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異能力者と仲間達#4〈馬が合う〉
あらすじ
自己紹介で、結亜は趣味の合いそうな人を見つけた。結亜は、自分の好きなアーティストの事を知っているか試す為、自己紹介でLANDというバンド名を出した。
自己紹介を終え、私、|結亜《ゆいあ》の元に人が集まった。
「ねぇねぇ、さっき言ってた、LANDって何?」
まず話しかけてくれたのは|菊花《きっか》ちゃん。どう話せばいいんだろ。
「えーっと、それは…」
説明に困っていると、ある人が話に参加した。|翔《しょう》ちゃんだ。
「パンクロックの中でもマイナーかつ神格化されているバンドだよ。にわかはほとんど知らないんだけどね。」
かなりわかりにくいバンド名を挙げたつもりだったが、翔ちゃんはちゃんと知っていた。めっちゃ嬉しいかも!
「へ、へぇ…パンクのガチヲタなんだ、キミら。」
|芹那《せつな》さんが口を挟む。やや引いてるっぽいな。パンクの良さを分かってない人は、音楽の良さが分かんない人だ(勝手な偏見)。なんかイライラしてしまって、スマホを手に取る。
「これ見て。」
私は動画を流した。LANDのヴォーカル、YONが歌っている動画だ。
『♪〜』
ハミングもきれい。
ちょい恥ずいな、これ。でも、よんぴ(YONの愛称)の声の良さを知ってもらいたいと思ったんだ。
「darling parameterだね。私も、この曲一番好きでさ。」
「えっ、まじかっ!翔ちゃん馬合うな!」
「そうだね…」
そう言って翔ちゃんが微笑んだ。
うお…|糸《いと》さんよりもイケメンかも知れねぇぞ…。
「あ」
その時、ふと視界の端に隅|風音《かざね》さんが映った。本を読んでるみたいだ。
「どした?」
翔ちゃんが声をかけてくれる。
「いや…唐突なんだけどさ、風音さん、一人で本読んでるから寂しくねぇのかなって思って…」
すると、翔ちゃんは顔を顰めた。
「風音は昔からあれだよ。一人が好きなやつなんだ。私も似たようなもんだけど、あんなふうにあからさまに距離をとったりはしない。」
翔ちゃん、「昔から」って言った…。
二人は幼馴染かなにかなのだろう。翔ちゃんは、何だか風音さんを敵対視してるように見えた。
「そんなピリピリすんなよ。ほら、そんなに気になるんなら風音さんのとこに行ってきたら?」
芹那さんが言ってくれる。でもその前に、「みる」|異能力《ちから》で彼女の心の中をみてみよう。
すると、風音さんの心の声が聞こえてきた。
(…あ、なんか私の話してる?いや、翔がいるから絡みたくないだけなんだって〜…さっき結亜って子が言ってたLANDも気になるし…)
「あ…」
思わず声を漏らしながらも、こっそり翔ちゃんの方を振り返った。
やはりこの二人には因縁があるみてぇだな…面白そう!!
勘違いされそうだから書いとくけど、
私はパンクロックのヲタクじゃないよ。
今回は1049字。丁度いいくらいの文字数ですね。