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アイドル兼オタクなので!
少し前に推しの誕生日で、その時アイデアが出てきたから書く!
会場は熱気に包まれている。
歌い手であり配信者でもある私『|漆乃《うるしの》』は今、
キャパ4000人の会場でライブをしている。
「今日は来てくれてありがとう!次がラストの曲だよ!
それでは聞いてください、『明日も君といたいから』!」
ライブが終わって、ファンのみんなが帰って行った。
「漆乃ちゃん、ワンマンライブお疲れ様でした!」
マネージャーの|蔦谷《つたや》さんが声をかけてきた。
「蔦谷さん、お疲れ様でした!
…今回のライブも準備から色々迷惑かけちゃってごめんなさい!」
「今はそんなこと気にしないでいいのよ。
ほら、音響さんや振付師さんたちにも挨拶してきなさい。」
「うん、行ってきます!」
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家に帰ってきた。
「まさか夜の11時にやっと帰って来れるなんて…」
私は荷物を置いて手を洗い、すぐにスマホとヘッドホンを持ってベッドに座った。
動画サイトを開き、『|Mirei《みれい》』と調べる。
Mireiくんは私の推し。登録者数が100万人もいるゲーム配信者さんだ。
私がウキウキしながら調べていると、
さっきちょうど今日の配信が終わってしまっっていたらしい。
「なんでなのっ!」
しまった、11時なのに少し大きめの声が出てしまった。
…頑張った時こそ推しに癒されて1日を終わりたかったのに!
もういいや。
明日は私のライブイベントの1つである握手会あるし早く寝ちゃおう。
私はテンションが下がったまま、シャワーに保湿もしっかりして眠りについた。
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私の前には今、30代後半?くらいのファンがいる。
ファン「昨日のライブ素敵でした!これ、お菓子です!ど、どっどうぞっ…!」
またお菓子だ。何か変なもの入ってないかな。
内心ではそう思ってるけど、私は笑顔でそれに返す。
「ありがとう!昨日のライブも来てくれたんだね!どうだった?」
ファン「漆乃ちゃんのライブは最高に決まってる!特にラストの『明日君』!」
「それはよかった〜!」
それから数十秒、そのファンと会話をした。
スタッフ「お時間です。」
「じゃあ、これからも応援してね!今日はありがとう〜!最後に握手!」
このファンのために私の手を汚さないといけないの?
…まあ、いいや、次のファン来る前に消毒したらいっか。
「あーくーしゅ!」
握手をした後、そのファンは嬉しそうな顔をして頭を下げて部屋を去った。
次のファンは女性、その次は高校生くらいの女子だった。
私のファンって年齢とか性別とかバラバラなんだよね。
それくらい、刺さる人には刺さるってことだよね!
もっと、自分を磨き上げて人気になって稼がないと!
…全ては、推しのために。
あ、そういうことか。
私もさっきの男性ファンの人と同じなんだ。
なんなら私はファンの域を超えて、オタク…
応援する気持ちに不純なものなんてないよね。
握手会に来てくれた人たちの幸せそうな顔を思い出した。
…私も多分Mireiくんに会えた時…いや、配信の時もそんな顔してるだろうな。
「…ごめんなさい。」
次のファンが来た。
メガネを掛けた20代くらいの男性。
メガネを外したらかっこよくなるんじゃないかな…?ちょっと残念。
「こんうるし!今日は会いに来てくれてありがとう!」
ファン「こちらこそっ!これ、よければ使ってください…!」
メガネの彼が渡してきたのは、少し有名な香水。値段がお高い気が…
確かこれ、Mireiくんが好きなブランドの奴だ。センスいいじゃん!
「え、ありがとう!やったー!大事に使わせていただきます!
じゃあ、私と話したいこととかしたいことを教えて!」
ファン「あの、『僕をドキッとさせるような一言』お願いしてもいいですか!」
「えー!恥ずかしいね、なんかwちょっと待ってねー?」
そんなことお願いされること滅多にないから頭をフル回転させて考える。
「うーん…よし、思いついた!じゃあ、カウントお願いね!」
ファン「はい!3、2、1。どうぞ!」
「『会いたかったよ!君は私だけのもの。』
…あー、恥ずかしい!滅多にこんなお願いされることないから!」
ファン「漆乃ちゃん最っ高です!ありがとうございます!惚れました!」
「本当に!?頑張ってよかった〜!」
スタッフ「お時間です。」
「もうそんな時間!じゃあ、改めて今日はありがとう!握手しよう!」
メガネの彼の手は色白で、綺麗だった。
なんでこの人はメガネをしたり、地味な服装でオタクぶってるんだろう…?
そう思いながら、握手をして、私はファンに笑顔を向けた。
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昨日の教訓を生かして、今日は夜8時に家に帰って来れた。
「…今日こそは配信見れますよーにっ!」
スマホを開いてみると、ちょうど配信がはじまって10分くらいだった。
今日は雑談配信みたい。
部屋の片付けとかちょっと作業しながら聴いとこうっと。
トークを聴いていると、近況の話が出てきた。
Mirei「僕にも推しっていうか?好きな配信者さんがいるんだけど、
最近その人のライブとか握手会があって、行ってきたんだよ。」
え、Mireiくんにも推しとかいるんだ!
共通点があって親近感でちょっと嬉しくなっちゃう。
M「握手会でその推しさんと会った時に、無茶振りで『僕をドキッとさせる言葉』を
お願いしてみたんだよ、そしたら、想像以上で神って感じだった!」
待って、え?
『僕をどきっとさせる言葉』って…なんか聞き覚えが…?
必死に記憶をたぐり寄せて…あっ、あの20代?のメガネの男性だ!
え、もしかしてあれがMireiくんだったの?
知ってたら私も何かしてたというか…させて欲しかったのに!
やばい、Mireiくんの握手会とか色々行ってるのに全然気づけなかった…!
コメント欄では、“Mireiくんを喜ばせた人って誰だろう?”とか、
“Mirei様はファン第一じゃないの…?”とか、少し荒れていた。
M「僕の推しが誰かそんなに気になる?えー、でもそれは流石に言わないよ。
だって、画面の向こうのファンの君たちが僕の推しの1人なんだから!」
っくぅ…なんで私の推しはこんなにファンに優しいイケメンなんだろうか…!
…話を戻そう!え、次のMireiくんのイベントで、私の正体を明かしてみる?
いやいや、まだ確定じゃないから、違ったらただの勘違い女じゃん!
…しかも、それが分かったところで何も進展しないし…
私はオタクとして、お互いが多分推しあっている?ことを
ただ知ってるオタクでいた方がいい、いや、そうするベき。
物足りないけど、それくらいが十分だよ、きっと。
これからも応援させてください、私の最高の推し様。
“もしかしたら“続編あるかもしれない!