公開中
プロローグ
奏「…ここが、『希望ヶ峰学園』…」
奏「すごく大きいな…」
奏「ほ、ほんとに私が入れるなんて…」
ピロンッ
奏「ん、?…メール?」
--- 突然のメール失礼致します ---
--- 今回お伝えしたいのは、貴方が我が校、希望ヶ峰学園に ---
--- 『超高校級の作曲家』として招き入れることとなったということです ---
奏「…ん?」
奏「き、希望ヶ峰学園って、すごいところなんじゃ…!?」
奏「ど、どうしよう…」
奏「でも引くことはできないし…」
奏「ここを卒業すれば…まふゆを救えるかもしれない、」
奏「…入ろう…!」
---
奏「やっぱり…いつ見てもすごい…」
奏「あ、なんか書いてある」
新入生の方は8時に玄関ホールへお集まりください
奏「8時か…今は…」
7時10分
奏「早く来ちゃったな…」
奏「一応新入生だし、入っていい…よね」
奏「うーん…まだ時間あるな…」
奏「ん、え…?」
奏「視界が…歪み、はじめて…」
---
奏「…」
奏「……」
奏「……………」
奏「ん…あ、れ?」
奏「ここ、どこ…」
奏「…教室みたいだな」
奏「あれ、机の上になにか…」
--- 新しい学期が始まりました ---
--- 心機一転、これからはこの学園内がオマエラの新しいセカイとなります ---
奏「なにこれ…小さな子供が書いたような文字…」
奏「それに…窓に鉄板?が打ち付けられてる…」
奏「外からの光すら見えない…」
奏「…あっ、もう8時だ」
奏「…まだ気になるところはあるけど…先に玄関ホールにいこう…」
---
奏「廊下も不気味…」
奏「えっと玄関ホールは…こっちか……」
ちょっと…緊張するな…
奏「し、失礼します…」
?「あら?また人が来たわね〜」
?「本当だな!!!」
?「あなたも新入生…?」
奏「は、はい、新入生…です」
?「え、その声もしかして…」
瑞希「あ!やっぱりだー!奏も新入生なの?」
奏「み、瑞希?偶然だね…」
瑞希「ボクだけじゃないよ〜」
えななん「奏!なんか急に安心〜」
彰人「おいそれどういう意味だよ」
えななん「別に〜?」
まふゆ「あはは…2人とも、落ち着いて?」
奏「でも…なんでニーゴのみんながここに…?」
奏「偶然だとしてもなんか…」
遥「たしかにそうですね…」
杏「え、どういうこと?」
遥「んー、私もただの直感だからなにも言えないけど…」
咲希「それに、学園に入る時突然目眩が…」
愛莉「あら?咲希ちゃんも?」
愛莉「私たち、全員必ず目眩を起こしていたのよね」
穂波「ってことは、もしかして…?」
奏「あ、うん」
奏「私も…急に視界が歪み始めて…」
司「そうなのか…しかし、偶然であっても出来すぎていないか?」
えむ「だよねだよね!なんだかぐるぐるどよーんだよぉ…」
まふゆ「とりあえず、自己紹介だけする?」
まふゆ「ほら、自分の才能とか話したほうがもっと仲良くなれるとおもうんだ」
志歩「それもそうですね…」
みのり「私もさんせーい!」
雫「私もよ。でも…だれからやりましょうか?」
一歌「じゃあ…私からしようかな」
一歌「星乃一歌です。超高校級のボーカルです。よろしくお願いします」
咲希「超高校級のギャル、天馬咲希です!」
咲希「…ア、アタシギャルじゃないんだけど!?」
穂波「あはは…えっと、次は私だね」
穂波「超高校級の家庭科部…望月穂波です」
志歩「…超高校級の、ベーシスト。日野森志歩です、よろしく」
みのり「花里みのり!超高校級の努力家です!」
瑞希「みのりちゃーーん!!!やばい!尊い!!」
えななん「ちょ、瑞希…落ち着いてってば…」
遥「えっ、と…私、自己紹介していいかな?」
瑞希「あっ、ご、ごめんなさーい…あははっ…」
遥「ふふっ、気にしないで」
遥「…超高校級のアイドル。桐谷遥です。よろしくね」
愛莉「私は桃井愛莉!超高校級のエンターテイナーとして入学したわ!」
雫「日野森雫です。超高校級の天然…?としてきたわ〜」
杏「それは…才能…なのかな?」
こはね「次は私だね」
こはね「小豆沢こはねです。超高校級のダークホースなんだ」
