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2話 行き渡る情報の糸
かぎかっこを全角にしました。ちょっと見やすくなった気がします。やる気があれば1話も変えます。
グロめな単語が出てくるので一応PG12です。
ーサイラス視点ー
夜闇の豹「じゃここっちとゆづっちにも7階で待機するように言っといて」
霧迅猫「はい。遅くなりそうなら連絡してくださいよ」
夜闇の豹「はいはーい」
会議終了後、潜入の準備のためにさくっちと別れてエレベーターで9階へ向かう。9階につきエレベーターのドアが開くと、白いリボンが巻いてある黒い帽子を被った男性がいた。
裁判官「夜闇の豹さんか…情報受け取りに来たのか?」
夜闇の豹「まぁ、そんなところっすね」
この人はロアーナ・ソルト、コードネームは裁判官。拷問部隊の部下の1人で、蚕影さん、クロさん、かやっちと同じ2年前に起きた抗争の生き残りらしい。
夜闇の豹「まだ吐いてないっぽいですか?」
裁判官「いや、会議中に当職とサクリファイスが拷問していたのだがその時に色々吐いた。それ以外のことは知らないな…今は暁さんが拷問している」
ロアーナさんが言っている"サクリファイス"は拷問部隊部下、エルファ・ヨルジェットのコードネーム。喋り方が特徴的で、虫退治で壁ごと破壊してしまうぐらい力が強い。虫よりも壁を直す製作部隊が1番可哀想だ。
夜闇の豹「了解です、じゃあ聞きいってきますね」
裁判官「あぁ」
そういうとロアーナさんはエレベーターに乗って1階に上がっていった。本でも買いに行ったのだろう。確か読書が趣味だったはずだ。
ロアーナさんを見送ってから奥へ行き、かすかに血生臭い匂いがする拷問部屋の扉を開けた。中には拷問が終わったばかりであろう不気味な笑みを浮かべたゆうゆうが薄暗い中突っ立ってこちらを見ている。
暁「ヨォ、夜闇の豹···♪元気してるかぁ?」
夜闇の豹「あ、ゆうゆうじゃん。あいつ情報吐いたの?」
暁「あぁ。ちょうど…ここに来たの情報目的だろ?ほらこれ」
夜闇の豹「ども」
拷問で手に入れた情報は拷問部隊が紙にまとめ、作総部隊がそれを基に印刷、そこから情報部隊、潜入部隊を優先して伝達される。潜入部隊はこういうときの情報の伝達も行うのだ。情報の外部流出対策でメールは使わないらしい。
暁「…そーだ、潜入ミスったらどうなるか···さっき捕らえた獲物使って見せてやるかぁ?」
彼女はオレを嘲笑うように見下ろし、ついさっき拷問した奴から取ったらしい歯と爪を手から零すように見せてきた。まだ血がこびりついて生臭い。本能的にそれに反応したのか、気づけば身体に力が入っていた。
暁「ま、ヘマすんなよっつーことだ。じゃあな」
夜闇の豹「…ああ、失礼しましたー」
潜入失敗の先にるのは拷問、最悪死。分かってはいるし、何度も潜入任務を成功した実績はあるから心配はないはず。でもいざ拷問を受ける人をみると、感情輸入して恐怖が湧き上がってしまった。表の方から入ってきた者の宿命だったりするのだろうか…
気持ちを切り替えるように首を横に振り、作総部隊のオフィスへと向かった。
夜闇の豹「失礼しまーす、拷問部隊から入手できた情報もらってきましたー」
金色姫「取ってきてくれたのか、ありがとー」
蚕影さんは蚕の幼虫で遊んでいた手を止め、オフィス内の簡易的な洗面所に向かっていった。流石に虫を触った手で書類を触りはしないらしい。
長黄金「先に情報拝見してもよろしいでしょうか?」
夜闇の豹「あ、はい」
この蜘蛛や蜘蛛の巣が描かれた和服を着ている人は|邪蜘蛛《やくも》 |鬼糸兎《きしと》、コードネームは|長黄金《ながこがね》。作戦・総務部隊の部下で、とにかく背が高い。オレが171cmで大体平均身長なのに見下ろされる程だ。
手洗いから戻ってきた蚕影さんに鬼糸兎さんが資料を渡し、並んで目を通し始めた。確認から印刷までは数分ほどで出来るので、近くにあったおそらく来客用の椅子に座って待っていた。
ークロ―ト視点ー
ふと目を上げると、ひょうから貰ったであろう資料をこかげとこがちゃんが並んで眺めていた。何度も見た光景だが、毎度2人の身長差に目が行ってしまう。168cmと215cm…一般男性と比べても圧倒的にこがちゃんの方が高いので、これは特殊体質なのではないか…?と勝手に思っている。
