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うらやましい。って駄目かな
ぽわん、と揺れる控室の灯り。
チィはそっと目を閉じて、静かな空気に包まれた。
「シークレットフレンズって…すごいなぁ」
ぽつり、独り言。
キラキラのステージの裏側で、誰にも言えない秘密を持ってる。
仲間だけの約束、ひみつの時間。
チィの胸がちくりと痛んだ。
「私には、そんなのない…」
バズリウムチェンジもできなくて、
ステージの光はいつも遠いまま。
「なんで、あの子たちは輝いてるんだろう…?」
ふわふわの夢の中に、黒い影がちらり。
「羨ましいって…ダメかな?」
チィは小さく呟いて、瞳を伏せる。
心の中のモヤモヤが、少しずつ大きくなっていく。
誰にも言えない、胸の隙間に、
冷たい風が吹き込んだ。
「私も、特別になりたい」
だけどその願いは、まだ見えない闇の中で揺れていた。