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かくれんぼ
「ねえねえ、かくれんぼしよ!」
その言葉が始まりだった。
僕は|直人《なおと》。かくれんぼを提案したのは、|百合《ゆり》。
男女で2人でかくれんぼって、どういうことだよ。
「わかった。」
僕は渋々承諾した。
何があるかとは知らずに。
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最初は百合が鬼だった。
制限時間は10分。
僕は5分くらいで見つかった。
百合は強い。
次は、僕が鬼だった。
制限時間は10分。
百合は隠れるのも上手い。
10分経っても見つからなかったから、「もう終わってるよー」と、呼んだ。
この公園は広いから、聞こえてないかもしれない。
だから、あちこちで呼んだ。
でもいなかった。
「ギャー!」
赤ちゃんか。うるさいな。
探した30分後、僕はある場所に着いた。
池の前だ。
ここは立入禁止の場所。
でも、そこに百合がいた。
死んでいた。
僕は泣いた。
「うう…ぅぅ…」とうめいていたに違いない。
上がれなかったのか。
でも気になることがある。
なぜ百合が持っていないロープが、百合に巻き付いているんだ?