金色姫「成る程…ありがとね。印刷するからちょっと待ってて」
夜闇の豹「は~い」
柴道煌「ただいま帰りました。」
長黄金「あ、お帰りなさい」
連環「おかえり」
今入ってきた両手の小指に赤い糸を結んでいる人は作戦・総務部下のラーミア・フェリチータ。コードネームは|柴道煌《チャイダオファン》。ちょうど清掃サービスの対応から帰ってきたらしい。
Silkでは死体処理は業者に頼んでいる。値段が相場より少し安い業者で頼む機会も多くないので金銭的には問題ない。格安でもないし、抗争直後から利用しているものの特に怪しい動きはないので信用している。
柴道煌「こんにちは潜入リーダー。潜入の仕事が入ったんですか?」
夜闇の豹「はい、変に大きい組織じゃないといいんすけど。」
柴道煌「組織名は"trriger"…引き金か…」
長黄金「うちが昔に喧嘩売ったってわけではなさそうなんですよね。仮にそれだとしてもなぜ今復讐しに来るんだって話ですけど」
連環「地下基地に潜入してくるってのも凄いけどね。相当ほしい情報があったのかな」
金色姫「地下基地への潜入は大変だし怪しまれやすいからね…」
夜闇の豹「潜入終わったら潰すんすか?」
金色姫「そうなるかな…流石にうちも売られた喧嘩は買うよ。戦わな過ぎも舐められるし」
連環「潜入まで来ちゃったら流石に話し合いで解決できないか…」
生存を掲げる組織としては出来れば穏便に解決したいが、基本こちらから攻めはしないだけでやられたら普通にやり返すため、危害を加えてきた組織は例外なく潰している。一度話し合ってみたくはあるんだけどね。
長黄金「あ、印刷終わったのでこれを情報部隊と潜入部隊の人達に共有お願いします」
夜闇の豹「どうも…じゃ失礼しました~」
金色姫「よろしくねー」
ー咲視点ー
夜闇の豹「__さくっちー入ってもいい?__」
霧迅猫「隊長ですよね?どうぞ」
夜闇の豹「作総部隊から資料貰えたし、誰が潜入行くか会議するからここっち呼んで来てくんね?オレはゆづっち呼び行くから」
霧迅猫「はい」
Artemis「呼びましたぁー?」
夜闇の豹「呼びに行く手間省けたわ」
いきなり現れた両耳にタッセルピアスをつけているのはゆづっちこと|桜庭《さくらば》 |癒月《ゆづき》。コードネームはArtemis。潜入部隊部下で数少ない年下…だが敬語を使わないし物騒で可愛げが無い。せめて自分の隊の隊長には敬語を使ってほしい…
霧迅猫「では恋瑚麓さん呼んできますね」
夜闇の豹「よろしくー先会議室行ってるな」
Artemis「ではぁ~」
少し2人を見送ってから恋瑚麓さんの部屋に行き、軽くドアを叩いて呼びかけてみる。
霧迅猫「恋瑚麓さん、隊長帰ってきたので会議始めますよー」
陽炎「…はい……行きましょうか…」
ドアから出てきた黒と青のヘッドセットを付けているのが|如月《きさらぎ》 |恋瑚麓《ここは》さん。コードネームは陽炎。必要最低限しか喋らない程無口だけど、しっかりしててちゃんと仲間想いな人。
霧迅猫「………」
陽炎「………」
恋瑚麓さんと行動すると、いつも会話が全くと言っていいほどない。もちろん仲良くしたいけど、事務連絡以外は話題を振っても会話が続かないのでほぼ必然的に無言になる。恋瑚麓さんはどう思っているのだろうか…
…とか考えているうちに会議室についた。無言の時間は実際より長く感じてしまう。
霧迅猫「隊長、恋瑚麓さん呼んできました」
夜闇の豹「ありがと、じゃ会議始めますー資料どうぞ」
Artemis「ありがとぉ~」
ーーーーーーーー
20XX 3/14 拷問後メモ
組織名:Trriger
拷問対象:|田宮《たみや》 |園歌《そのか》(22歳女)
拷問対象の能力:透視(地下5mまで)、特殊体質は無し
拷問内容:爪剥ぎ、抜歯、指切り、腹切り(内臓摘出)、聖女の能力
目的:個人情報入手、用途は覚えていない(不明)
取得情報:
・Trrigerの潜入員
・Trriger基地は地上にある(地上3階がトップの部屋、2階は居住区、1階は倉庫、訓練室、情報室)。階段で行き来する
・ここに来て捕まるまでの記憶が無い
潜入員:夜闇の豹
ーーーーーーーー
Artemis「ん?"ここに来て捕まるまでの記憶が無い"ってどういうことぉ?」
夜闇の豹「そこ変だよなぁ、原因は分かってない」
