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体調不良
これはRですか!?
『あ、兄上ーっ…!!』
寝室から弟の声が聞こえる。
そう。今、弟は体調を壊している。
まぁ体調崩したのは俺のせい…何だけど。
弟の声が聞こえるたびに、胸が痛む。
心の中で「ごめん」をひたすら連発している。
--- 昨日 ---
昨日は雨だった。
でも、傘は1つしか持っていない。
「…どっ、どうしよ…。」
俺が戸惑っているとすぐに弟は俺に傘を差し出す。
何回「いいよ」と言っても、諦める様子はなかった。
絶対弟には雨にあたってほしくなかったが、俺は弟の可愛さに負けてしまい、俺だけが傘をさすことになってしまった。
『大丈夫ですっ、僕走って帰るので!』
ほんと何を言っているんだろうと思う。
雨に濡れながら帰ったら風邪を引くに決まっている。
だけど、弟は本気だ。
この土砂降りの雨とは真逆に、弟の心は晴天のように晴れていた。
そして弟は、俺を置いて走って家に帰ってしまった。
---
その結果、風邪を引いた。
今は「だから言ったのに」とかじゃなくて謝罪の気持ちが一番にあった。
俺が弟の可愛さに負けてしまったのが悪い。
やっぱりあの時傘を弟に譲るんだった。と、今さら思う。
申し訳なさそう。を演じて、寝室の前に立つ。
「…大丈夫、か?」
とドア越しに言うと、
『あ…ぇ、だっ、大丈夫…えへへっ…』
と、返ってきた。
今俺の心情は体調の心配より、「可愛い」で埋め尽くされている。
いつもなら「えへへ」なんて絶対に言わない。
あの声だけで、弟の顔が熱で真っ赤になっているのが想像できる。
部屋に入りたい。が、風邪がうつったら看病できる人がいなくなってしまう。
これは人生最大の…いや、世界最大の難関なのかもしれない。
『あにうえっ…おへやきーてっ』
え?タメ口…?
あまりの弟の変わりように、俺は照れるのを隠せない。
でもこの世界最大の難関を弟が簡単にしてくれた。
あとは俺が答えを出すだけ。
だが!!
キャラじゃない。弟の言葉に甘えるなんて絶対キャラじゃない。
「えっ…、//でも風邪…うつるだろ、!」
(※↑誤魔化しました。ほんとは部屋入りたい)
『いーのっ、!!はやく!!』
いや…良くない。
これ以上照れたらだめだ。
ほんとに申し訳ないけど、弟の声を無視することにした。
弟の声を無視すると、また声がとんでくる。
『あーにーうーえっ…!!』
『ねぇってばぁ、』
『…んねぇ、ッ泣』
しばらく無視していると、部屋から泣き声が聞こえてきた。
さすがに弟を泣かすのは兄として間違っていると思った。
そして一回だけ口を開こうとした、その時だった。
「わかっ…た、わかったかr…」
まだ言い終えてないのに、まだ扉のドアノブすら握ってないのに、扉がガチャっとあいた。
そこには熱でほっぺが真っ赤になった弟がいた。
目には涙を浮かべていて、それを小さな指で拭っている。
『…あ、あにうえっ……ッ泣』
何も言葉が出ない。
だって可愛すぎるから。
どんな女神よりもどんな美人な女性よりも、目の前の小さな弟のほうがよっぽど可愛い。
ほんと小動物みたいだった。
『きてって言ったじゃん…ッ、!!』
熱の中、頭をあげて、とろんとした目で俺の方をしっかりと見つめる。
『あにうえのばかッ…ばーか…っばか…っ』
愛する弟に「ばか」とか言われたらさすがに俺のメンタルが持たない。
だからさすがに謝った。
その謝るまでの速さはストップウォッチでも測れないような速さ。
「ご…ごめん…、っ」
まぁ、目は合わせられないけど。
(※↑当たり前です。)
俺が謝った次の瞬間だった。
弟は、俺が誤ったにも関わらずまた、「ばか」と発した。
そのタイミングで弟は俺に飛びつくように、抱きついた。
そして俺のお腹に顔を埋めた。
「へ…っ、!?」
ほんとに急すぎて照れているのが抑えきれない。
でも、そんな感情を無視し、弟は何も言わなくなって
しまった。
「ほんとにっ、!!…ごめん、っ」
もう一度謝り、弟の背中に手を回す。
そうすると、さすがの弟も気づいたのか、肩が少し動いた。
でも、何も言わない。
「ほんとにっ、ごめんって…、」
3回目の謝罪。
弟は3回目の謝罪でやっとこちらを向いてくれた。
そして、ゆっくり口を開いて、何かを言おうとしている。
一瞬、ニヤッと笑った気がしたが、気のせいだろう。
『……ばーかっ、♡』
「え、…?」
ドサッ
気づけば俺は床に押し倒されていた。
ありえないくらい、ドキドキしてる。
弟は熱があるのに、これじゃまるで俺のほうが熱があるみたい。
それくらい俺のほっぺは真っ赤なのだろう。
(え、てかなんで俺が下なんだよ、!?)
あ、終わった、
この状況…やばい。
シンプルに顔の距離が近い。
今はお互いの吐息しか聞こえなかった。
『ねーぇ…あにうえっ、♡』
怖い。
今犯行したらほんとやばそう。
『おれ…さみしかったッ…泣』
一人称が「俺」になっている。いつもは「僕」なのに
俺はもう、謝ることしかできなかった。
が、いくら謝っても、もう弟は許してくれないようだった。
『…おれ何回もよんだよねっ、?でも来てくれなかった…ッ。だからちょっとくらい意地悪しても…良いよねっ、♡』
俺今から何されるんだろう。
まさかの風邪引いてる弟に襲われるとか思ってなかったな、
俺は、何も言うことができなかった。
ただいつもとは全く違う弟を見つめるしかなかった。
『お仕置きだか…らね、?…♡』
はい。終わった。
こういう状況は初めてだけどわかる。
「いやっ…、嫌だッ、泣」
ほんと嫌だ。
というか絶対風邪うつる…というかもう、うつっているだろう。
『かわいいね…♡あにうえっ…♡』
弟の熱い熱。俺の熱のように熱くなっている顔。
もうなんか…俺まで体調不良者じゃん、
『嫌がっちゃだめ……っ、♡全部あにうえのせいだもんっ…』
確かに今までのことは全部俺のせい。
風邪を引かせたのも弟をこんなのにさせたのも。
でも、嫌だ…嫌だ。
もう、本気で謝って許してもらおう。
そう決断して謝ろうとした、その時だった。
『あに…うえ、にっ、お仕__置き…っ…あにう…ぇっ…__』
弟はそれだけ言い、俺の隣でコテッと寝てしまった。
「え…はっ…!?//」
どうにか逃れられた。
弟はさっきとは真逆の穏やかな表情ですやすやと寝ている。
まぁ、どれだけ動けても風邪を引いているということには変わりない。
だからだろう。
熱で体力がなくて寝てしまったのだろう。
「お仕置き」か。
俺何されてたんだろうな、
みたいなことを考えながら俺は弟を寝室まで運んだ。
優しく毛布をかけてあげる。
おでこをそっと触ると、まだ熱い。
多分38度くらいだろう。
「…早く元気になれよ、」
これでわかった。
弟は熱になるといつも通りじゃなくなるということを
「俺、お前のこと好き、だよ。」
いいのだろうか。
男を好きになっても。
弟を好きになっても。
「ごほっ…」
『__ん…んん、あにう…えっ、__』
「は…!?おき…た!?」
はい、疲れた
つづきかくかぁ