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4.クランは、闘技場の説明を聞く
とりあえずネイラ先輩について行ってみる。
「ほら、ここよ」
そうして連れてこられた場所は……
「闘技場、かしら?」
「ええ、正解よ」
そう言ってネイラ先輩はにっこりとほほ笑んだのだった。
「あなたは、今から私と戦ってもらうわ」
「え?」
いえ、連れてこられたのだから、戦うことになるのは当たり前だわ。
「安心して、私はSランクよ。初めてのあなたに本気は出さないわ」
「Sランク?」
凄いのは分かるけれど……どういうことかしら?
「あ、そうか。まだ知らないのね」
「多分……教えてもらえるかしら?」
「いいわよ。……もともと私が言い出した話題だしね。
ここでは、簡単にランクが決められているの。弱いランクからDランク、C ランク、Bランク、Aランク、Sランク、そしてSSランク。
まあSSランクにまでなれるのはほんの一握りだから、あまり気にしなくていいと思うわ。あなたがあの編入試験に受かったことは理解しているけれど、それでもSSは厳しいと思うから、まずはSランクを目指してみるといいと思う」
へぇ、興味深い内容ね。
わたくしはこの学園だったら一体どれくらいになるのかしら? とても興味があるわ。
けれど……
「わたくしはまだ正式に学生じゃないけれどいいのかしら?」
そのせいで図書館の本も借りれなかったんだもの。これは気になるところよね。
「そうだったわね? それじゃあ許可証(仮)をもらいに行きましょう!」
そう言ってネイラ先輩は駆け足になった。
元気なのね。ネイラ先輩は。
そう思いつつも、わたくしも急いで後を追う。
「ここよ」
ネイラ先輩は自慢げにわたくしを見る。
けれど、別にここはただの玄関にある事務室よね? なんで自慢げになっているのでしょう?
とりあえず気にしないことにする。
「そうなのね。ありがとう。手続きはどうすればいいのかしら?」
「手続きはね~、なんと、私とというSランクの承認者がいるので、ちゃんとクランちゃんが留学に来た証拠さえあれば一発なの!」
あら、それは便利ね。
もしかして、だから先ほどは自慢げだったのかしら? それだったら納得ね。
「それは頼もしいわ。どれくらいで出来るの?」
うーん、それにしてものらりくらりとかわす、というのはこんな感じでいいのかしら? あまりうまくいっていない気がするわ。
今度にでも、もっとしっかりと考えてみましょう。
「すぐにできるわ。待ってて」
「分かったわ」
自信があるようだし、少しくらいなら待ってみようかしら? どの道他にすることもないしね。
「出来たらしいわよ」
……本当にすぐだったわね。ネイラ先輩は信用することが出来る方かもしれないわ。
「分かったわ」
わたくしは、そう言って受付に行く。
「こちらが許可証(仮)です。正式な生徒となるまで使うことができます。正式な生徒になった際は、発行される学生証で参加することが できるので、こちらは、そこにある箱に入れておいてもらえれば構いません。
何かご質問はありませんか?」
「ええ、大丈夫よ。それにネイラ先輩もいるしね」
「それなら大丈夫ですね。どうぞ、楽しんで励んできてください」
「ありがとう」
ちゃんとした仕組みが整っているのね。感心感心。
「行くわよ!」
「ええ!」
なんだか陽気になってきた気がするわ。きっとネイラ先輩に流されているのね。
……流されている? それはあまり「約束」の呪いを持つものとしては良くないかもしれないわ。ちゃんと意識しておきましょう。
のらりくらりとかわすなら、流されているのもおかしい、という話にもなるしね。
「ルールを説明するわね。個人的な戦いの場合は別だけれど、基本的には持ち込んでいいのは基本的にひとつ。魔法が得意なのなら盾を持ちこむことを推奨するわ。そして、相手が意識不明または降参の意思を示したとき、試合は終了。ここまでは大丈夫?」
「ええ」
「じゃあ次にランクを説明するわね。ランクの種類はさっき説明したから、ランクアップがどうなされるか、だけ説明するわ。
D ランクは五十ポイントでランクアップ出来るの」
五十ポイント? どういうことかしら?
「ポイントは、一つ上のランクの人を倒せば一ポイント、二つ上のランクの人を倒せば二ポイント、三つ上のランクの人を倒せば四ポイント……という風に倍になっているわ。
じゃあ、DランクがSSランクを倒したら何ポイントになると思う?」
D、C、B、A、S、SSだから……五ランク上の相手ということだから……
「十六ポイント?」
「そう!」
「そのポイントが五十でDランクはCランクになって、二十五でCランクはBランクになるの。Bランクは十二ポイントでAに上がって、Aランクは六ポイントでSに上がれる。
ここまでは大丈夫かしら?」
「ええ」
「じゃあ少し特殊な話をするわね。
SランクからSSランクに上がる時のことなのだけど、現在……というかそもそもSSランクは三人しかいないの」
「それはずっと、ということ?」
「そう」
今までの様子だと三ポイントでランクアップかと思っていたけれど違うのね。
「SSランクになるには、Sランクになった後にSSランクに勝負を挑んで、勝てばいいわ」
「それは一回?」
「確か……三戦中二勝すればよかったと思うわ」
ほっ。
それならSSランクの人がいつも勝たなければいけないというプレッシャーにさらされたりはしないというわけね。何だか安心だわ。
それにしても、けっこうちゃんとした仕組みなのね。それに、半分にして切り上げたり、倍にしているだけだから、分かりやすいわ。
「ランクダウンは、それが逆になるの」
「つまり、Cランクは五十ポイントの負けでランクダウンするということかしら?」
「ええ、マイナスが五十ポイント、と表現しているわ」
「なるほどね」
「けれど、プラスのポイントとマイナスのポイントは別物で、一緒くたにすることは出来ないの」
「? どういうことかしら?」
「もし、Cランクがプラスのポイントを十持っていたとしても、マイナスのポイントが五十になれば、ランクダウンになるということよ」
へぇ〜、不思議なルールね。
「もちろん、そのマイナスを減らすことは可能よ。例えば、同じランク、下のランクの人と戦って勝ったら一ポイントマイナスが減るわ」
それだったら下のランクの人が一個上のランクの人と戦うことは増えるわね。
「ただ、二つ以上上のランクの人に負けたら、一回の負けにカウントされるわ」
つまり、無謀な戦いは挑むなということね。
「それで、ここはクランに決めてもらいたいんだけど、今回は公式な勝負をする? それとも私闘にする?」
やばい、説明だけでかなりの部分に行ってしまった……
本当だったら戦わせたかったんだけど。
分かりにくかったらごめんなさい。軽く流してもらっていいです。ランクアップはこちらで勝手にするので
というわけで、次回は戦いです! お楽しみに!
(クランを間違えてランクと打ってしまいそうになった……)