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プロブレム・ガールズ 3話(メグ編)
あれは、小学5年生の秋。絵画コンクールで金賞をとったときだ。
結構大きな絵画コンクールで、授賞式は隣県のとある都市で行われた。
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「表彰、金賞。|結城恵瑠《ゆうきめぐる》殿。あなたは、第56回――――」
とても嬉しかった。みんな拍手をしてくれた。拍手されたのなんて、久しぶりだ。
しかし……
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授賞式の後、私は、母の元に駆け寄ったが、母は何も言ってくれなかった。
しかし、近くにいた子は――――
「すごいねー。ユウは。銀賞とって。だって、とても絵が上手だものね。」
「えー、でも、銀賞だよ?」
「銀賞でも、ママにとっては金賞よ〜」
――――私の母は、何も言ってくれなかった。
母「……さ、帰るわよ。長居しても時間の無駄。本当は、来るのなんかアンタだけでも良かったんじゃない?私だって、暇じゃないんだから……わざわざこんな遠くまで行って……」
とても、ショックだった。この頃から、何をやっても全部無駄な気がした。
でも、やっぱり私には諦めきれなかった。
いつか、母が褒めてくれると信じて。
私は、中学生になった。
メグ「―――お母さん、数学のテストで100点取ったんだ。学年で私だけだよ?」
母「ふーん。」
メグ「―――お母さん、私、期末テスト学年一位だった。だから、その……」
母「・・・・・」
無言で無視されることもあった。
もう、私は誰にも褒めてもらえないんだろうな、と実感してしまった。