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空色のペンキ
サトシの部屋の壁には、大きな白い四角形がある。
そこにあった海辺の大きな絵は、一週間前、姉のミウが病院に持って行った。
そしてミウは、もう戻らない。
ミウはいつも明るい太陽のような人だった。「サトシ、下を向いてちゃ、きれいな飛行機雲を見落とすよ」が口癖だった。
今のサトシは、床のフローリングの木目を数えることしかできない。
コンコン。
ドアが開き、母さんが小さな缶を持ってきた。
「ミウの荷物から出てきたの。サトシに、って」
それは空色のペンキと、一本のハケだった。
缶の底に、ミウの丸い文字で手紙が貼ってあった。
『私の絵がなくなって、寂しい壁になっちゃったね。サトシ、そこにあなたの空を描いて。涙の雨が降っても、その上にはいつも青い空があるんだよ』
サトシは胸がギューッと痛くなった。涙がポタポタと床に落ちた。
会いたくて、声が聞きたくて、たまらない。
サトシは震える手でハケを握った。
ペンキをつけて、白い四角い壁に思い切り横に線を引いた。
鮮やかな、まぶしい空の色。ハケを動かすたび、ミウとの思い出がよみがえる。
一緒にアイスを食べたこと。ケンカをして泣いたこと。ミウが笑って頭をなでてくれたこと。
涙で壁がにじんで見える。でも、サトシは手を止めなかった。
塗り終えたとき、部屋の中に小さな青空ができていた。
窓から夕方の優しい光が差し込み、青い壁を照らす。
サトシは大きく息を吸った。胸の痛みは消えない。悲しみはなくなったわけじゃない。
でも、不思議と足に力が入る気がした。
「姉ちゃん、見てて」
サトシは窓を開けた。冷たい風が頬の涙を乾かしていく。
上を向くと、そこには本物の、広い空が広がっていた。
どうだった、ちょっと読みにくかった?初めて切ない系書いたかもしれん・・・。けど、一歩踏み出す勇気をくれる小説だね!こんな切ない系な・・・勇気をくれる小説を書いてほしい!っていう人がたくさんいたら、また出すね!