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「…あの、自己紹介しません?私、朝比奈優奈っていいます」
黒髪ロングな美少女が口を開いた。優奈…可愛いな。私もそういう王道だけど可愛い名前が良かったな。
「私は鈴宮珠緒です。優奈だったら、優とか?」
ボーイッシュなこの子は珠緒というらしい。ふたりとも名前可愛いの何?羨ましいんですけどぉ!
「優、いいね!じゃあ、珠緒はたまっち?」
「たまっち、ギャルみたいでかわいいね。初めて言われたよ」
あ、やべ。もう話ついていけねぇ。早く参戦しとくべきだったなぁ。
「…名前。何ていうの?」
ボーイッシュ女子…たまっちが声をかけてくれた。
「橋本です!橋本…__こい__」
どんどん声が小さくなってしまう…もう一回言わないと
「こい?可愛いね」
「うんうん!いいなぁ2人とも名前おしゃれで!私だけ普通の名前だし」
私のあの小さい声に気づいてくれたんだ。でも、可愛いって反応なんだ。恋は嫌だって、言わないと。
「いや……あの、『こい』って呼ぶのやめて欲しい。好きじゃないから」
…言ってしまった。どうしよう、2人とも気まずそうな顔してる。私のせいだよね…どうしよ。とりあえず謝る?
「…そっか。ごめんね…じゃあ、音読みで『れん』とかは?」
私、めんどくさいこと言ったのに嫌な顔一つせずあだ名考えてくれるなんて。
「れん…!今まで言われたこと無かった。嬉しい、ありがと!」
「「よろしくね、れん」」
2人に微笑みかけられる。こんな事、人生で一度もなかった。友達って、都市伝説じゃなかったんだ!
「こちらこそよろしくね。たまっち、優!」
すんごく不安だったけど、私の林間学校生活、平和に過ごせる、かも?