公開中
孤独王様/wrwrd
昔話風にしたかったんです許してください。
昔昔、とある王国がありました。
その王国の王様はいつも誰かを待っているような顔で窓の外を眺めていました。
そんな王様は、いつも孤独であった為に"人のために"ということがわかりませんでした。
そんな王様は言いました。
「私情を挟むな。効率が落ちる」と。
王様は、いつも効率ばかり気にしていました。
そんな王様はきっとなにも感じないただの思い通りの駒だ!と言う人もいました。
ですが、王様はいつもまだかまだかと誰かを待っているから、部屋で倒れていることもありました。
ある日突然として待ち人は現れました。
彼は王様と共に国を良くすることを約束しました。そんなことをした次の日に
「お前は、愛を知らんねんな。可哀想に…」と彼は言いました。そんな言葉に王様は、
「そんな同情いらんねん、お前にわかってたまるかよ」と強気に反論しました。
「そうか…」と彼はどこか悲しそうに返しました。
彼は思ったのです。孤独な王様をどうにかできないだろうかと。
彼はとりあえず、王様の自室の扉を3回ほどノックしました。
「入れ」と言った王様の声はどこか震えていて。
「…寂しかったん」と彼は王様の自室を見て言いました。王様の部屋は、生活に最低限必要な物が置いてあるくらいで、王様が好きそうな物は何もありません。
王様はその言葉に対して何も言えませんでした。
そして王様は叫びました。
「出て行けや!!!!」と。
それから彼が王様の部屋に来ることは無く、王様も部屋を出ることは無くなりました。
王様はずっと人が紡いでいる欠片たちを窓の外から眺め続けました。
それからまた100年。
王様は泣いて泣いて泣きました。
なぜ出て行けと言ってしまったのだろう、
なぜ彼の顔を見ようとしなかったのだろう、と
1人じゃドアすら作ることもできない自分を恨み続けました。
強がった王様は、隠し事をしてました。
自分があんな選択をしなかったとしても、彼は
いつかは失う存在だったからです。
100年、200年、と街に行き交う群衆の愛を見下ろし続けた王様には、『愛』とはなんなのかがもうわからなくなりました。
一体そんなものを持ったとして何の役に立つのだろうか?と。
ですが、自分が築いた城には愛がない、空虚で満ちていたことだけはわかります。
ずっと彼を待っていた王様にはもう何もありません。大切なものはあったとしても、
『一番』大切なものはないと思っているからです。
ですが、王様は気づいていないだけで王様にとって一番大切なのは、彼なのです。
喋り方すら忘れてしまいそうな自分を哀れに思った王様は、孤独に作り上げた自分の城がいつか壊れることを考えました。
そんな事を考えていると、ノック音が3回鳴りました。
「こんにちは。ここ、君のお城なの?」と言った目の前にいる彼は、昔王様が待っていた人と全く同じ人でした。
ですが、彼には記憶はないらしく、また新しくやり直すことを決意しました。が、王様にはもう感情というもの、愛というものがわかりませんでした。王様はすごく戸惑いました。
彼にどう接したいいのか、彼をどうやって愛せばいいのかさっぱりわかりません。
「…寂しかったん」と前世の|彼《君》と同じことを言った|彼《人》は、どこか悲しい顔をしていました。
何もわからないくせに。
「同情なんていらない。俺をわかってくれるのは、守ってくれるのはこの城だけだ」
と前と似たようなことを言い放ちました。
そしたら彼は、「そっか」と言って部屋を出て行きました。
数分した後、彼が街を歩いているのが見えました。
ああ、また愛せなかった。
王様が人を愛することを、この自分の感情を詰め込んだような孤独な城が許しませんでした。
だから、他人に頼るということが許せなかったのです。
…王様は知っていました。彼からかけてもらった言葉全てが愛だということ、自分がずっと心のどこかで|永遠《と わ》の愛を望んでいたこと。
王様は考えました。愛の伝え方がいまいちだが
自分なりに愛を蒔いてみようかと。
そしたら何か自分に対する愛が芽生えてくるかと思ったからです。
ドアを開けようとした王様はいままで自分が犯した罪の数々が脳裏をよぎりました。
自分のためなら人を殺めた自分を今はもう許せない王様は、ずっとこの罪が脳にこびりついて取れません。それは、
なぜ、自分を愛せるように人を愛せないのか。
自分が、同情なんてよせと暴れたあの日、彼は何をしてくれた?2回とも自分を傷つけまいと
何も言ってこなかった。ただ、優しく声をかけてくれただけだった。
もう、王様はこの孤独の城から逃げることができなくなりました。
自分で枷をはめたからです。
与えられた永遠が王様が死ぬことを許しませんでした。
なのでいつかまた彼が輪廻転生を果たし、ここに来た時は、自分なりに精一杯愛そうと思いました。
王様は、それからまた彼に会える日まで、
何千年、何万年と待つことを初めて"人のため"に約束しようと思いました。
誰にも見られないような城の中で彼は人に|笑顔《あ い》を振り撒きは部屋の中で自分の罪を数え涙を紡ぎ、一つの宝物として忘れないように日記をつけました。
そんな日々を繰り返して約1000年。
老いることすら許されなかった王様は、いつの日かの|幸せ《 死 》を願い続けていましたとさ。おしまいおしまい。
「なんやその話」
「さぁ。」
「さぁってシッマが考えた言ってたやん!」
「考えた、か」
「なんやねんお前。」
「シャオロン、ひとつ言っとくな。
いま目の前にいるのは、本当にお前の知ってるコネシマか?」
「何言ってるん…っておい!!なんなんやあいつホンマに…」
いつか願った|幸せ《 死 》は、
|幸せ《 生 》として迎えることとなった|孤独な王様《 幸 せ 者 》は、愛することを知ったらしい。
はい!ここまで読んでくださってありがとうございます。
作中すごく文が変なところがあったり、誤字脱字があると思います。ですが、見逃していただけると嬉しいです…!
next song…ジレンマ