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Day.1-12
注意とかは同シリーズ『前書き』へ!
教室に残らず、校内を探索し始めた三人。
広い校舎を探すのは大変だ。
それは太宰と共に一つずつ教室を確認していたルイスだからこそ分かることだった。
中也「それで、何処から探すんだ?」
ルイス「隠れている人がいるかもだから、手当たり次第になるかなぁ……」
すれ違いが起こることで、命を落とす人がいてはならない。
それはつまり、何度も同じ場所を廻らなければいけないことを表す。
ルイス「書き置きしようにも、見てくれるかは分からないからね」
アリス「そのことなんだけれど少し良いかしら?」
ルイス「ん?」
アリス「私の力“鏡の国のアリス”は鏡を操るもので、鏡に映ったものを手元の鏡へ映し出すことも出来るようなの」
中也「マジかよ。それを使えば探索は少し楽になるか?」
なるだろうね、とルイスは顎に手を添える。
確かに探索は楽になるものの、映すだけでは異空間に送ることはできない。
一定の距離にあるモノではないと送れないのは、ルイスがよく分かっている。
それに、映し出された場所によっては助けに行くのが間に合わないかもしれない。
ルイス「あくまで一方通行?」
アリス「……多分そうね。此方が観測できるだけ」
ルイス「声は?」
アリス「残念ながら映像のみよ」
そうかぁ、とまたルイスは考え込んだ。
中也「そういえば、壁が空まで覆っているのに電気は全く消えそうにないな」
アリス「非常用電源とかじゃない?」
中也「じゃあいつ消えるか分からねぇか。にしてもどうなってんだよ、学校の外も内も。放送一つぐらいあっても良いだろ」
ルイス「……それだ」
アリス「ルイス?」
ルイス「一階の職員室に向かおう。電源が落ちる前に、放送で安全な教室があることを伝えたら其処に人が集まる可能性が高い」
そして、職員室の放送は少し特殊で生徒が使えるものと違う。
高等部二年の教室が遠ければ職員室に集まってくる可能性が高い。
ルイス「放送室から動けないのは厳しいけど、生存者たちは希望を持てる。シャルル先生たちのいる教室にも届くだろうから、きっと受け入れてくれるはずだ」
アリス「……むやみに探すよりは得策ね」
中也「それじゃあ急いで向かいましょうか」
--- ──放送室へ ---
🐰鏡の国のアリス/Alice in mirrorworld
アリス・キャロルの異能力。効果は鏡に映ったものを手元の鏡に映せるというもの。(普通に弱体化してるが、元々転移異能にもなるし強すぎなんだよアリスさん。そしてアリス・キャロルって慣れねぇ!!)
🐰国立迷兎学園の放送室
教員、中等部、高等部と三つの放送室が存在する。教員用は職員室の中からしか入ることが出来ず、鍵を持たないルイスたちが入るためには──。(因みに中等部と高等部の放送室から放送する場合「◯等部放送室からのお知らせです」と流れる。教員用は普通に「キンコンカンコン」ってやつ。伝われ。)
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🐰シャムス
高等部二年。唯一レイラが心を許している人物で、基本的に無言。(例の黒髪くんです。前回のあとがきに入れ忘れてたからここで紹介。)