3,勇者の実力

悠気が魔物の森に向かっている間の出来事だ。 魔物の森に一人の勇者が着く。 道なき道を突き進むと、細い獣道が現れる。 その勇者は更に歩みを進める。 小さな広場に出る。 そこにいたのはポイズンスライム。 毒の属性魔法を使う魔物だ。 「ポイズンスパイク」 そうスライムが唱えると、大地から無数の紫色の針が飛び出す。 触れればダメージとともに毒状態となる。 勇者はいとも簡単に針を避け、スライムに接近する。 「炎属性、第二階級魔法。ファイアル」 そう勇者が唱えたとたん、スライムが火に包まれる。 「ｷﾞｭｴｫｫｫｧｧｧ～～…」 加熱による殺菌。 殺菌とは、解毒のことだ。 毒がエネルギー源のポイズンスライムにとっては大ダメージだ。 この一撃だけで、スライムはやられた。 勇者はつぶやく。 「ザコが。」 勇者は森の奥に進んでいった。 魔法には、属性の存と階級が存在する。 例えば、炎属性の第二階級は、ファイアルだ。 階級は10段階存在し、階級の上昇とともに威力も上がる。 余談だが、ポイズンスライムを倒した勇者は第四階級までが使用可能だ。 彼は即時に、ポイズンスライムは第二階級なら一撃死することを見抜いた。 手練れだ。 今、その勇者はワイバーンと対峙している。 上空の敵に効果的な魔法は、雷属性だ。 その勇者は唱える。 「雷属性、第四階級魔法。……」