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魔物が悪なんて誰が言いました?#27
ディーア視点
皆を連れ城へ帰り、リュウからお出迎えを受ける。
リュウ「皆々様、ご無事で何よりでございます」
ディーア「あぁ」
リュウ「ピア様も…よくお戻りになりました(頭撫)」
ピア「!えへへ……」
カリー「さて、もう夜だし、夕食は作るわ。話し合いはそのあとでもいいかしら?」
ラフェル「全然いいぜ〜」
サリジエ「あ、うちも手伝うで!」
リュウ「私も手伝います」
イフリート「僕も手伝ってええかな?」
カリー「あら、ありがとうニコ」
ディーア「じゃあ、そっちは頼んだ」
夕食はカリー達に任せるとして…俺は食堂で準備しておくか。
ディーア「カナタ、ピアの相手を任せていいか?」
カナタ「おう、もちろんやで」
クリス「あ!妾もやるー!ピアちゃん何したい〜?」
ピア「!みんなであそぶ!」
純粋神「じゃあ…僕も一緒に遊ぼうかな」
ピア「うん!あそぼ!」
ディーア「…………」
今日あんな事があったばかりで、気が滅入ってしまったらどうしようかと思っていたが、心配しすぎだったようだ。
ディーア「ジェリアはどうするんだ?」
ジェリア「ん〜、ボクはディーアの手伝いでもしよっかな〜」
マラ「なら、俺もディーアとジェリアについて行っても構わないか?」
ディーア「あぁ、問題ない」
ジェリア「じゃあ、そういう事だしまた後でね〜」
イフリート「うん、またね」
---
食堂
ジェリアとマラを連れ、食堂を訪れる。
準備と言っても、机の上のものを片づけたり、机を拭いたりするくらいだ。
いつも一人でしていたのだが、三人でするとあっという間に終わってしまった。
ディーア「うん、これぐらいでいいだろう」
妥協点を出し、布巾や片付けたものを元の位置に戻す。
ジェリア「ねぇ、ディーア」
ディーア「ん?」
妙に真面目なトーンで呼びかけられ、緊張したまま振り向くと、ジェリアだけでなくマラも同じく真面目な顔持ちをしていた。
ジェリア「星夜についての話の続きなんだけど…していいかな?」
ディーア「……あぁ」
確か、創造神を次ぐ神的存在だったか……。
ディーア「マラは何か知っているのか?」
マラ「いいや、星夜は聞いたことのない名だ…今日で初めて知った」
ディーア「そうか……」
確かに、俺も長い間生きて聞いたことはない。
…しかし、創造神に次ぐ神の名を、なぜ聞いたことが無いんだ?
神と称された者らは必ず、神話が残り、そして名前が残る……。
ディーア「聞いてもいいか?ジェリア」
ジェリア「うん、さっきも言ったけれど、あいつは前とは違う」
マラ「前?」
ジェリア「あ、えーっと……大体数千…一万年前の話じゃないと思うけど、それくらい前の話ね」
ディーア「前と表現するにはやや昔過ぎるな…」
流石長寿、マラよりも俺よりも長く生きてきただけあるんだな…。
マラ「それで…星夜は何が前と違うんだ?」
俺も気になっていた事柄を、マラがジェリアに尋ねると、回答は想像の斜め上のものだった。
ジェリア「……星夜はもう"神"じゃない……」
--- "人間"に堕ちたんだ ---
ディーア「……それは、どういうことだ?」
ジェリア「その言葉の通りだよ、人が悪人に堕ちるように、天が人に堕ちただけのこと」
マラ「あるのか?そんなことが……神が堕ちたら、邪神になるのだろう?」
ジェリア「うん、原則…というか、ほとんどがそのケースだよ」
まぁケースとかいうほどの神達が堕ちてるわけじゃないけど、とジェリアが付け足す。
ディーア「じゃあ、その星夜はなぜ人間に……」
ジェリア「…わっかんない。でも、堕ちた時に何らかの影響があったことが確かなのと……」
ディーア「…?」
マラ「どうかしたか?」
ジェリア「…なんでもない、そろそろご飯出来てるんじゃない?」
ディーア「あ、…うん、いい匂いがしてきた。そろそろ食堂に行くか」
マラ「……そうだな」
---
食堂
ディーア達と食堂に行くと、もう既に俺達3人以外が揃っていた。
マラ「もう皆集まってたんだな」
カリー「えぇ、食事も出来たわ。冷める前に食べましょうか」
ピア「ごはんっ!」
クリス「ピアちゃん、妾の隣おいで~」
ピア「!うん、いく!お兄ちゃんもピアのとなりね!」
ディーア「はいはい」
マラ「…っ!?」
なんだか尋常じゃない気配が現れたと思い、慌てて振り返ると、微笑んだ顔の奥にコロスという意思を見せるカリーがいた。
サリジエ(こっわぁ………)
ディーア(まぁ、後ろの殺気は無視するか)
カリー(羨ましい……ニコニコ)
カナタ「カリー様の気配が全身で感じられる…!」
ラフェル(何言ってんだ|こいつ《カナタ》…引)
カチャカチャ ワチャワチャ
クリス「もぐもぐ……あ、そういえば…」
全員「「?」」
ディーア「どうした?」
クリス「僕たちこんなに滞在してるけどさ、流石にずっといるのは迷惑じゃない?」
マラ「あぁ……」
クリス「妾は何度かディー君のお城に泊まったことはあるしすごく居心地いいんだけど、こんな大人数で寝泊まりっていうのも大変かなって…」
