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〖大鳥の餌〗
少し重たげなヘッドレスが頭を締める感覚がなくなった頃に、瞼を開けた。
まるでゲームのデフォルト空間のような白いタイル状の床に障壁と言うのか分からない壁が周りを囲み、その小さな箱庭に転々と白いタイル状の塔のような障害物が立っている。
「……VR?…だったか、これで良いんだよな?」
そんな独り言を視界の四隅で可視化されたチャットを見ながら呟いた。
没入型VR。確か、視覚、聴覚、味覚、痛覚など様々な感覚を仮想空間内でも機能できるようになったデータ空間タイプの体験行為を行える代物で、一般的に安全なものが多いが、中には”違法VR“なるものがあり一度見てしまうとヘッドレスに擬似的なロックがかかり、脳を物理的に焼く違法なVRも存在するといった一時期、社会問題として犯罪組織の手法の一つにあった。
それがアーデンの身体能力調査、言わば新人のテストのようなものでデフォルトの仮想空間の中でデータを取るといったものだった。
デフォルトの状態で売っているVRなら、中にデータはないのだから技量さえあれば自由に弄れる。
アーデンのまとめ役のような役割をもったグク…グラン・デイトバックからはこのVRはマルチプレイ対応であるから、他のメンバーとの腕試しとしてプレイしてみて欲しいとの話をされた。
それを「嫌だ」なんて断る理由もないが、|富の巣窟《オリオン》の社員時代にVRゲーム開発部のデバッグを任された思い出が浮かび上がったものだ。
あまりゲームはしないし、VRもそこまで詳しいわけではないが実際、プレイしてみるとデフォルト…つまり、何も形成されていない土地の世界は現実世界と何ら変わらず、目は遠くを見渡せるし、手足も口も自由に動く。
おまけについているインプラントもリンクしているようで足に少しの重みと、頭に痛みを感じる。
だんだんとその痛みが激しくなり、胸の鼓動が激しくなる。
そのままタイル状の床に両手をついて倒れ込んだ途端、胃へ喉から上がるように焼けるほど熱く、ひどく酸っぱいものがせり上がり口から飛び出るようにして吐き出す。
吐き出したそれはタイル状の床には描写されず、現実世界へそのままのようだった。
割れるような痛みは暫く暴れ回って、チャットにグクの心配するような言葉が述べられた。
『おい、V…なに吐いてんだよ』
そのやけに低く刺さるような声により一層、頭の痛みが激しくなる。
頭の中の|電脳幽霊《デジタルゴースト》はVRにまで出てこれるのか。
デフォルトの視界では、どこにクルーラーの侵攻を抑える薬があるのか探すことができず、ただひたすらに耐えることしかできない。
『……ああ、現実世界の目じゃないもんだから何も分からないのか?…俺からしちゃ、てめえが頭にバカデカい機械をつけてることしか分からねぇんだよな』
見えているなら助けてくれ、などと頼もうにもできなくなくなり痛みが引くまで床に突っ伏し続ける。
そうしていると、やがて痛みが引いていき、頭の中がすっきりとしたように解放される。
『…楽になったんなら、とっととやれよ』
声だけが聞こえるレイズに舌打ちして、視界の中のチャットから音声へ接続する。
接続した次の瞬間、聞き覚えのある男性達の声が心配したように頭の中へ響いた。
一人は心配そうに。一人は楽しそうに。一人は興奮したように。一人は、何も言わなかった。まるで早くしろと急かされているようだった。
「V?V、大丈夫か?」
「大丈夫そう?戦える?」
「あっはははは!いいね、さっきのキミの声!」
「………」
痛みの柔いだ頭を少し抑えて、額の汗を拭った。
持ち物はリンクしていないようで、あくまで身体の能力だけのようだった。
少し疲れた瞳で改めて広がった世界の端にヴィーノの姿が見えて、優しそうな笑顔のまま、こちらへ手を振った。
『返事すんな、持ってかれるぞ』
「何にだよ…」
『サイコパス野郎のペースだよ。元エリート様の甘ちゃんには分からねぇか?』
「…勝手に言ってろよ、ドヤ街野郎」
レイズの一言目が聞こえる寸前にグクの声が頭の中に響いた。
「V?誰と話してるんだ?ヴィーノか?……まぁ、何でもいい。やってもらうことの説明をするぞ。
やることを簡単に言えば身体能力調査だな。ただ、普通の調査やテストじゃない。そこの荒くれ…じゃなかった、メンバーと軽く手合わせしてみてくれ。
ついてるVRは色々と感覚も共有するし、そこそこ痛い思いもするだろうが…まぁ組織ってのはそういうもんだ。慣れてもらわなきゃ、使えない駒は捨てられるだけだ」
「へぇ、所謂ところの捨て駒か?」
「あー…そうだな。でも安心しろ。俺はそこまで薄情じゃない。そうだろ?