奏「ダークホース…かっこいいね」
こはね「そうかな…?えへへ、ありがとう…!」
杏「私は白石杏!超高校級のカリスマシンガー!よろしく〜!」
絵名「す、すごい陽キャオーラが…」
彰人「次は俺か」
彰人「東雲彰人だ。超高校級のサッカー選手。よろしくな」
寧々「え…東雲君ってサッカーやってたの?」
彰人「いや、今はやってない。昔やってたな」
冬弥「青柳冬弥。超高校級のストリートダンサー…らしいぞ」
咲希「もー、とーやくん、『らしい』じゃなくて、ちゃんと超高校級なんでしょ?」
冬弥「そうだな…今もあまり実感がない」
えむ「とうやくんってダンサーだったんだねっ☆」
冬弥「ダンサー…なのか?」
彰人「パフォーマンスとして練習してるだけだな…」
瑞希「それでもじゅーぶんすごいよ〜?」
司「そうだぞ冬弥!自信をもて!」
冬弥「!ありがとうございます!」
瑞希・咲希「「(やっぱとうやくんってチョロいよなぁ…)」」
司「む、次は俺か!」
司「天翔けるペガサスと書き天馬…」
司「世界を司ると書き司…」
司「その名も…!」
司「天馬司!!」
司「スターになるべく生まれた男!!」
奏「う…声が大きい…」
類「すまないねぇ…ちなみに彼は、超高校級のスターなんだ」
みのり「スター!?すごーい!」
司「ふっふっふ…そうだろうそうだろう!」
司「こんな一瞬で全員の目を奪ってしまうとは…」
司「流石は俺!」
冬弥「流石です…司先輩!」
彰人「冬弥も乗っからなくていいんだよ…」
えむ「はいはーい!次あたし!」
えむ「あたし、鳳えむ!超高校級の運動神経なんだ!」
穂波「超高校級の運動神経…!?すごいね…」
えむ「えっへへ☆アクロバットでもなんでもわんだほいだよっ☆」
まふゆ「ふふ、元気だね。鳳さん」
えむ「ひょえっ!?」
まふゆ「?どうしたの?」
えむ「な、ななな、なん、なんでもないですよ!!」
寧々「…次は私だね」
寧々「草薙寧々。超高校級の歌姫だよ」
一歌「歌姫…素敵です!」
寧々「そ、そうかな…ありがと…」
類「僕の番だね」
類「神代類と申します。以後、お見知りおきを」
類「ちなみに、超高校級の演出家だよ」
奏「次は私かな」
奏「宵崎奏。超高校級の作曲家としてここにきたよ」
穂波「流石宵崎さん…素敵な才能ですね」
奏「そうかな…?ありがとう」
まふゆ「私、いいかな?」
まふゆ「朝比奈まふゆです。超高校級の優等生だよ。よろしくね」
雫「朝比奈さんらしい才能ね。素敵だわ〜」
まふゆ「ふふ、ありがとう」
えむ「ひぇぇっ…!?」
絵名「えーっと、私の自己紹介だね」
絵名「私は東雲絵名。超高校級の…」
愛莉「あら、絵名、どうしたの?」
彰人「あーそうだな、お前は超高校級のツンデ…」
絵名「ちょ!!なんでいうのよ!?」
瑞希「あっはは!2人ともおもしろーい!」
瑞希「っと、次はボクだね!」
瑞希「ボクは暁山瑞希!超高校級のデザイナーなんだ〜!」
類「瑞希のデザインは全て素晴らしいものだからね」
杏「ほんとほんと!めっちゃ可愛い物ばっかりなんだよね〜!」
瑞希「えー?照れるなぁ〜」
奏「ふふっ、みんな素敵な才能だね」
遥「とりあえず自己紹介は全員終わったね」
冬弥「なら、早速本題に入るか」
こはね「来た時に全員、目眩を起こしたこと、」
こはね「窓に鉄板がついてる…ってことはみんな知ってるよね」
司「あの鉄板は一体なんなんだ…?」
みのり「あとは…あっ!私の荷物どこいったんだろ?」
絵名「ほんとだ…スマホもない…」
穂波「それと…ここにも」
穂波「奥の入口かな?鉄で塞がれてる…」
志歩「私が入ってきた時はそんなのなかったのに…」
一歌「なんでそんなことする必要が…?」
えむ「もしかして、大変なことに巻き込まれた…とか!?」
咲希「だ、大丈夫!」
咲希「きっと、学園が企画したオリエンテーションだよ!」
彰人「ほんとにそうなのか…?」
キーンコーンカーンコーン…
?「あー、あー…マイクテスッ、マイクテスッ!校内放送、校内放送…!」
?「大丈夫?聞こえてるよね?…えー、ではでは…」
