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2つのハナビ
こちら!リクエストですね!ありがとう!
ところで花日になってたけど花火でよかったでしょうか?
「花火買ったからみんなでやろうぜ!」
わーっと、周囲が盛り上がる。しかし、「みんな」に私が入ってないこと、とっくに自覚してる。
友達グループに入り早くも1ヶ月。その友達グループは5人という最悪の配置だったためひとりぼっちになってしまう。
私以外のメンバーは陽キャで、私は隠キャ&無口。
目立たないため、ひとりぼっちになってしまうのも納得だ。
だからって、「私も仲間ですよね?!」という度胸はあるわけない。
ろうそくに火がつく。ポォっと暗かった闇に一筋の柔らかい光がさす。
みんなそれだけで「おーっ」と盛り上がる。私も思わず「きれいだなあ」と言った。
「だよね!ろうそくの火、こんなにきれいなんて」
え?話しかけてくれた。しかもいつもの「ひとりぼっちを心配する話し方」ではない。
そのあとは線香花火耐久勝負やら打ち上げ花火をやることに。そこで、私は思い出した。
ああ、友人関係、私が勝手に諦めてたんだ……
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小さい頃、私は友人関係でトラブルを起こしていじめられることになってしまった。
理由は簡単。工作の時間に作った友達の空き箱でできた何かしらを落として壊してしまったからだ。
テープで補修すれば直るほどのもので、謝って直したのだがいじめられた。
空き箱の作品は踏んづけられて壊されるわシューズは隠されるわ箸を勝手に落とされるわ。
その度、私は泣きながら「返して!」とか「ごめんなさい…っ」とか叫んでいた。
いじめっ子はそれを見てニヤリと悪魔の笑みを浮かべていた。
友達グループに入ったあとも、自分から話の輪に入りに行かずにひとりぼっちときめつける。
そんな自分が恥ずかしく思えた。
すると、1人が叫んだ。
「来週花火大会あるからみんなで行こう!!」
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そうして、やってきました来週。これで友達付き合いの再スタートを切ろうと考えている。
かき氷を買った時は、「みんなでシェアしようぜ!!」と提案してシェアしたり、変なお面を被ってみんなで鬼ごっこをしたり。
そのとき、1人の子に言われた。
「あなた、隠キャだと思ってたけどすっごく楽しい子だね!」
そう言われて、私は嬉しくなった。その時、花火が上がった。
「きれーい」
**「ほい、タッチ!!!」**
ポンっと肩を叩かれたと思うと、変なお面を被った1人がニヤッと笑った気がした。
「えへへ、鬼ごっこはまだ続いてるよ!」
「セコーいw」
「えへへ★」
『さあさあ、今回の花形、スターマインが始まります!みなさん見やすいところへいっそげー!』というアナウンスがなり、みんなで花火回覧席へ。
カラフルな花火がものすごくたくさん上がる。
「また来年も来ようよ!」
スターマインがおわり、もうすぐ門限の時間。
「うん!!!」
みんなで笑い合った。
その友情関係が大人になっても続いてることと、毎年花火と花火大会に行っていることはまた別の話…。