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呪い屋 クリスマス版
「いいなぁ…」
街の隅々までカラフルに彩られるクリスマス。その中には中学生から大学生、大人達のカップルがいる。
「うわぁぁぁぁぁ!」
私、|古田 結《ふるた ゆう》は一人である。
「今頃なっちゃんは、学年一のイケメンとデートですかぁ…」
なっちゃん、もとい私の親友は念願のイケメンとのデートとのことで私はぼっちである。あぁ。なっちゃんや、無情なり。
「ねえねえ、そこのお姉さん!」
ふりかえって声のする方を見ると、そこにいるのは中学生の女の子だった。
なんだ、中学生か…
「なんだ、ただの中学生かって顔しないでよ。」
「ただのとは思ってないよ。」
そこまで酷くは思ってないんだけどなぁ。
「ところで、何の用?」
すると彼女は間髪入れずに
「憎い相手はいない?」
といった。
「は?」
意味のわからんこと言い出した。とりあえず、こんな時間に1人で外にいるんだから交番に届けたほうがいいのかな。
「今日はクリスマスでいっぱい人がいるよね。その中にはカップル達もいっぱいいるんだろうな。きっとあなたの知り合いも…」
それはいるでしょう。ええ、いますとも。「クリスマス、一緒に過ごそうね!」って約束したなっちゃんでさえ裏切りやがったよ。
「不幸になればいいって思わない?」
「思うよ。」
だったらさ、と
「だったら、呪ってみない?」
その途端に色とりどりのイルミネーションが漆黒の闇にのまれていった。
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「いらっしゃいませ、醜い感情を持ったお客様。」
「ここ、どこ?」
さっきまで大通りにいたはずなのに今はあの少女と二人きりでよくわからない場所にいた。
「“呪い屋”の店員、神崎 るかといいます。Not happy merry christmas!」
“呪い屋”?
「呪いたい相手がいるんでしょう?憎らしい相手が。」
するとるかは後ろの棚を漁ると、一つのお菓子を出した。
「これこれ、|失恋ぐみ《しつれんぐみ》。」
|失恋ぐみ《しつれんぐみ》というものを私の手に押し付け彼女は言った。
「これを使えばどんな熱々カップルも別れさせることができるんだよ。お代は50円。」
「はい。」
本当にそうなるとは思わなかった、というのはいいわけだろうか。だけどそんな軽い気持ちで買ったのだ。
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家に帰って早速開けるとハートの形の大きなグミが一つ出てきた。
「ふつーに美味しそうだけどな。」
グミの袋の裏に説明書があり、これを先に割ってから食べるらしい。
「いただきます。」
ほのかに甘いいちご味が私の好みにど直球だった。
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「振られちゃった〜!」
次の日なっちゃんが私に抱きついてきた。
「えっ?!」
ほんとに効果あったんだ…嬉しかった、だけど後々私は後悔するのだった。こんなもの会わなければと。
私にも彼氏ができた。なっちゃんはまだつくれていない。そんなときに見てしまった。なっちゃんの机の上に|失恋ぐみ《しつれんぐみ》が置いてあるところを…
うまくかけませんでした。クリスマスっって楽しいですよね。