そうか、昨日も今日もこの城に世話になっているが、元々ここはディーア個人の城であって、皆には皆の居場所がある。もちろん俺にも長い間住んでいる家がある。
ディーア「あぁ、なんだ…そんなことか」
イフリート「大丈夫?もし負担かけてたなら悪いんだけど……」
ディーア「別に問題ないさ、これ程大きい城で、住んでいたのは実質的に俺一人だったんだ」
カリー「そうね、私はほとんど帰らないから住んでないと同義だった。そもそもこの城も、誰かが捨てた城を勝手に魔王城としてかまえているだけだし」
ジェリア「うんうん、ボクは元々住んでるわけじゃないけど、ディーアとピアちゃんだけじゃこの城は広すぎるだろうから、いつ来てもいいんじゃないかな」
ピア「わたしも、もっとみんなとあそびたいっ!」
最後にピアが言って食堂は静まり、次の瞬間に笑った声が飛び交った。
純粋神「城だけじゃなくて、器も広いみたいだね。優しすぎて心配しちゃうよ」
サリジエ「わかる!困ってるフリした詐欺師とかに騙されちゃいそう!」
ディーア「…流石にそこまで抜けてないさ」
カリー「そう?最近のディーアは甘いから、気の抜けた所で失敗しても以外じゃないわ」
マラ「まぁ、例えとしたら一番合ってるかもな」
ディーア「マラまで……」
マラ「ふふ、」
全く、俺はこれまでディーアと同じ魔王として生きてきたが、こんなに寛容な人物だとは思わなかった。
マラ「だが、ずっといるのはやはりこちらも気が引ける。俺とサリジエは明日には一度帰る」
サリジエ「は~い」
イフリート「うん、僕もそうしようかな」
ラフェル「オレも~、この周辺だと思いっきり暴れらんないし~」
純粋神「み、皆が帰るなら僕も一回帰ろうかな…、最近ヤンデレみれてないし…」
クリス「ん~、妾はもう一日くらいここにいよっかな~、ディー君いい?」
ディーア「構わん」
カリー「カナタはどうするの?」
カナタ「ディーアが許可してくれるんならずっといたいですけど…生憎やる事は溜まってますから」
カリー「そう、それはよかったわ」
サリジエ「じゃあ、皆でいるのは最後なんやし、なんか思いっきり遊ばへん?」
ピア「!あそぶ~!」
ラフェル「へー楽しそうじゃん!やるやる~」
純粋神「僕も!」
マラ「俺は酒でも飲んでおくよ、誰か一緒にどうだ?」
カリー「あら、じゃあお供しようかしら」
カナタ「カリー様が飲むのなら俺も!」
イフリート「僕も飲んでみたいな」
サリジエ「よ~し!遊ぶ人、広い場所に移動するで~!」
ピア「お~!」
ディーア「…元気だな」
リュウ「えぇ、全くでございます」
ジェリア「そうだね~」
---
次の日
ディーア「おはよう」
マラ「あぁ、おはよう」
イフリート「おはよ~」
酒を飲んだ次の日、いつもは二日酔いに苛まれるところだったが、リュウは直前の所で止めてくれたおかげですっきりした朝日を迎えた。
マラ(まぁ、あのくらいだったらあと3杯くらいは飲んでも潰れることはないが……)
ディーア「……後ろのカリーとカナタは…何があった?」
イフリート「あぁ、二人はね…」
マラ「二日酔いだ」
カリー「え"ぇ……強い酒飲み過ぎた…」
カナタ「看病に回るつもりがカリー様に誘われて…」
リュウ「私が止める時には既に酔い潰れておりました」
ディーア「まぁ、大変だったな」
マラ「あぁ、カナタがカリーに無理やり飲まされてた図は中々恐ろしかった」
あの強引さ……流石悪魔というわけだ。
ジェリア「遊んでた人達も起こしてきたよ~。ピアちゃんはぐっすりだけどね」
純粋神「ん~、おはよぉ」
ラフェル「ふぁ~、ねっみ……」
クリス「遊びに集中しすぎて日付回ってたかも」
ディーア「それは…楽しかったならよかった」
サリジエ「この城に置いてあるゲームの量すごいよね。双六にボードにカードまであるだなんて」
ディーア「元々ここに置いてあったものだ。そうだ、リュウ、あれは用意してくれたか?」
リュウ「こちらに」
マラ「?」
いつの間にかリュウの手にはそれなりに大きい箱がのっかっていた。
クリス「んん…?それなに~?」
ディーア「まぁ、これからも連絡を取れるようにと、ジェリアが作ってくれたものだ」
パカッ
カリー「貝殻…?」
箱の中にはカリーの言う通り貝殻の形をしたものが今この場にいる人数分揃っている。
色も形も統一感があり、一見するとただの貝殻のようだが、どうやら違いそうだ。
カナタ「……魔力をまとってる?」
ジェリア「せいかーい。これは簡単に説明するとねぇ~」
ジェリアが説明してくれた話を要すると、この貝殻に魔力を込めれば、いつでも相手と連絡を取れるらしい。
ジェリア「もっと他にも何かを伝える手段はあるけど、今一番楽で簡単なのはこの貝殻式の連絡危機だと思うよ」
イフリート「凄いねこれ…もしかして昨日の夜のうちに作ったの?」
ジェリア「うん。まだまだ試作品だから、もし調子が悪くなったらすぐ言ってね」
純粋神「すっごい便利そう……ありがとうねジェリア!」
ジェリア「えへへ、どういたしまして~」
マラ「では、一つ貰っていくよ」
ディーア「あぁ、またいつか会おう」
マラ「もちろんだ」
ではまた!
おつせる!!