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お前が死ねばよかったんだ
暴言(◯ね等…)が多く出てきます。
何もかも、虐げられてきた。
そのくせ、最悪な環境だった。
元は、円満な家庭だった。父と母、そして私の3人ぐらしだった。
狂ったのは、父が死んでから。
父は交通事故に巻き込まれて、あっけなく死んでった。あれは私が小学3年生の時だった。
母は、父の事を本気で愛していた。だからこそ、父のいない生活は母にとっては地獄だった。
いつもは、きっかり12時に出てくる昼食も、15時ぐらいに出されるようになった。
ハンバーグ、エブフライ。そんな子供が大好きな食事が、いつしか白米と味噌汁だけになった。
それでもまだ、食べられるだけマシだった。いつまで経っても、昼食も夕飯も出てこない日が続いた。
「ママ…お腹…空いた…」
「チッ。めんどくせーな。…お前が、お前が死ねばよかったんだ。務さんの代わりに。
お前がいるから私はいつまで経っても務さんが忘れられないのよ。お前なんか…さっさと出てけばいいのよ。」
もう私を名前で読んでくれる母はいなかった。お前、お前と私を呼び、罵り、餓死寸前まで食事がない。暴力だってそれが当たり前の日常になってきた。
高校生になっても、それは続いた。
「お母さん。私、部活は弓道部入りたい。」
「…はぁ?何言ってんの?お前は勉強だけして、さっさと家から出れば良いんだよ。」
嘘つけ。男を家に呼びたいんだろう?男に貢いで私にかけるお金なんて無いんだろう?だから私を追い出しにかかるんだろう?
「あんな男の子供なんて育てたくて育ててきたわけじゃないのよ。」
「は…?」
「あんな男、交通事故にあって死んでよかった。だっておかげで私は多額の遺産も手に入ったし、毎日こうして遊んでいられるしね。ほら、今から飲みに行くの。お留守番、しててよね。」
もう、我慢の限界だった。
「…ふざけんなよ。」
「…今、なんて?」
「ふざけんなって言ったんだよ。お前の我儘な人生にはこれ以上付き合ってられない。」
「今まで誰が育ててきてやったと思ってんだ!お前にいくら無駄な金をかけてきたと思ってんだ!
そんなに偉そうな口を聞くなら今までの養育費返せよ!」
「養育費?何言ってんの?それ全部、お前の金じゃなくて、お父さんの遺産でしょ?あたかも私が全部出したみたいな恩着せがましい事言わないでよ。」
パンッ!
「あんたなんか、生まれてこなきゃよかったんだよ!死ね!今すぐに死ね!」
「私だって生まれたくて生まれてきたわけじゃない!
お前が誰彼構わず男に近づいて!何回もヤッてたんだろ!それで子供ができちゃって堕ろせなかったんでしょ!?金が無いから!まぁ、育てられるかみたいな軽い気持ちで産んだんでしょ!?どーせ!
お前のせいじゃん!お前がヤらなきゃよかったんだよ!優しいお父さんが見かねて拾ってんだよ!お父さんがお前を愛してるわけ無いだろ!そんなヤリマン女なんか!
今からどーせラブホ行って新しい男とヤッてくるんでしょ?私の飯は作らずに!部屋も散らかったままで!服だ、化粧品ばっかに金かけやがって!調子乗るのも大概にしろ!」
「り…梨沙…?待って…!ママ、ちゃんとするから!だから、ね?いっ命だけは…!
ママ…反省してるから…!」
「お前は、金だけ残してさっさと死んでればよかったんだよ。
生まれてこなきゃよかったのはお前の方だ。」
「いっイヤァァァァァァァァァ!!!」
梨沙。私の名前を読んでくれる母親は、もう|ここ《現世》にはいない。