霧迅猫「記憶喪失になったとかでも、能力や特殊体質でもなさそうですし不思議ですね」
夜闇の豹「確かに侵入者に術をかけて記憶を消して拷問時に情報を漏らさないやり方もあるらしいけど、なら組織名バラすのはおかしいんだよな」
Artemis「確かに…ますます謎だね~」
霧迅猫「でも今考えても仕方ないのでまず誰が行くか決めましょう?」
陽炎「…はい」
夜闇の豹「それなら俺行きたいんだよね、しばらく行ってない気がするし」
霧迅猫「隊長なら心配いりませんけど…」
Artemis「私は良いと思うよ~」
…相変わらず癒月は敬語を使わない。それは会議後に注意するとして、隊長なら地下1階の情報室に潜入は容易なはずだ。
陽炎「…いいと思います」
夜闇の豹「異論ないね、行くわ」
Artemis「…あれ解散?」
霧迅猫「…ですね」
Artemis「秒で終わったじゃ~んおやつ買いに行こ~」
陽炎「…情報部隊へ…資料を共有しにいってもいいですか」
夜闇の豹「いいよ、ありがと~…ふわぁ…」
霧迅猫「ありがとうございます」
Artemisは会議室から出ていくし隊長は眠そうだし…僕も訓練の予定を入れているので恋瑚麓さんに任せることにした。
ーこいん視点ー
モニターの前で基地周辺のカメラを確認していると、ノック音が聞こえた。
陽炎「__こいんさん……情報の資料をお持ちしました………__」
コイン「陽炎か!入って入って~」
陽炎「…失礼します……こちらが資料です」
コイン「ありがとう、どれどれ…」
ーーーーーーーー
20XX 3/14 拷問後メモ
組織名:Trriger
拷問対象:|田宮《たみや》 |園歌《そのか》(22歳女)
拷問対象の能力:透視(地下5mまで)、特殊体質は無し
拷問内容:爪剥ぎ、抜歯、指切り、腹切り(内臓摘出)、聖女の能力
目的:個人情報入手、用途は覚えていない(不明)
取得情報:
・Trrigerの潜入員
・Trriger基地は地上にある(地上3階がトップの部屋、2階は居住区、1階は倉庫、訓練室、情報室)。階段で行き来する
・ここに来て捕まるまでの記憶が無い
潜入員:夜闇の豹
目標:構成員の個人情報
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順番に項目を確認していくと、おかしいところがあることに気づいた。ここに来てから夢見月に見つかるまでの記憶が無い?
能力無効系の能力や体質はないので、聖女の能力でも出てこないということは本当に覚えてないんだろうけど…
コイン「記憶が無い?」
陽炎「……………」
コイン「変だな…ま今はいっか、資料ありがとな!」
陽炎「はい」
アンノウン「…あぁ、陽炎か……」
キキ「如月さん、来てらっしゃったんですね」
聖女「こちらは共有用の資料ですか?」
コイン「そ!今のうちに配るよ」
修道女のような白いドレスを着た人がアリス・ホープ。コードネームは|聖女《マドンナ》。独特な価値観で正直たまに狂気を感じてしまう。拷問部隊でもいけそうな人だし、実際情報入手で使うことがある。
先端につれて紅くなっている白髪の男性はアル・フォリビア。コードネームはアンノウン。ハッキングが得意で睡眠時間が短いからか地味に短気な気がする…2人とも情報部隊の部下だ。
キキ「…記憶が無いってなんだ?」
アンノウン「意味わかんね……ハッキングのし甲斐はありそうだが………」
聖女「私も行きましたが、既に救済の第一ステップは終わっておりました。」
聖女は罪をすべて吐き出すことをこう言う。人間は「罪を告白し、魂が浄化されることでのみ救済される」と本気で思っているらしい。
陽炎「……では………失礼します。」
キキ「はーい」
コイン「USBの用意とカメラ出来るだけハッキングしとくか…」
エルファちゃんとアルさんは奏者が作ってくださったキャラクターです。
主観ですが、実際に死体を見たり殺人など残酷なことをすることに抵抗がある人はどの組織にも一定数いそうなんですよね。サイラス君もその1人。彼はしばらくメインで出ます。潜入部隊の役回りってやつさ。
あと、どんどんキャラクターが出てきますね。作者も一部キャラクターが掴めていない方がいるので資料を見ながら執筆しています。「うちの子はこんなこと言わない!」とかあればお願いします。でも番外編でははっちゃけさせます。