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五つ子注意報!♯4
「何を、言っているんですか?」
このうさんくさ…ンンッおじさが言うには、おじさんは私たちの母・梨之宮 詩乃の双子の弟、私達から見る叔父さんらしい。
それで、姉が遺した子は自分が育てなければとかなんとか変な決心をしてしまったらしい。
そういう訳で、うちに住まないか、と。
勿論そんな気はさらさら無い。
きっと皆も反対するだろう。
でも、この人は異様に私達と顔が似ている。
だとしても、関係ない。
「私達は…」
「江水、何やってんの?」
自分の力で生きていける、そう言おうとしたとき、聞き慣れた声がして振り返った。
「茉音ちゃん!!」
「まいん…」
はっとしてまたおじさんの方を振り返った瞬間
「茉音、梨之宮茉音さんかい!?」
と男が叫んでいた。
本当に、この男はなんなんだ?
「はぁ??」
無駄に大きく鋭いため息が、空気を切り裂いた。
「あんたさぁ、何なの?」
こつこつと靴を鳴らして茉音ちゃんはあの男に近づいてゆく。
こつ、こつ、
校門の前まで来た時、校庭から
「キャー!」
と、イケメンが現れた時の様な歓声が起こった。