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命令 #1
「足は閉じなさいっ!」
「背筋は伸ばすっ!」
「うん…」
「『うん』じゃなくて『はい』でしょ!?」
「はい」
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私はいなくていいんじゃないか。そう思うことが増えた。
私の名前は岡田 奈々。小学6年生。
お嬢様学校に入学した。
おばあちゃんが厳しくなったのは、学校に入学してから。
「お嬢様学校に入学したならもっとシャキッとしなさい。」
とか、
「テーブルマナーはしっかり守りなさい。」
「ルール以上の仕草をしなさい。」
などなど…
4年生の時まではしっかり聞いてたけど、5年生の途中からは『なんでそんなにも言うの?』という思いが強くなった。
実際に言ってみた事はあるけど…。
「全部、奈々のことを思って言ってるの。」
と言われてしまった。
でも、おばあちゃんが言ってくるだけまだいい。
おばあちゃんしか言わないってことは、お母さんは反対してるってこと。
だからいつもお母さんは味方だった。
お父さんは、一年前に事故死。
今は、私、おばあちゃん、お母さんの3人暮らし。
お嬢様学校に入ったら、周りの子はみんな、マナーが守れているから、自分の孫も完璧にさせなきゃと思っている。
でも、私の学校はそんなにも完璧な子なんていない。私だけだ。
そんなことをおばあちゃんに言っても信じてくれない。私は、もうおばあちゃんに口答えするのはやめようと思った。