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GW企画 #4
ツイステッドワンダーランドより『リュウ』を深掘り!
リュウside
「お前がオクタヴィネルの新しい寮長をやるなんてな」
「……あ」
夕暮れの草原の第二王子のレオナ・キングスカラー。
そういえば、サバナクロー寮の寮長やってるんだっけ。
「これ、カラスから次の寮長会議の資料だ。読んでおけよ」
「あ、りがとうございます……?」
「何で疑問系なんだよ」
適当に誤魔化して足早にその場から離れる。
《《一年なのに》》寮長をやるから、ただでさえ注目を集めていた。
それだけじゃなくてレオナの知り合いとバレたら何を言われるか。
数日後、俺は学園長室に来ていた。
もちろん寮長会議があるからだ。
「それでは自己紹介から始めましょう!」
なんで一人だけあんなにハイテンションなんだろう、学園長。
「サバナクロー寮長、レオナ・キングスカラーだ」
レオナはやっぱり堂々としてるな。
俺が次なんだから、もう少し王族オーラを抑えてくれても良いんじゃないか。
そんなことを考えながら、俺は立ち上がる。
「オクタヴィネル寮長になりました、リュウと申します。よろしくお願いします、先輩方」
俺がそう言った瞬間、レオナが笑い出した。
え、笑うところあったっけ。
しかし他の寮長はそんなことに一ミリも触れず、会議を始めた。
こういう冷たいところ、NRCっぽいな。
「━━で、何であんなに笑ったたんだよ」
寮長会議が終わり、俺たちは中庭に来ていた。
殆どの生徒は部活に行っているからか、俺たち以外の姿はない。
「お前が敬語を使うのが面白くて、つい」
「はぁ?」
普通に、意味が分からなかった。
何故なら俺は昔からああいう場面では敬語で話している。
でも、最近はタメ口だったかもな。
「学校生活はどうだ?」
「まぁまぁだね。妹がいない点に関しては最高としか言えないけど」
「あー……なるほど」
俺には妹がおり、母親が激愛しているせいかクソ生意気に育った。
というか、母親と共に俺をいじめてくる。
流石に公務に支障を出さない程度だが、メンタルの弱い奴だったらアウトだろう。
本当、何を考えているんだか。
しかも俺の妹は何と━━。
「俺も学園に入ってから絡まれる回数が減って助かってるわ」
━━レオナ・キングスカラーの婚約者だった。
こんな怠惰な奴が兄だなんてごめんだ、というのが正直なところ。
でも、友人としては最高だ。
将棋に付き合ってくれるだけでなく、チェスを始めとした外の世界のことを教えてくれる。
マジカルシフトの腕は確かだし、飛行術もレオナに習った。
「それじゃ、寮長頑張れよな」
「今すぐ辞めたいんだが?」
「お前は一年……いや、二年近くやってると思うぞ」
なんでそう思う。
俺が問いかけると、レオナは笑いながら言った。
「ただの感だ」
おじたんカッコいいよね。
推し(イグニ)と絡ませるにはどうしたら……