どこからか、能天気な声が聞こえてきた。
その声に私は、強烈な不快感を抱いた。
?「新入生のみなさん、今から入学式を執り行いたいと思いますので、」
?「至急、体育館までお集まりください」
?「ッてことで、ヨロシク!」
雫「…な、何かしら今の…」
志歩「…私は先に行く」
雫「あっ、まってしぃちゃ〜ん!」
杏「これ、行ったほうがいい…よね」
類「じゃあ、僕も行くとするかな」
愛莉「…大丈夫なのかしら…」
寧々「少し…というか、めっちゃ怪しかったけど…」
奏「…ここにいても変わらない。行こう」
穂波「そうですね…」
司「それにしても、希望ヶ峰学園がこんなところなんてな…」
遥「それに…さっきから他の生徒にも会わないよね」
彰人「本当にやばいんじゃね…」
瑞希「お、驚かせようとしてるだけだよ!」
瑞希「あの鉄板だって、あとから外してくれるはず!」
冬弥「でも…行くしかないな」
奏「うん…そうだね」
---
奏「…?…入学式…?」
咲希「ほら!やっぱりただの入学式だよ!」
?「オーイ、全員集まった〜?じゃあ、そろそろ始めよっか!」
次の瞬間、
私達の目の前にぬいぐるみが飛び出してきた。
こはね「…え、ぬいぐるみ…?」
?「ぬいぐるみじゃないよ!!」
モノクマ「ボクはモノクマだよ!」
モノクマ「キミたちの…この学園の、学園長なのだ!」
ここまで何かに視線を奪われたのは、生まれて初めてかもしれない
だけど…その対象が…
あんな、訳の分からない物体なんて…
モノクマ「ヨロシクねッ!」
…場違いなほど明るい声だな…
そして、私が抱いていた不快感は、
いつのまにか恐怖心に変わっていった
みのり「ぬ、ぬいぐるみが…喋った!?」
司「お、落ち着け花里!」
司「きっと、ぬいぐるみの中にスピーカーかなにかが仕込んであるのだ!」
モノクマ「だからさぁ、ぬいぐるみじゃなくて…」
モノクマ「モノクマなんですけど!しかも、学園長なんですけど!!」
みのり「うわぁぁぁぁぁ!動いたぁぁぁぁ!!」
司「落ち着け花里ぉぉぉぉぉぉぉ!!」
寧々「落ち着いてってば!きっとラジコンかなんかでしょ…」
モノクマ「ラジコンなんて子供のおもちゃといっしょにしないで。深く深く…マリアナ海溝より深く傷つくよ…」
モノクマ「ボクには、NASAも真っ青の遠隔操作システムが搭載されてて…」
モノクマ「って、夢をデストロイするような発言させないでほしいクマー!!」
志歩「クマ…?随分とベタだね」
モノクマ「じゃ、進行も押してるし…早速始めちゃうナリよ!」
絵名「なんか…キャラが濃いわね…」
モノクマ「ご静粛にご静粛に!えー、ではでは…」
まふゆ「…諦めたみたいだね」
モノクマ「起立、礼!オマエラ、おはようございます!」
司「おはようございます!!!」
一歌「言わなくていいかと…」
モノクマ「では、これより記念すべき入学式を執り行いたいと思います!」
モノクマ「まず最初に、これから始まるオマエラの学園生活に一言…」
モノクマ「えー、オマエラのような才能溢れる高校生は、」
モノクマ「『世界の希望』に他なりません!」
モノクマ「そんな素晴らしい希望を保護するため、オマエラには…」
モノクマ「『この学園内だけ』で、共同生活を送ってもらいます!」
モノクマ「みんな、仲良く秩序を守って暮らすように!」
奏「…は、?」
モノクマ「えー、そしてですね…その共同生活の期限についてなんですが、」
モノクマ「期限はありません!」
モノクマ「つまり、一生ここで暮らしていくのです!」
モノクマ「それが、オマエラに課せられた学園生活なのです!」
寧々「なんて、言ったの…?一生ここで…って?」
モノクマ「あー、心配しなくても大丈夫だよ。予算は豊富だから、オマエラに不自由はさせないし!」
杏「ちがっ、そういう心配じゃなくて…」
彰人「つか、何言ってんだよ…ここで一生暮らすとか…」
彰人「うそ…だろ?」
モノクマ「ボクは嘘つきじゃない!その自信がボクにはある!」
モノクマ「…あ、ついでに言っておくけど、」
モノクマ「外の世界とは完全にシャットアウトされてるからね」