だから、そう…そうだな、少〜しだけハンデをやるよ。
ルカだけ初動を十秒遅れて行動するようにさせてるのと、スーさんが使う毒を数秒だけ反応が鈍くなるような毒に入れ替えてる。本人は納得してないがな。
それと、このVRは安物で影まで作り込まれてない。
だからシグマの“影絵”も使えない」
「…ハンデが多くないか?」
「好戦的な奴が多過ぎるからだよ。使えそうな玩具をすぐに壊されちゃ、俺だって困るんだ。
じゃ、このイカれた|テスト《クソゲー》の話だが…本テストの制限時間は10分。クリア条件は誰か最低、一人でもダウンさせることと、制限時間の五分以上まで生き延びること。
で、ダウンに必要な|条件《ライフ》は三回、攻撃を当てること。やり方は何でもいい。
頭の上にキュートなハートマークが3つ浮かんでるはずだ、それが全部真っ黒になったら終わり。
要はリアリティのあるFPSゲームだ、簡単だろ?」
「…かもな。前に始める前からバッチリ狙ってるスーさんがいなけりゃ簡単だったな」
「へぇ、お前って運が悪いんだな。ちゃんとロザリオで祈ってんのか?」
「そりゃあ、昔はそこそこ。最近はしてないが」
「ダメじゃねぇか。諦めて毒喰らっとけ、V」
「最悪なプレイだな…武器とかは?」
「今、表示する。お前がそれを掴んだらゲームスタートだ。楽しめよ」
そうグクが言った瞬間にどこかアニメチックな黒い斧が現れる。
手にもった感触は現実と何ら変わらず、重みも感じる。
斧を掴んだまま振り向いて、掴んだ時に聞こえた足音を頼りに振り被ると、しっかりと振った斧を避けたヴィーノが楽しそうな顔をして立っていた。
空を切った斧を見てそんな顔をするヴィーノに俺の顔が引き攣るのを感じた。
『てめえ馬鹿だろ、逃げろよ』
身体かインプラントか、どちらかがようやく適合したのか仮想空間にレイズの姿が見える。
その反吐が出そうな現状に舌打ちをして、横で笑うヴィーノに背を向けてデフォルトの壁をした塔へ身を潜めようとして始めからそこにいたローグの“小大砲”から出た弾をもろに喰らった。
「そんな簡単に……大丈夫かよ…」
「余計なお世話だ!」
簡単に喰らった俺を心配そうにしたローグの足に蹴りを入れて、転んだ身体の頭に斧を振り被る。
肉が潰れたような感覚を感じながら斧を一気に引き抜き、後ろで首に針を刺そうとしていたヴィーノの腹を殴って、倒れたままのローグと項垂れたヴィーノと距離を取って時間を確認する。
--- 【07:53】 ---
残り2分。これで、飛ぶ必要はなくなった。
起き上がったローグに斧をぶん投げようとして、閃光のようなものが目に映り手が急激に熱くなり、指が数本吹き飛んだような痛みに襲われる。
驚いて目を見張るとシグマのコルトパイソン357マグナムが親指でハンマーを起こされ、両手でしっかりと持ったシグマの手にトリガーが引かれている。
マグナムの銃口は微かに白い煙が立ち昇っており、指先の激しい痛みと同期して中々消えることがない。
「……V、前見なよ」
シグマの声に促されるまま、前を向くとルルカが床に落ちた斧を“強奪”で拾っている。
遠くでシグマが狙いを定めているのが横で見えた。
「ああ、クソ…マジかよ?ルカ、返してくれたりしないか?」
「素直に“どうぞ”なんて言うと思うか?」
「……だよな」
残り1分。
斧を拾ったルルカがそのまま突っ込んでくるのを足を引っ掛けて、シグマから飛んだ弾丸の盾に身体を持ち上げる。
『はっ、ひでぇな…てめえ、そんなやり方しかできないのか?』
「…お前の大嫌いな|企業様《オリオン》で学んだんだよ。
欲しいもんはどんな手を使ってでも奪え、ってな」
『そりゃ珍しく良い学びだな。より|屑企業《オリオン》の醜悪さが際立った』
ルルカの頭上のハートを見るが、三分の二しか削れておらず、厳しいことが分かる。
床に落ちた斧を拾ったと同時にルルカの身体をシグマの方向へ投げて、斧をヴィーノとローグの方へ投げた。
投げた両方がぶつかる音とタイムが止まる音が同時に響いた。
--- 【04:50】 ---
---
「悪いな、盾になってもらって」
そんな言葉をこちらを睨む灰色の瞳へ許しを乞うように投げた。
「本当に悪いと思ってるのか?」
「……ごめん」
ルルカはそこそこ、先程の行動を根に持っているようでそのまま刺すような視線が離れない。
軽く笑顔を返して、最終的に点を取ることに利用されたローグに手を差し出す。
隣のヴィーノは横を抜けてルルカの方へ駆け出していった。
「ロー、立てるか?」
「…ああ…おめでとう、V。まさか、がっつり標的にされるとは思わなかった。顔の方は大丈夫か?」
「大丈夫だ、有り難う」
