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もし、この世界に音楽がなかったら。
夏休みの作文課題として作成しました。
俺の言いたいことばっかり述べているので、そこら辺を承知の上で暇なときに読んでくださると嬉しいです。
「もし、この世界に音楽がなかったら。」
そんなことを考えた瞬間、胸の奥がひどく寒くなった。
街を歩けばイヤホンから流れる音楽に揺れている人々がいて、教室には合唱の声が響き、夜にはバンドや歌手が照らすステージがある。
俺たちはその当たり前を無意識に抱えたまま、日々を過ごしている。
けれど、それが存在しなかったなら。
例えば、失恋した夜に聴いた一曲に救われることもない。励まされたり、共感したり、歌詞に涙を落とすこともない。
ただ無言の暗闇に身を沈め、心の痛みと向き合うしかないのだ。
例えば、仲間と楽器を手にして過ごした時間も生まれない。
笑い合い、失敗しては練習し直し、音を重ねて作り上げる達成感もない。
沈黙の中で「やったな」と手を叩き合ったところで、そこに響くはずの音は虚無に飲まれて消えてしまう。
音楽は、言葉よりも深く人の心に触れる。
国も文化も違う誰かと、たった一曲で心を通わせることだってできる。
だけどそれがなければ、俺たちは自分の感情をただ曖昧に抱え込むしかないのだろう。
喜びも悲しみも、分かち合えずに。
きっと学校の卒業式も味気ない。校歌も合唱もなく、ただ淡々と証書を受け取るだけ。
結婚式も静まり返り、子どもが眠る子守歌も存在しない。
人の人生の節目から音が消えれば、記憶の彩りさえ失われてしまう。
もしそんな世界に生まれていたら、俺はどうしていただろうか。
言葉だけで心を震わせることはできただろうか。
孤独を紛らわすものを見つけられただろうか。
いや、きっと無理だ。
俺は今もギターを弾き、歌に心を預け、音に救われている。
音楽があったから生きてこられたのだと、確信しているから。
だからこそ思う。
音楽が存在しない世界なんて、想像するだけで息苦しい。
音がなくても世界は回るだろう。
けれど、その世界には心を震わせる瞬間がなく、ただ無音の虚しさが広がっているに違いない。
きっと争いごとさえ今より増えていたはずだ。音楽は怒りを静め、憎しみを和らげる力を持っている。
もしそれがなければ、人は感情を持て余し、刃を突き立てることでしか心を処理できなくなっていたかもしれない。
そう考えると、音楽はただの娯楽ではなく、人類が生き延びるために必要な「心の言語」なのだ。
音楽がある世界に生まれて、俺は本当に幸運だった。
小説、「いじめられっ子」がなろう、カクヨムで更新中!
夏休みが終わり、少し更新速度が遅くなってはいますが、完結まで書く予定です!
よければ見てくださると嬉しいです!!!
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