モノクマ「だから、汚れた外の世界なんて、もう気にしなくてもいいからね!」
遥「シャットアウトって…」
咲希「じゃ、じゃあ!教室や廊下にあったあの鉄板って…」
まふゆ「…私たちを、閉じ込めるための?」
モノクマ「そうそう!大正解!」
モノクマ「だからいくら叫んだって、助けなんて来ないんだよ」
モノクマ「ってわけで、オマエラは思う存分、この学園内で生活してくださーい!」
奏「…なに、それ…」
類「希望ヶ峰学園が用意したにしては…悪ふざけがすぎているね…」
絵名「いい加減にしてよ…何言ってんの…?」
愛莉「これ以上は冗談じゃすまないわよ…」
モノクマ「まったく…さっきから嘘だの冗談だの…」
モノクマ「疑い深いなぁ〜」
モノクマ「ま、それもしょうがないか、簡単には信じない。それが人間だもんね」
モノクマ「ボクの言葉が本当かどうかは、オマエラ自信が確かめればいいよ」
モノクマ「そうすれば、ボクの言葉が純度100%だってことが分かるんだし!」
えむ「そ、そんなの困るよ〜…」
こはね「こんな学校でずっと暮らすなんて…」
モノクマ「おやおや、オマエラもおかしな人達だねぇ…」
モノクマ「だってオマエラは、自ら望んでこの希望ヶ峰学園に入ってきたんでしょ?」
モノクマ「それなのに、入学式の途中で帰りたいとか言い出すなんて…」
モノクマ「ま、だけど…」
モノクマ「ないわけじゃないよ。ここから出られる方法…」
一歌「ほんとに…?出られる方法が、あるの…?」
モノクマ「学園長であるボクは、ここから出たい人のために、『ある特別ルール』を設けました!」
モノクマ「それが…『卒業』というルール!」
モノクマ「では、この特別ルールについて説明しましょう!」
モノクマ「オマエラには、学園内での秩序を守った共同生活が義務付けられたわけですが…」
モノクマ「もしその秩序を破った人が出た場合…その人物だけは学園から出ていくことになるのです」
モノクマ「それが、『卒業』のルールなのでーす!」
類「ふむ…その『秩序を破る』とは何を意味するのかな?」
モノクマ「うぷぷ…それはね…」
モノクマ「『人が人を殺す事』だよ…」
寧々「こ、殺す!?」
モノクマ「殴殺刺殺撲殺斬殺焼殺圧殺絞殺惨殺呪殺」
モノクマ「殺し方は問いません」
モノクマ「『誰かを殺した生徒だけがここから出られる』」
モノクマ「ただそれだけの簡単なルールだよ」
モノクマ「まぁ、せいぜい努力してくださいね」
『誰かを殺した生徒だけがここから出られる』
その言葉を聞いた途端、猛烈な寒気が、足元から背中を通り、
頭のてっぺんまで一気に駆け上がっていった
モノクマ「うぷぷ…こんな脳汁ほとばしるドキドキ感は初めてだよ…」
モノクマ「さっきも言った通り、オマエラは『世界の希望』ってわけだけど」
モノクマ「そんな《《希望》》同士が殺し合う、《《絶望的》》シチュエーションって…」
モノクマ「エクストリーム!ドキドキする〜!!」
絵名「何言ってんのよ…殺し合うって…なんなのよ…」
モノクマ「殺し合いは殺し合いだよ?辞書ならその辺に…」
みのり「い、意味なら知ってるよ!」
遥「どうして私達が殺し合わないといけないの…?」
瑞希「そうだよ!ふざけたこと言わないで!」
えむ「早く家に帰してよー!」
モノクマ「はぁ…ほんとに、物分かりの悪い連中だよ…」
モノクマ「何が帰らせてだ。同じことを何度も何度も…」
モノクマ「いい?これからはこの学園が、オマエラの家であり世界なんだよ?」
モノクマ「殺りたい放題、殺らして殺るから、殺って殺って殺って殺りまくっちゃえっつーの」
司「い、いつまで続ける気なんだ…」
モノクマ「…ん?」
司「もう十分びっくりしたぞ。だから、そろそろネタバラシにしないか…?」
モノクマ「ネタバラシ?」
司「だから…ドッキリなんだろう?」
彰人「…司先輩、ちょっとどいてください」
そのとき、東雲さんは地響きのような声でモノクマに凄んだ
彰人「てめぇ…悪ふざけもほどほどにしろよッ!」
モノクマ「悪ふざけ…?それってキミのピアスのこと?」
