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あの子が気になっちゃうんです。
脳裏
体育館裏に行くと、誠くんがいた。わたしを見つけると、パッと花が咲いたように笑って、倒れそうになった。まあ、本人には恋愛感情とか、全くなさそうだけど。
「ごめん待った?」
「ううん、大丈夫。」
「それで、なんで呼んだの?」
「………ごめんなさい。」
かわいい声で、超うるうるの目でそう言うもんだからわたしは、再び倒れそうになった。
「えっと、な、、んで謝るの?」
「じ、実は、………昨日の、泥棒は、…………僕なんです。」
「………………………え………」
「ごめんなさい!………理由は言えないんですけど、………今から片付けに行っても、いいですか?」
えええええ、てことは、………お家で………ふ、ふふふ2人!?
「ああああもももちろん最高大歓迎!」
「あ、嫌だった?」
「ううん、めちゃくちゃ大歓迎だよ!」
わたしは、チャンスを逃すまいと、必死に彼を引き止めた。
「じゃ、じゃあ早速行こうか!」
「あ、うん」
わたしが歩き始めると、彼は素直に後ろをついてきた。ひよこみたいでほんとに、かわいいな。
「わたしもついていっていい?」
あ、早苗のことすっかり忘れてた。2人きりになれないのはちょっと残念だけど、人手が多い方が助かる。
「あ!転校生の………」
「早苗だよっ!」
「あの、よろしくお願いします。」
「もうっ、こはるんに変なことしたらただじゃ済まないんだからねっ。」
「もうっ、大丈夫だってば!」
「ふふ、冗談よ。」
「じゃあ、行こっか。」
「うん!」
「はい」
(ガチャ)
「うわー、昨日と変わってないねー」
誠くんは申し訳なさそうに目を伏せてる。
「そう言えば、なんで誠くん血が出なかったの?」
「ああ……それは、僕が…………不死身だからです。」
「??????????」
「ええ!すごいねえ!ねえねえ!わたしめちゃくちゃ面白いこと、思いついちゃったんだけど!」
「何?」
「この三人でチーム作って、殺し屋をやるのはどう?」
「え!」
「殺しもできるし、お金ももらえるしで、一石二鳥じゃない!?」
「え……あの、お二人って、人殺したことあるんですか………?」
「うん。」
「もちろん」
「えええ!」
誠くんがビクッと体を震わせた。
「あ、大丈夫。あなたを殺しはしないから。」
「あ、はい………」
「それで、どうする?」
「でも、…………人を殺すのは、ちょっと………」
「うーん、じゃあ、それ以外のこと手伝ってよ!……そう言えば、不死身って言ってたけど、歳はとるの?」
「歳は普通に取ります。」
…………でも普通、人殺しって分かったら逃げ出しそうなものだけど、何か理由があるのかな?わたし、まだまだ誠くんのこと全然知らないんだな………。もっと知りたいと思ってしまう。
片付け終わった頃には、もう6時だった。
「ねえねえ、ご飯食べてかない?」
「えっ、いいの?」
「うん」
「やった〜」
「ぼ、僕はそろそろ家に帰らないと……………。」
「……そっか、じゃあまた明日………。」
「待って!Rainで三人のグループ作ろ!」
「いいね」
「はい」
早苗が帰り、ベッドに寝転んだ時も、ワクワクが止まらなかった。………そうだ!早速Rain送ってみよ!
(これからよろしく!)
すぐに返信があった。
(はい!一緒に頑張りましょう。)
嬉しくてほおが緩んでしまう。
(みんなで頑張ろ〜!)
「ふふっ」それから夜遅くまで、みんなとやりとりをしていた。