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橙
--- 2151年 05月28日 ---
一冊目が終わった為、今日からこっちで記録をとります。
誰にも届かないかもしれませんが、絶対は無いので。
ポイントに着いたばかりで疲れているため今日は短めです。
--- 2151年 05月29日 ---
今日は風が少し穏やかです。
そのお陰で砂埃も少なめ。
というか、昨日までが強すぎでした。(許すマジ💢)
正直、あれぐらいは何度かありました。
おそらくそれがこの惑星の標準。
だとしたら装備が足らなすぎます。
私達は見誤ってしまった。
かつて住んでいた場所だからといって、環境が大きく違うことなど容易に想像できたはずなのに…
--- 2151年 05月30日 ---
ラジオの音質が日に日に悪くなっていっています。
どれだけ大切に使っても、そろそろ壊れてしまいそうです。
唯一の娯楽が無くなってしまえば、ついに精神に異常をきたしそうです…
…此処が、私の最後のポイントになるでしょう。
残り僅かですが、私は最後まで記録を取り続けます。
いつか此処に、この惑星に、人類が再び舞い降りる為に。
--- 2151年 05月31日 ---
風が鳴いている。
一回言ってみたかったんですよね。(笑)
といっても、それは嵐が来る合図ですので全く笑えないです。
この惑星の嵐はとんでもなく危険。
何度かノートに記録しましたが、嵐が来ると砂が一気に舞い上がり視界がほぼ奪われます。
さらに、目などに入ると失明の危険もあります。
ゴーグルはありますが、これもボロボロ。
まあポイントにいる限り、飛ばされはしないと思いますが…
--- 2151年 06月03日 ---
何があったか書きます。
最後に記録を書いた次の日、予想通り嵐がやってきました。
その結果、右目が死にました。
最悪です。
距離感が掴めなくなって、物など取りづらくなってしまいました。
まあ、片目で済んだだけマシとしましょう。
さらにこの記録ノート(二冊目)も飛んでいきました。
割と近くに有ったので、嵐が過ぎ去った今こうして続きを書いています。
ちなみにラジオは飛ばされて、バラバラになりました。(許すマジ💢💢💢)
--- 2151年 06月04日 ---
食料と水分が底をつきました。
動物は、この惑星に来てから見たことが無い。
雨も、一度しか無かったので、望み薄。
そういえば、今我々が住んでいる月。
其処も最初は、誰かが調査をし、情報を持ち帰り、未来に託す事を繰り返してきたのでしょう。
私達は、その持ち帰る手段を失って今は一人、記録を書くだけ。
未来に託すとかいう問題じゃないですね。(笑)
--- 2151年 06月05日 ---
体に力が入らない。
元々弱っていたのでしょう。
風がとても弱い。
地平線が見える。
ハッキリと。
--- 2151年 06月06日 ---
__さようなら__
--- 2XXX年 XX月01日 ---
ちゃんと、未来に届いてますよ。
私たちが、見つけましたよ。
本当にお疲れさまでした。