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リンディーララ -何時かの恋の行方- 後編
リンディーララ -何時かの恋の行方- 前編↓
https://tanpen.net/novel/57604e15-879b-49d5-af4d-2a3856a52360/
の続きです!(まだ読んでいない方はこちらから✨)
〇〇君とは、一体、、!
11:00PM
『そろそろ帰らんとな』
康二がボソッと呟いた。
確かに遅い時間帯だけど、本当にこのまま帰ってしまって大丈夫なのだろうか。
『ごめん、ありがと、我儘付き合わせて』
「いいよ、全然。でも康二はそれでいいの?」
康二は、時間にも、合わせなければいけないのだろうか。
『、、、、、ええよ、帰ろ。俺運転するから』
それはそれで申し訳なかったけど、頑なに譲らないので、俺は助手席に座ることにした。
君が右にいる。違和感はないけど、やっぱり、右からみても康二の顔は綺麗。
シートベルトしたか? ミラーもOKか?
なんて、小声で一つ一つ確認している。今日は、俺の車で来たから、家まで送ってくれることになった。
俺の家に着けば、今夜は終わる。だったら、止まって欲しい。あるはずのない魔法で止めたい。
その想いとは裏腹に、君はアクセルを踏み始めた。
『なんか、音楽かけようや!』
切り出す話題がなかったのか、少し焦って、そう提案してきた。
「了解。どれでも良い?」
『ええよ!』
♫~
『あ、怪獣の花唄』
いきなり鼻歌で歌い始めた。決してルンルンではないが、ちょっとだけ気分が上がった?そんな感じがする。
やっぱり、分かってしまう。
俺のほうが康二を知ってる。康二の笑顔を作れる。
好きな曲をかけたら喜ぶことも、見えてた星を数えて、9個やったで!って、Snow Manに関することなら嬉々として伝えに来る表情とか、知らなくても良いよ、って何回も言ってるのにめちゃくちゃ覗きに来たり、で最終的に俺が諦めて、見に来たことを後悔する(笑)
、、ほら、俺のほうが、康二のこと知ってるでしょ?ね?
そして、いつも、康二のする事に翻弄される。
まあ、俺が“お兄ちゃん”、だからなのか?(笑)
余裕ぶっても、俺の“愛してる”は、溢れて、簡単には止まらない。
曇っていたはずの|夜《よぞら》が明け、一つの星座が顔を出す。
それが、康二に似ていると錯覚した俺は、どの星より光り輝いている双子座を見つめた。
『何してんの(笑)』
康二と出会ったときを思い出していたら、笑われながらつっこまれた。
その事を話すと、
『それ双子座やな!よう俺の星座覚えてんな〜』
俺らは双子じゃなくて、“兄弟”だから。
もし君に、この想いを伝えたら、〈またね〉なんて、言えない。
「もう、彼に、未練はない?」
伝えそうになった“愛してる”の言葉を飲み込んで、言った。
『、、、!』
突然の俺の言葉に戸惑う君。
信号が青になった。いつもより、眩しい青。
この丘を越えた先が俺の家。もう、ここでしか聞けない。
「もう一度、やり直したいなら、ちゃんと__」
『やり直す気なんてない!』
俺の言葉を遮った、力強い言葉。でも、そこには、彼が抱えきれない苦しみが漏れ出している。康二が、今まで経験してきた、失恋の数々が、総て。
徐々に俯いていく君。
『もし、これで、あかんかったら、もう、どうしよって、不安やった。でも、俺はふらんから、安心してって、言われたのに、、、、』
いつの間にか家に着いていて、君は、綺麗な、美しい涙で頬を濡らしていた。
「、、、、」
俺は、それを、黙って、背中を擦って見守ることしかできなかった。
時が、夜が、ゆっくりに感じる。そして、ごめんと謝る君。
俺こそ、ごめん。
告白することに、ビビってる俺が、近くにいる権利なんかないのに、このまま帰したくないとか、思ってること。
23℃の車内に降り注ぐ、長い沈黙。
その末に、君は、
『俺、もう恋愛しやんとく』
脳に響いたこの言葉を、俺は一生忘れない。
『傷つきたくない、傷つけたくない、もう、こりごりや!』
流れる涙を拭って、こう放った。
『ありがとう、なんかちょっと、吹っ切れたかも(о´∀`о)』
この笑顔に、嘘はない。俺とは違う。
「、、そっか、なら、良かった」
本当は、俺で幸せになって欲しかった。愛してるって、口で言ってやりたかった。いつも、告白できなくて、そんな俺を見飽きたんだな、神様は。
康二は、俺がいなくたって、幸せに暮らしていける。これからも、明るくいられる。
、、嬉しいことのはずなのに、視界が涙でぼやける。
大丈夫だ。心配しなくても良かった。
『じゃあ、帰るな!また明日』
そう、ドアを開けた君の腕を、思わず右手でぐっと掴んだ。
『待って!』
半開きのドアから入ってくる、光の耀き。
少し、強めに握ってしまった。
「どしたん?」
「今日、何の日だと思う?」
忘れない、君は分からなくても。
「誕生日、おめでとう」
6/21 0:00AM
『あ、ほんまや!w』
『ありがと!』
その笑みを、俺だけに見せてくれることはない。
『、、、何で、泣いてんの?』
「、、っ、、気にしないで?」
『なんかあったら、相談してや!』
その優しさが、俺にとっては、|苦《くる》しくて、|苦《にが》かった。
---
家に帰り、また、冷たい夜が襲う。
チョコを食べても、その苦さは、全身に残ったままで。
ベランダに出れば、偶然目が合って、手を振ってくれる君。
ファンサはよそでしな、そんな事、言えるはずもなく。
『また明日な!』
**“照兄”!**
その言葉の、また明日、は俺を見ていない気がして。
そよ風の中で、一人、誰にも反応されることのないまま、夜が明けるまで、|鳴いた《泣いた》。
康二の腕の感触と、その暖かさを、握り締めて。
〇〇君の正体は、照兄改め「岩本照」君です!
嫉妬深い感じと、表面上の兄弟に関する想いを、ちょっと出した感じにしたつもりです。
実は、最初から決まっていた訳ではなくて、書きながら誰が当てはまるかなって思いながら書いたので、ぐちゃぐちゃになってるかもです💦
(前編でのファンレター、有難う御座いました!どうでしょうか?上手く出来ていますでしょうか?)
結構時間かかりましたし、何なら文字数もダントツに多い笑
長いのに、ここまでご覧頂き有難う御座いました!
良ければファンレターで、感想等お聞かせ下さい😊