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全ての恋にさよならを。 第3話 再会
道で見覚えのある顔を見つけた。
「あっ!」
お互いの声がかぶった。
その先にいたのは大人になった、学生の頃好きだった佐藤くんだ。
「久しぶり!花柳!」
「久しぶり!佐藤くん!」
「いや、こんなとこで再会するとは。」
「ね。卒業後、どこ行ってたの?」
「あぁ…
長くなるから、そこのカフェで話さない?」
「…!うん!話そう!」
「ぱーぱ
この人だあれ?」
私は目を見張った。佐藤くんの隣にいたのは幼い子どもだ。
え、
佐藤くんの指を見たら、左手の薬指に輝く指輪があった。
私は、まだ佐藤くんのことが好きだった。
長く、しつこくこびりついた、長年の片思い。
「あ、この人はね、パパの学生のごろの同級生だよ。
仲が良かったんだ。」
「へー!」
ガランガラン
「佐藤くん、結婚して、子どもも出来たんだね!」
自分でこの言葉を口に出すだけで、泣きそうになる。
「あぁ、うん。
子どもも出来て幸せなんだ。」
佐藤くんの満面の笑みに胸がえぐられる。
コツっ
お冷やのグラスに佐藤くんの指輪があたって、その存在を強調している。
「…おめでとう。」
「あ、それでね。卒業後は上京してたんだ。
花柳こそ、東京来たんだね。」
「あ、そうだったんだ!
うん、仕事の都合で。」
「あ、ここだけの話なんだけど。」
「、何?」
佐藤くんは声を潜める。
「俺、学生の頃花柳のこと好きだったんだ。
あ、流石に今は妻のことが大好きだよ!」
…え?
私もでした。って言いたいのはこらえて、
「へ、へぇ…。知らなかったな笑」
そのあと、カフェをでて、
「花柳、元気でな!」
「うん!佐藤くんこそ、お幸せにね!」
そう別れた。
「あーあ。あのとき、あの帰り道、私が告白とかしてたら、あの指輪、私もつけてたのかな。」
私は何もついていない左手を空にかざして、呟いた。