差し出した手を掴んだローグを一気に引き上げ、背中を叩く。
「…今度、飲みに行くか?どこがいい?」
「争った後にそれか…そうだな、|女神の泉《聖杯》でいいか?」
「ああ、空いている時に言ってくれ」
そうやって会話が終わった後に仮想空間からローグが最初に消えた。
そこからヴィーノ、ルルカが消えて、最後にシグマが口を開いた。
「お疲れ様、V。何か手助けしたような形になっていたけど、良かった?」
「全然良い。最近、注意散漫になりやすいんだ。助かったよ」
「それは…嫌味?」
「いや?単なる感謝だよ。ところで、マグナムしか使ってなかったが、インプラントは?身体強化のできるインプラントがあっただろ?」
「身体能力強化のこと?使いたくないんだよね〜…あんまり」
「……そうか。悪いことを聞いたかな。お疲れ様、シグマ」
「大丈夫。グクが呼んでたから、行ってやれよ」
伝言を聞いた直後に視界の中がひどく歪んで、現実世界へ引き戻される。
頭を締めつけられる感覚も戻り、目の前に胃液だけが混じった小さな吐瀉物だけが足元に寝転んでいた。
---
カウチのソファで煙草を吹かすグクに次いで、ポケットを探りハートボックスを開いた。
中にはカートンとすらも呼べない空っぽの箱。そういえば、買い足していなかった。
『おい、まさか煙草を買ってなかったのか?用意が悪いな』
グクの隣にレイズが豪快に座り、出る煙を吸うように手で扇ぐ。
何も見えないグクはレイズを押しのけることなく、乾いた唇から言葉を流した。
「なんて言えばいいか……合格だ、おめでとうと言いたいんだが…」
「へぇ、リーダーが素直にチームメイトを褒めないなんてあるんだな」
「褒めたいは褒めたいさ。ただな、V…あんたの戦い方には…少し、怖さを感じたんだ。まるで……そうだな、他人を蹴落とすようなやり方っていうのか?そういうの、組織っていう家族の一つではあまりして欲しくなくてな」
「……あー…そりゃ、悪かった。どうにも…ソロでやってきた癖が抜けないもんで…」
「…いや…悪いやり方とは、一概には分類できないんだよ。元お国のお抱え企業のエリートなら尚更だ。彼処は誰も彼も蹴落として、上へ上へ登り詰めなきゃ生きていけない。痛いほど分かるさ」
「それは…有り難いな。それで、話は?説教だけを垂れるのなら、そろそろ帰るぞ」
「説教?何も頭ごなしに叱ってなんかいないだろ」
「へぇ…じゃあ、なんだ?応援の言葉か?」
グクが持っている煙草の火を灰皿へ潰すように消して、色の濁った歯を見せて笑った。
「応援…まぁ、似たようなもんだな。V、アーデンは色んな奴等の集まりだ。例え、どんな奴が入ったって拒みはしないし、ある程度自由にさせてる。けど、そんな自由な組織にも一定の絆ってものがある」
「説教じゃなく、仲良しごっこの話か?結局のところ、何が聞きたいんだ?」
「……あんたの過去について、もう少しだけ知っておきたい。頼めるか?」
「虚言を交えてなら」
「真実だけを、言ってほしい」
「…出会って数時間しか経ってないのにか?」
「そうだな。でもな、V。信用や信頼はそう得るもんだ。知ってるだろ?」
確かに、そうだ。
口説くようにしてグクがそのまま言葉を続けた。
「あんたの小さな頃でいい。スタスの、修道孤児院スタスの話を」
「……………」
「ヴィル」
名前を改めて呼ばれた。俺は諦めて口から絞り出すように呼応の返事をして、軽く《《嘘を交えながら》》昔話をした。できるだけ、あの偽善が悪いように。
「親の顔は覚えてない。覚えてないというか、そもそも認知すらしてない。
誰が親だって聞かれたら、迷わずアルド・オリオンだって答える。それくらいの人格者だ。
一応、戸籍上はネオワシントンだが、実際はナイトシティの何処かだろう。
何処かすら分からないのは、物事ついた時には既に修道孤児院スタスとかいう養子縁組のできる孤児院とキリストを祀るクソ喰らえな修道院にいたからだ。
要するに、孤児院に捨てられた赤子だったわけだ」
「その捨てられた赤子は産毛も抜けてない状態で、冷たい吹雪の吹いた寒空の下でスタスの玄関ゲート前に薄汚い毛布に包まれて、適当に放り捨てられてた。
すぐに近くを通りかかったシスターに見つからなきゃ、危うく凍死するところだった…なんて元の両親が聞いたら喜ぶだろうな。
そんなところに放置するような奴だ、元から殺す気だったんだろう。
その赤子に見つけたシスターは去年亡くなったナイトシティの子供の名前をつけたそうだ。
何でもかなり仲が良かったらしい。どうせ身代わりにでもして、心に空いた穴を埋めようとでもしてたんだろ。
苗字は知らないな。神父が適当につけたんじゃないか?
