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地上に落ちる鳥【4】

「ふんふんふーん♪」 午前6時。サジタリウス町の人々は目を覚ましつつあった頃。 ひとりの人間がアエクラー教会の前で陽気に鼻歌を歌いながら佇んでいた。 「朝1番にリーダーの顔が拝めるなんてぇ…ハナニラって幸せもの…」 ハナニラは体を揺らしながら、ずっと誰もいない教会の入り口に座っていた。 するとひとりの白いローブを着た男が、教会の入り口へとやってきた。 「警備お疲れ様です。ハナニラ。」 「きゃーっ!!リーダー!おはようございまぁす!」 ハナニラは嬉しそうにリーダーと呼んだ男に抱きついた。 しかしリーダーはハナニラを跳ね除け、スタスタと教会の中へと入ってゆく。 「そんな…」 まだ地上に近い場所にある太陽の光は黄色に輝き、サジタリウス町を包む。 「ドライなとこもステキ…好き…」 サジタリウス町の朝は早い。
「リーダー、この歴史書は。」 「焚き火の燃料にしてくれ。ランティア。」 「承知しました。」 ランティアは歴史書を手に教会の外へと行く。 すると歴史書が被った埃を丁寧に払い、こっそりとカバンの中へとしまう。 「ねーちゃん、この子達もいる?」 ルリトは数々の書類を手にランティアに尋ねる。 「…うん。そうだな。ありがとう、ルリト。」 ランティアはララとから教会の資料もカバンにしまい、しばらくしてからまた教会へと戻っていった。 「一文字も残さず燃やしてきました。」 「ありがとう、ランティア。…やはり、教会の秘密は守り抜かねば。いずれこの地に降り立つ神の為に…」 その神さまとは一体誰なのだろうか。 ランティアはリーダーを睨みつけて、考えていた。