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4話 異変に気づいたサブマリン
まえがき
こんにちは!coco☆bayです😊
朝に余裕があり、小説を書き、電車の中で投稿しております🌄
R18なしだし見られてもいいでしょ(よくない)
グラウンドに差し込む陽射しが、少しだけやわらかくなってきた頃。
ブルペンから戻った中川颯は、いつものように小園の横に座った。
練習終わり、2人で軽く映像チェックをするのが最近の習慣だった。
「今日のフォーム、ちょっと左足早くない?」
「……そうかも。ありがとう」
会話は、普通だった。
でも、違和感がある。
なんとなく、健太の目が合わない。
前はもっと自然に、ラフに言いたいこと言ってくるやつだったのに、最近の健太は、何か言葉を選んでるような気がする。
距離感を少しだけ、慎重に取るようになった。
そしてなにより——
「この前、トバさんと焼き鳥行ったんだ」
「……よかったじゃん」
返事が、妙に短かった。
前なら「またトバさんかよ、好きすぎ〜w」って笑ってくれたはずなのに。
今は違う。笑わない。目も合わない。
(……なんでだろ)
練習が終わって、寮に戻って、シャワーを浴びながら颯はぼんやり考えた。
(健太、なんか……怒ってる?)
いや、違う。
怒ってるというより、避けられてる。
でも、理由が分からない。心当たりもない。
ただ、1つだけ思い当たるとしたら——戸柱のことを話した時に、特に様子が変わる気がする。
そのことに気づいた瞬間、心の奥がざわっと揺れた。
(まさか……そんなこと、ないよね)
部屋に戻ると、小園は先にベッドに腰掛けてスマホをいじっていた。
中川は少し迷った末、意を決して話しかけた。
「健太、最近……なんか変だよ」
「……変?」
小園はスマホから目を離さずに答えた。
「僕、なんかした?」
その言葉に、小園の指がピタリと止まる。
数秒の沈黙のあと、小園はスマホを伏せて、中川を見た。
その視線に、感情が滲んでいた。
「してないよ。颯は……何にも悪くない」
「でも避けてるでしょ、僕のこと」
「……違う。避けてるんじゃなくて、見ないようにしてるだけ」
「え?」
「じゃないと、たぶん……おれ、颯に言っちゃうから」
その一言に、呼吸が止まった。
小園の目は、真っ直ぐだった。
逃げてない。でも、苦しそうだった。
「颯が、戸柱さんのことばっか見てるの、わかってる。でも、おれ……お前のことを見てる時間のほうが多くなってた」
「……健太……」
「相談乗ってるうちに、なんかもう、わかんなくなってきて……苦しくて………言わないで済むなら、それでよかったんだけど」
小園は立ち上がった。
「でももう、黙ってるのも、しんどいわ。はっきり言うよ」
そして、ぽつりと言った。
「おれ、颯のこと好きなのかも」
沈黙が落ちた部屋の中、エアコンの風音だけが微かに鳴っていた。
中川は、言葉を失っていた。
まさか、健太からそんなことを言われるなんて。
そんな気配、ぜんぜん意識してないつもりだったのに。
でも今思い返せば、確かに、小園はずっとそばにいた。
トバさんの話を聞いてくれて、笑って、からかって、真剣に向き合ってくれていた。
その全てが、“ただの友達”のまなざしじゃなかったことに、今さら気づいた。
「……ごめん。今すぐには……答えられない」
そう絞り出すように言った声が、自分でも驚くほど震えていた。
小園は、うっすら笑った。
「うん。知ってる。だから、急かさない」
「……」
「でも、もう嘘つかないことにした。俺、颯のことが好き。それだけ、ちゃんと伝えたかった」
そして部屋を出ていく背中を、今度は——
中川颯が、目で追っていた。
あとがき
どうなるのでしょうかね。
恐れていたけど、正直に想いを伝えた小園健太。
それに動揺する、中川颯。
そして、このシリーズの中で一番登場回数の少ない戸柱恭孝。
………どうなるのでしょうかね(2回目)。
それはさておき小園健太、ギャップ萌ええぐいですよ。
かわらしい笑顔と、投げるときの真剣な顔………
はーーーーーーーー、たまらんわぁ🤭