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真っ赤ないちごのショートケーキ
主人公:ヒスイ
ヒスイは彼のことを「君」って呼んでます
私はいちごのショートケーキが嫌いだ。生まれてから、ずっと。だって、真っ赤で、ジャムのドロリ、としたあの感触が気に食わない。だって、血みたいじゃあないか。そして特別嫌いなのは、あのホイップだ。真っ白な、艶のある、とても甘いホイップ。いちごだけでも十分甘いにあの胃もたれするような甘さはなんだ?全員をデブにする気か?私はいちごのショートケーキを見ただけで胃もたれするのに。その話を私の彼にしたら、意外そうな顔をした。
「普通の人なら好きなのに」
「じゃあ、私は普通じゃないんだよ。きっと。」
「でも、見た目と性格は普通だよ?」
「…【普通】って、何?【普通】の性格って、どういう性格?」
そう訪ねたら、「なんだろうなぁ」という、呑気な返事しか返ってこなかった。
「私は、【普通】が嫌いなのかもしれない。」
「…なんで?」
「だって、【普通】な自分のことが嫌いだし、誕生日なら【普通】に買ってくるいちごのショートケーキも嫌いだ。そして何より、君みたいな変な人としか関わってこなかった。」
「変な人って」と、彼は苦笑いした。
「そう考えてみると、【普通】って、何なんだろうねぇ」
「わかんない」
私は、彼が好きだ。likeの意味で。だって、【普通】の日常を【普通じゃない】日常にしてくれる。まぁ、彼が何を考えているのか、私のことが本当に好きなのか、わからないけど。そんなところも好きだ。
「ヒスイってさぁ、なんか、謎な人だよね。【普通】が好きじゃないってところとかさ。」
「褒めてる?」
「褒めて…ると思う」
「…ありがとう」
「どういたしまして?」
私は、彼のことをよく知らない。好きな食べ物とか、好きな場所とか。
「…君ってさぁ、」
「何?」
「好きな食べ物って、あるの?」
「強いて言うならば…いちごのショートケーキかな。真っ赤ないちごの。」
「え、さっき、嫌いって言っちゃった。ごめん。」
「いいよ。人には好き嫌いがある。」
「…なんで好きなの?」
「そうだな〜、あの、甘ったるい感じが好きなんだろうなぁ。【普通】ってところも。」
「そうなんだ。…私と君って、近くて、遠いよね。嫌いと好きが真逆だ。」
「そうかな。僕は君と好きなのが一緒のところがある」
「どこが?」
「秘密」
「ケチ」
彼は、頼んでいたいちごのショートケーキをぷすり、と刺し、切り分けて、私の前に差し出してきた。
「…いちごのショートケーキ、いる?」
「…いらない。」
「だよね」
そう言って彼はクスリ、と笑った。腹が立つ。私が嫌いなものだって、知っているくせに。だが、そこが好きになってしまう。likeの意味で。決して、loveではない。
「本当に嫌いなんだね。」
「言ったでしょ。血みたいで怖いし、胃もたれするし。」
「ヒスイは素直でいいね。自分の思いをズバッと言えちゃう。」
彼は、そう言って微笑んだ。彼といると、なぜか、本音を言えてしまう。
「…そうでもないみたい」
「そう?」
「本音を言えるのは、君だけかもしれない」
「じゃあ、ここでは存分に、本音を話していいよ」
「じゃあ言わせてもらうね。…君のこと、好きかもしれない」
彼の椅子がガタッと鳴る。
「え…それって本当?」
「嘘」
「なんだ。びっくりした。」
「残念」
少しからかってやった。ざまぁみろ。
「ほんとに残念だよ。」
「え」
「まぁ、こっちから告んないとだめか」
「ど、どういうこと?…ま、まさか…」
「そのまさかだよ」
「…」
「まぁ、お返事はいつでも」
「…うん」
これだから彼のことが好きなのだ。突拍子もなく告ってくる彼。そういうところが気に入っている。まぁ、『お返事はいつでも』と言っているから、考えてやらなくもない。
〜END〜
どうですかね〜…今回は誰でも読める小説書いたんですけど…
余談 私は普通にいちごのショートケーキ好きです。胃もたれしても構いません。あと、最後の終わり方どうですかね…もうちょっとこうしたほうが良いよ!とかあったら、ファンレター送ってくだs(殴