ。
「わこもりぃ~っ」(ごめんなさいなーくんの配信見たことないです)
「わこじぇる~」
今日の配信の内容は、ゲーム下手組所属(?)俺となーくんでマイクラエンドラ討伐をすること。
ネザーまで行けたはいいものの、おれは敵に囲まれた状態で限界を迎えたらしい。
きもちわるい、おなかいたい、あたまいたい、
「~~~っ…」
「わーっゾンビぃ!!…あれ、じぇるくん?」
「ごめ、いっしゅんみゅーと…っ」
辛うじてそう呟き、ミュートボタンをクリックした。
「はっ…い゛…っ」
これ、ぜったい薬効いてないやろ…
なー、くん…
たすけて、
「…るくん、…じぇるくん!」
次回のあらすじ(?)
ジェルくんがなかなか戻ってこないことに疑問を抱いたなーくん。
もしかしたら何かあった…?そう思ったなーくんは、リスナーさんに申し訳なくなりつつも
配信を切った。
そのままジェルくんの家に向かったなーくんは、机の隣でしゃがみ込んでいる
ジェルくんを見つける。
ちなみに開始わずか30分で終了した放送は、リスナーの間で考察が広がるなど
一躍話題に上がることになったのだった。
眠くて書くのあきらめた。
シリーズ化考えてます☆