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Insane
あの銃声が、悲鳴が、あのケーキの味が、今でも俺の心に焼き付いている。
あれは、俺が7年目の誕生日を迎えた日だった。優等生な父と顔面国宝だった母の間に、俺は一人息子として生まれた。父も母も、親バカか。と思うほどに俺を愛してくれていた。誕生日の夜、仕事で少し遅めの帰宅をした父の手には、白い箱があった。きっとケーキが中には入っているんだろうと期待を膨らませながら父がリビングへ来るのを待った。そして、俺の期待は大当たり。真っ白なショートケーキが俺の目に飛び込んで来た。
母がケーキを切り分けるためにと、キッチンへ向かった。その時。どこからか銃声がし、その銃弾は、俺の母を貫いた。母の死を悲しむ前に、俺の目の前で父も銃弾で撃ち抜かれる。
真っ白なショートケーキは、父の血であふれた。
言葉も出なかった。どうしていいのかわからなかった。ただただ俺はあの日、8年前、両親が何者かの手により、`殺された。`
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時は経ち、俺は齢15となった。春からは高校生として、近所の高校に通うことになっている。ごく普通の高校生。そう《《見せている》》。
あの日、両親が殺された日に、俺は復讐を誓った。両親が殺された真相を掴むために様々な裏組織に出入りした。結局のところは、何の情報も得ることができなかったが。
そして2年前。俺はとある有益な情報を手に入れた。両親と元同級生だというやつが現れたのだ。そいつは現在殺し屋として活動しており、仲間も数人だが、いるらしい。しかも俺のことを知っていた。
こいつは便利だと思った。それから2年、今はそこで殺し屋として、真相を探っている。
入学式。校長の長い話に疲れ、俺は大きめのあくびをこぼす。身長順で先頭という腹が立つ成績を残している俺は、栄養が多く取れなかったため、現在男子高生にして162cm。この有り様だ。素早く移動できるので、殺しには役立つが。あいにく俺より後ろからの男子はほぼ全員身長175cm超えだ。周りの高ぇ奴らを見てると、苛立ちを感じる。
mob)え、なにあれ
mob)ちょ、話しかけんほうがいいって
コソコソと…。何を話しているかくらいはわかる。どうせまたこの髪の話だ。生まれつき白髪で色々と色素の薄い俺が気味悪くて仕方ないんだろう。幼稚園でもいじめられたわ。
幸い、俺はメンタル弱々人間ではないため、いじめにはビクともしない。なんならやりかえすタイプ。
校長の長話が終わり、次はクラス移動。長時間同じ体勢で座っていたため固まっていた体を伸ばす。あちらこちらぽきぽきと音がするがさておき、担任がクラスへと誘導を始めた。
教室に入ると、すでに机の上には資料と名前のタグが置いてあった。俺の席はと目をきょろきょろさせる。着々と皆席に座りはじめ、もう友人関係を築いてるやつもいる。残った席が俺のだと確信すると、俺と同時に金髪の陽キャが腰をおろした。
晃)お前、隣?
晃)俺|盤上《ばんじょう》|晃《ひかる》!よろしくな!
こういうグイグイ系は苦手だ。会話が進まん。
月海)|銀《しろがね》|月海《げっか》。よろしく。
しかたなく自己紹介をしてやると、晃はにっこにこの笑顔で言った。
晃)これからよろしくな!月海!