彰人「あ"ぁ!?」
怒鳴り声と共に、ドン、と何かが爆発したような音がした
東雲さんが、足元の床を蹴り上げた音だった
東雲さんの体は、一直線に突き進んだ
獲物を狙って…一直線に…
彰人「捕まえたぞ…ぬいぐるみかなんだかしらねぇけど…」
彰人「ぶっ潰してやるよ…!」
モノクマ「キャー!学園長への暴力は校則違反だよ〜!?」
彰人「うるせぇ!今すぐここからだせ!」
彰人「できねぇなら…力ずくで…」
モノクマ「…」
彰人「あぁ?今更シカトか?」
ピロン…ピロン…ピロン…
彰人「おい!変な機械音だしてねぇで、なんとか…!」
ピロン、ピロン、ピロン…
遥「!危ない…投げて、!」
彰人「…え、?」
遥「い、いいから、はやく!」
彰人「…クソッ…!」
次の瞬間…
彰人「…はっ?」
咲希「ば、爆発した…!?」
雫「でも、爆発したってことは、あのぬいぐるみも壊れて…」
モノクマ「だーかーら、ぬいぐるみじゃなくてモノクマ!」
瑞希「別のやつがでてきた…」
彰人「てめぇ…まじで俺を殺そうと…」
モノクマ「当たり前じゃん!校則違反するのがいけないんでしょ?」
モノクマ「今のは警告だけで許すけど…今後は気をつけてよね」
寧々「…ひょっとして、あんたみたいな奴が…他にもたくさんいたりする…?」
モノクマ「モノクマは、学園の至る所に配置されてまーす」
モノクマ「あと、学園内には監視カメラもあるよ」
モノクマ「で、校則を破る奴がいたら、さっきみたいなグレートな体罰をしちゃうからね〜っ!」
モノクマ「うぷぷ…次からはがちだから、気をつけてね!」
杏「無茶苦茶…だよ…」
モノクマ「じゃあ最後に、入学祝いとして、オマエラにこれを渡しましょう」
モノクマ「この学園の生徒手帳です!カッコイイでしょ?」
モノクマ「電子化された生徒手帳…その名も…!」
モノクマ「『電子生徒手帳』です!」
奏「………」
モノクマ「…こほん、気を取り直して…」
モノクマ「電子生徒手帳は、学園生活に欠かせない大切なものだから、絶対無くさないようにね!」
モノクマ「それと、起動時に自分の本名が表示されるから、ちゃんと確認しといてねー」
モノクマ「ちなみにその電子生徒手帳は、完全防水で水に沈めても壊れない優れもの!」
モノクマ「耐久性も抜群で、10トンくらいの重さなら平気だよ!」
モノクマ「詳しい校則もそこに書いてあるから、よく読んでね〜!」
モノクマ「ではでは!入学式はこれで終了になります!」
モノクマ「豊かで陰惨な学園生活を、どうぞお楽しみください!」
モノクマ「それじゃ、まったね〜!」
呆然としている私達を置いて、モノクマとやらはどこかへ消えてしまった
まふゆ「…みんなは、今の話をどういう物であると定義する?」
絵名「どうもなにも…まったく意味わかんないわよ…」
こはね「ここで…一生を、暮らす…?」
こはね「殺し合いをする…?」
こはね「なんなの…ッ?」
杏「こはね…」
一歌「…みんな…落ち着いて。」
一歌「とりあえず、今の話をまとめてみようか」
一歌「今の私達には、2つの選択肢が与えられた事になる」
一歌「1つはみんなと一緒に、期限がない共同生活を送る」
寧々「もう一つは…」
司「生きて出るために…仲間の誰かを殺す…だったな」
えむ「こ、殺すなんて…できないよ…」
志歩「いきなり拉致られて…閉じ込められて…」
愛莉「なんなのよ…」
みのり「嘘だ…こんな話…嘘に決まって…」
冬弥「本当か嘘かが問題じゃない…問題なのは…」
冬弥「この中に…その話を本気にする奴がいるかどうか…」
そこで私は、モノクマが提示したルールの、本当の恐ろしさを知った。
『誰かを殺した生徒だけがここから出られる』
その言葉は、私たちの思考の奥深くに、
『恐ろしい考え』を植え付けた
『誰かが裏切るのではないか』という、疑心暗鬼を…
---
こうして、私の新たな学園生活が始まった
私がやってきたこの学園は、
希望の学園なんかじゃなかった
ここは…
絶望の学園だったんだ
--- プロローグ ---
--- ようこそ絶望学園 ---
---