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Once upon a time... #2
うへい。第2話。
実物はノートなんで何処で区切るかが問題…。
導かれるままに歩いていった。
その先には古くてボロボロで、でも王の威厳のような
ものを感じさせる建造物があった。
大きな扉を押し開けて進んだ先には、色々な物が
散乱していた。パレット、絵の具にバケツ、鉛筆の芯が
転がっている。
あの光は鳥に姿を変えて、まるで選べと言っているような
顔をした。僕はガラクタの山から消しゴムとペンを手に
取ると、光り輝く鳥を追って奥へ進んでいった。
何かぼんやりとした物が頭の中に浮かんだが、
霧が晴れるように消えていってしまった。
その途端、大切なものを忘れてきたような焦燥感が、
急に心を不安にさせた。目の前の、自分を導く鳥が、
自分を何かから引き剥がそうとしているように感じた。
どこからともなく、誰かの声が降ってくる。
「君には可能性がある。とても長い年月がたった時、
君は創造者になるだろう。」
鳥は僕がついてきていないことに気付いたのか、
止まって振り向いた。
「お前には、才能も価値も無い。生きる必要が無いんだ」
「皆を救いたい?創造と同時に破壊を
するんじゃないのか?」
鳥が激しい剣幕で睨みつけてくる。
引き返そうとしても、金縛りで動けなかった。
「お前…なんでまだいるんだよ!?」
「あんたのせいで消えちゃったじゃない!」
「どうしてくれるのよ!?」
立ち尽くしたまま時間が過ぎていく。
指から消しゴムがこぼれ落ちた。消しゴムは転がっていく
うちに、何かの生き物の形になった。
それにつれて、周りが真っ白に、
色が落ちてうすれていく。
光っていた鳥さえ見えなくなっていく。
光が消えていくと共に、辺りは暗くなり始めた。
瞬きをするごとに、何も見えなくなってゆく。
……何も感じられない。
光も。音も。ついさっきまで聞こえていたはずの
誰かの声も。
何もかも全て、感じられない。
嵐の後のように、しんと静まり返っていた。
音が鳴って、周りは動いているのに、自分だけそれが
分からないような。
仲間外れで、ひとりぼっちになったような。
そんな気分に、なった。
いやぁ〜…長いねぇ。
鉛筆のほうが正直楽かな。
あと何話になるのだろうか……。