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異世界プリンセス! ④
イケメン執事の|皇《すめらぎ》さんと町に出た私…ライト姫(本名・|麗兎《れいと》)。
さっきまで人がいなかった町は、今にぎわっている。
「何か食べたいものや、欲しいものがあったらなんなりと」
皇さんもいつの間にか執事服から町の人と同じような無地の服を着ている。
「なんか…パンの匂いするっ!」
「町で有名な菓子パンの香りでしょうか…おやつ代わりに食べましょうか」
「はい!」
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「ん~っ!美味しっ!」
私は皇さんにチョココロネを買ってもらった。
ちなみに皇さんはあんぱん。
「あんぱんも一口どうぞ」
皇さんは自分のあんぱんを一口サイズにちぎって私にくれた。
「小豆甘~いっ!」
「す~め~ら~ぎぃ~~~!?」
ドタドタッ…!
あっ…さっきのイラつき執事っ!
名前は確か…メオンだっけ。
「メオン様…ライト姫様はお疲れです。お休みさせてください」
「はぁん?皇は甘すぎるんだよ!」
「そんなことはありませんっ…心配をしているだけです」
二人の執事が揉め始めた。
私はオドオドして見てたけど…もう!
どうにでもなっちゃえ———!!
私はメオンの口に自分のチョココロネを突っ込んだ。
「皇はホントにもg…っ!?」
「ライト姫様っ!?」
チョココロネは意外にもメオンの口へ消えていった。
「ライト姫様…さすがです!メオン様がチョコオタなことを覚えていらっしゃるとはっ!」
皇さんは拍手をしている。
そ…そうなんだ…チョコオタ、意外。
「…姫様、戻りますよ」
メオンは私の腕を今度は優しくつかんで歩き出した。
「ライト姫様、すみません。また今度出かけましょう」
「聞こえてっぞ」
二人は軽くケンカをしながら帰った。
もちろん私も一緒にね…。