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転生したら別人でした
永遠
「…ん?」
目を開けると見覚えのない場所。
バサッ、と大きな音を立てて起き上がる。
(ここどこ!?)
あたりを見回すと、真っ黒な部屋。
アニメに出てくる、よく魔王が座ってる椅子や、
トゲトゲとした印象のベット。
まあ、こうもよく魔王グッツを集めたものだ。
それで…本当にここはどこなの?
「えぇ〜と…とりあえず部屋出る?」
当然、自分しかいない部屋で疑問を口に出しても誰も答えてくれない。
寂しいし自分がバカバカしいし…
なんだか複雑な気持ちになりつつも、
こそこそと音を立てないようにドアを開け、廊下へ出る。
自分で言っちゃ何だけど泥棒みたいじゃん、私。
ここに住んでる人にバレたら確実に泥棒認定されちゃうって!
でも、堂々とここを歩けるほど私に度胸はないぞ??
黙々と悩んだ後、結局泥棒歩きを続行することに。
まあ、誰とも会わなければどうってことないしね!
とりあえず、すぐ近くに見つけたドアをばーん!!と勢いよく開ける。
こういうのは大体勢いが大切!だと思う!!
そうすると、中にいたのは…
「ね、猫?」
青緑色の目をした黒猫でした。
(って、この子美人過ぎない!?)
羨ましくなるほどさらっさらの毛並みに、整った顔。
この子にだったらなってもいいかも。猫の人生も悪くない…
誰の猫ちゃんかわからないけど、とりあえず撫でる。
そうすると猫ちゃんは気持ちよさそうにごろごろと鳴いた。
ずっとこの子を見ていたかったけど、ずっとここにいるわけにもいかないので、部屋を出た。
そうすると猫ちゃんが私の足元に歩み寄ってきた。
「あなたもついてきたいの?」
そうすると、「みゃー」といかにも肯定するように鳴いたので、とりあえず抱き上げて一緒につれていくことにした。
まあ、このお屋敷っぽいところからでなければ窃盗にはならないでしょ…
猫ちゃんは暴れることなく腕の中で寝てくれたので、騒がしくなるということはなかった。
とりあえず、再び歩き始めると。
?「…ん?」
───あ、終わった。
こちらを見る、青色の髪の男の子をみた私は、その瞬間に全速力で来た道を戻った!!
目をつむりながら、私の出る《《最大の》》力を使って走る。
相手は男の子、私は普通の女の子!どう考えても逃げ切れるはずがない!!
…って思ってたんだけど、数秒走っただけで私が最初に寝てた場所に到着。
30分くらい歩いてた気がしたんだけど…そんなに歩いてなかったのかな。
とりあえず、巻けたみたい?良かった。
?「もー、なんで逃げるんですか?
不審者じゃなかろうに」
安心したのも束の間、ドアにもたれ掛かる男の子を発見!!
(に、逃げ切れてなかった…)
さっき安堵したばっかなのに、余韻に浸る時間も与えてくれないんだね!?
…ん?
「え、あなた私のこと知ってるの?」
?「……は?」
男の子は意味がわからないという表情をし、いかにも異物を見るような視線を送ってきた。
(何その視線、傷つくんですけど…!)
?「__まさか記憶喪失に?いや、──様とあろう人がそんなものになるはずが…__」
?「__別人が──様に化けているという可能性は?いや、ここまでの完成度を出せるものはそうそういないはず…__」
なにやら小声でブツブツ言い始めてしまい、私は居ないもの扱い。
すると腕の中で静かに眠っていたはずの猫ちゃんが、“今なら逃げれるよ”とでも言う視線を投げかけてきた。
その視線の意味に気づいた私は、周りが見えていない男の子を置いて別の部屋へ全力疾走したのであった…
---
「**はああああ!?**」
男の子から逃げ、別の部屋へ来て一分ちょっと。
今日1の大絶叫をしています、こんにちは。
こうなった経緯を説明すると…
男の子から逃げて、遠くの部屋に入った私は、疲れて椅子へ座りました。
背もたれにもたれかかってゆっくり休んでた時、近くに置いてあった鏡が視界の端に映ったんです。
そして、そこにいたのは、
《《現実世界にいるとは思えない》》、ツノの生えた美少女。
真っ白な髪には赤色の毛がときどきまじっており、紅く煌めいている瞳によく合っている。
そしてその髪から生えている、黒と赤色のグラデーションをした立派なツノ。
私が着ていたはずのパーカーは、旅館によくある、寝る時用の浴衣を着ている。
(いや、真面目に解析してみたけど…)
「この子可愛すぎない!?」
まさか自分の顔がこんなんになってるとは。
昨日までの私って言えば、黒髪黒目の平凡でどこにでもいる人だったのに。
もはや人ですらないじゃんか。
「…ということは?」
私の姿は別人、見たことのない場所。
…私もしかして、転生した?
はじめまして、永遠です。
ピーン!!って急に思いついたストーリーを文にしました。笑
続くかもしれないし打ち切りになるかもしれないけれど、これからもよろしくお願いします。
【裏話__…的な__】
そう言えば主人公の名前出てきてませんね。執筆し終えて気づきました(
今からいれるのはちょっ……と面倒くさいので次にいれることにします。
誰か、「こんな名前いいんじゃない?」ってものがあれば、教えてください!
気に入ったものがあれば採用するかもです。
2025/8.14/1996
__(年/執筆日/文字数)__