公開中
嘘はこの町の掟違反#7
私がひづと会話していると校舎の方から「ドンッ!」という音が聞こえた。急いでその場に駆けつけると、そこには長と一人の生徒が何やら口論しているようだった。生徒は後ろに何かを隠していた。
「ちがう...!私はやってないの!なんでそうなったかはわからないけど....」
一人の女子生徒が涙目で何かを訴えている。
「根拠のないこと言わないでもらえます?さっさとどいてください」
長がニッコリと笑い生徒に語りかけていて、生徒の頭に銃を突きつけている。
「やめて...やめてよ...!なんでよ...」
次に生徒が口を開いて何かを言おうとしたとき
「バンッッ!」
辺り一帯に銃声が響いた。私は思わず目をつむった。怖くて見ていられなかった。もう誰も苦しむのを見たくなかった。
「ピッピ!ピピピ」
目を開けるとそこには女子生徒はいなかった。小さな小鳥と長がいるだけだった。ああ、また変えられてしまった。助けられなかった...
「もう遅かったようですね。どうやら」
長が言った。その姿は私には怪物に見えてしまった。あの時のように足が震える
「大丈夫だよ」
そういってひづは私の手を握ってくれた。なんて優しいお姉さんなんだろう。そうして、私達はその場を去った。
今は授業の間の5分休み。私は次の授業に向けて復習中だ。特にこの前のテストの点がやばくてお母さんが烈火の如く怒っていたからだ。
「おい...」
誰かに肩を強めに叩かれた。振り向くと長の側近の執事だった。
「執事さん、なにか御用ですか?」
すると執事は深いため息をつき、ムスッとした顔で言った
「長がお呼びだぞ。はやくこい」