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異世界プリンセス! ②
いちごミルクのストローに口を付けたその時―――…。
意識が
飛んだ。
「う…ん…?」
目を覚まして周りを見ると、そこはどこまでも広がる草原だった。
鮮やかな色の蝶が飛び、可憐な花が優しい風に揺れている。
小さい頃に読んだ絵本の世界みたい…。
私が体育座りでぼーっとしていると、草を踏むような音がした。
振り返ると、そこには雪のように白い狐がいた。
「綺麗…」
私が頭を撫でようとすると、狐は二本の足で立った…。
「姫君、何をするのですか…|私《わたくし》の事をお忘れにでも?」
いや、まず知らんし…って何でききき狐が話してるのっ!?
あ…これは夢かっ!ナルホドナルホド。
「姫君って私の事?」
↑夢だと信じてノってみる
「何を言います…とにかく城に戻りますよ」
「は~い」
---
狐についていくと、水色と白色の綺麗なお城が見えてきた。
歩いている途中に、人っ子ひとり出会わなかった。
私疲れてるのかな…こんな夢見て。
「ライト姫、帰ったらまず仕事ですよ」
え…私の名前は|麗兎《れいと》…まぁ、聞き間違えか。
夢だから良いや。
私は狐をじっくり見た。
今…普通に二足歩行してるんだけど…耳に飾りが付いている。
綺麗な…真っ赤ないちごの耳飾り。
ん…?
苺?
あ~、私いちごミルク飲もうとして…なんでだろ?
不味くて気絶……!?
まぁ、いいか♪生きてるし。
「え…っ!?」
ギギギー…
大きな門が大きな音を立てて開いた。
「おかえりなさいませ…メオン様もお疲れ様です」
そう言ったのは…執事のような格好をした人間。
私が人間に出会えたことに感動している間にも、勝手に話は進んでいた。
「ライト姫を着替えさせたら仕事に取り掛からせてください、私は着替えてディナーの準備をします」
「かしこまりました、ライト姫、行きましょう」
「はっ…はい」
私はそう言って優しく微笑む人間に付いて行った。
「ライト姫…急に外に出てはいけませんよ、危険ですから」
「は…はい?」
私がきょとんとしていると、服を持って人間は近づいて来た。
「さっきから様子がおかしいですよ…具合でも悪いのですか?メオン様は厳しい方ですから…無理しないでくださいね」
優しい…い……イケメンッ!
かっけぇぇぇぇぇ☆
「これ、着替えです、|私《わたくし》は外で待っておりますので」
そう言って渡されたのは…予想通り、ドレス。
青色で、フリルが付いた…可愛らしい…ドレス。
私…地味だからこーゆーの…似合わないと思うんだけどなぁ。
とりあえず着てみたけど…
可愛い、ドレスが。
私じゃなくて…ね。
「終わりましたかー?」
私は部屋のドアを開けた。