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イージア5
おれははっとしてミリルに駆け寄った。
「ミリル!!」
息を呑んだ。
どうしてわかったのかわからないけど、ミリルの体が内側から冷えていくのがわかった。
このままじゃミリルは死ぬんだって、ただ漠然と理解していた。
助ける方法は一つだけ。
それが自殺行為だってこともわかってた。
でも、助けるにはそれしかない。
__おれの炎で、加減をしながらうまく、ミリルを温めないといけない。
「ミリル」
おれはミリルを見た。するとミリルは目を細めながら、顔をしかめた。
「__ごめん。だめ」
ミリルはそう二言告げた。
「でも」
「こんなところで死ななくていいよ。意味がないから。」
「違う」
「違くないよ。私みたいな悪人が善人より多く生きるなんて、ばかみたいだから、やめてよ」
「ばかみたいじゃない。悪人じゃない。違う、違う」
「ねぇ、カイム。__もう、いいよ。」
「よくない!!」
先生とみんなが顔をこわばらせて、おれとミリルから離れてこちらを眺めていることに、おれはやっと気がついた。
「先生__」
「__“発作”だ。みんな、はなれて。」
先生はどこか虚ろな声でそう言った。
何か道具をとりだすと、カイム君も、と俺を後ろに押した。
先生の道具を見ると、胸騒ぎがして、とっさにそれを奪い取ろうとした。
__バチチッ!
鋭い痛みがおれを襲った。
「カイムくんっ!?」
先生は目を見開き、直後、冷たく細めた。
「__君も、イージアか。残念だな、気に入ってた2人がイージアだなんて。全部、演技か。そうか。……大人しくしていろよ。」
みんながおれから離れていくのを見て、どうしようもなく胸が痛かった。
もうこれだけで、大量の精神ダメージをくらった。辛くて辛くて、叫び出してしまいそうだ。
先生は道具をミリルに当てた。
「_______________________________________っあ、ああああああああああああああああああああああああ!」
ミリルが甲高い叫び声をあげた。そして、大きく激しく悶えだした。
やがて声が枯れ、ミリルはなすすべなく、死へと足を速めていった。
その鼓動が小さく、弱くなっていくのが聞こえる気がした。
それがわかっているのに、おれは痺れて、あまりにイージアであることと普通のノイズであることの差がすごすぎて、あまりのダメージに何もできなかった。
みんなの歪んだ笑み。
それがとにかく気持ち悪くて、でも吐くような元気さえなく、ただおれは心の中で、
どうして?と繰り返した。
1046文字。
はい。
展開が早い。
雑。
そしてなんか怖い。
の三重苦が出来上がってしまいました。すみません。
ほんとに、これから頑張ります、、