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#17
--- 数時間後 ---
門前
「そういえば音葉、宗四郎とはどうなんだ?」
宗一郎がふと尋ねる。
「…うーん、普通かなぁ。」
音葉が少し考えてから答えると、宗一郎はやや小声で言った。
「マジか… __ったく早く告れよな宗四郎__」
「え? 宗一郎さん、なんか言いました?」
音葉が耳を疑うように聞き返すと、
「いや、なんであらへん早く帰らへんとあいつが心配するやろ」
「はいはい、わかってますよ、宗一郎さん。」
音葉は少し呆れた顔で答える。
「はは、そうか。まぁ、がんばれよ。」
宗一郎は軽く笑って、車に乗り込んだ。
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音葉の部屋
「ふぅ…つっかれたぁ。」
音葉はベッドに倒れ込む。
(そういえば、朝保科が言いたいことってなんだったんだろう…)
そう思った瞬間、保科の足音が近づいてきて、ノックの音が響いた。
「音葉ちゃん、おる?」
「うん、いるよ。」
返事をすると、ドアが開いて保科が部屋に入ってきた。
「んで、どうしたの?」
「今日の朝、言ったこと、覚えてるか?」
保科は真剣な表情でそう言った。
音葉は少し考えながら、うんとうなずいて答えた。
「うん、覚えてるけど…」
保科は一息ついてから、少し躊躇いながら話を続けた。
「いつか、2人きりで月が見えたらいいな。」
「…保科///」
音葉は顔を赤らめながら、つぶやいた。
その言葉を聞いた保科は少し照れくさそうに言う。
「だから、いつか一緒に見れる日まで、俺たち生きていけるか?」
音葉はしばらく黙っていたが、やがて静かに答える。
「///今は無理かもしれないけど…もし平和になったときに、返事してもいい?」
そう呟くと、保科はうんと頷いた。
終