未来があるように、って。…皮肉なものだ」
長いこと喋って、乾いた唇に手で触れながら、更に言葉を続けた。
「スタスではさっき言った通り、助けてもくれやしないゾンビのキリストを祭って「神の御加護を」とか誓って唱えるんだ。ネオワシントンやセカンドニューヨークになら、オリオンに「永久の繁栄を」とか誓った方が救われる確立は高い。いつだって、従順な犬が欲しいんだよ。
そして_」
「悪い。その、もういい。V、聞いてくれ」
ちょうど、喋っていたところをグクに中断され、乾いた唇から手を外した。
「なんだよ、お前が言えって言ったんだろ」
「展開が多過ぎるんだ。それにもういい…スタスが嫌いになりそうだ」
「ああ…スタスで祈ってたのか?悪いな」
「そうじゃない。ただ、シンプルに…同じ立場の人間として、嫌になりそうなんだ。だから、もう言うな」
「…手のひらの返しが凄いな……他に言うことは?」
「あ?あぁ……そうだな、ダイナーの…“ランチタイム”でちょっと注文を頼まれてくれるか」
「今度はデリバリーか?雑用をするために俺はここにいるんじゃないぞ」
「違う。必要な野暮用だ。いいから、話を通しておくから行ってきてくれ」
苛立ったように声を荒らげて、近くにあった紙にグクはペンを走らせ、こちらへ書いた紙を放り投げる。
紙には“|To have loved and been loved is to know the depths of sorrow.《 会 い し 愛 さ れ 哀 を 知 る 》”とだけ書かれていた。
「それを店内の店員として働いてる売女みたいな桃色の髪の女に言え。それで話はつく」
命令のような言葉に少しの重みと、過去の記憶が足を掴んだような気がした。
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それぞれが様々な色に輝くネオンが敷き詰められた空のように感じられる町中を数発の弾跡の残る車で走り抜けながら、助手席に偉そうに座るレイズが執拗に話しかけてくる。
『で、てめえは歳を喰った|指揮官《リーダー》にビビって雑用をこなしに来たわけだ』
「別にビビってなんかないだろ。上は必要なこと以外、部下に用を頼まない。知ってるだろ」
『へぇ…そりゃ、社員としてか?それとも、兵士として?』
「…兵士?」
『ああ……戦場の経験はないか』
「……俺が生まれたのはお前が生まれる十年以上前だ。お前が爆破テロを起こした時でも、まだ18歳だ」
『はぁ、なるほど…それなら、ロシアとウクライナの戦争や他の紛争が更に過激化してインプラントのおかげで世界が色々と変わったのもギリギリ目の当たりにしてないわけか』
「……もう三十年以上前の話だ、アメリカは過去を振り返らない」
『だとしたって、核戦争や三度目の世界大戦染みた過去は知ってるだろ』
「…ただ……革新的な|軍事的強化《インプラント》で戦争が更に過激化して、汚染地域や貧困街が目立って国そのものに余裕がなくなったって話じゃないか。
それに、今は歴史のお勉強なんかしてる場合じゃない。クルーラーを除去する方法を見つけなきゃならない」
『そこに|新参者《ビギナー》が作りかけの|犬小屋《オリオン》をぶっ壊すのも追加しとけ、ナイーブ野郎』
「ああ、|金槌《トリガー》で|釘打ち《ハッピー》してやるさ。試しにお前だ、|電脳幽霊《デジタルゴースト》!」
そう啖呵を切って荒々しくハンドルを切り、ダイナーの駐車場へ向かってブレーキを踏み込んだ。
急に鳴いたけたたましいブレーキ音が|寄生虫《レイズ》の反論をかき消した。
“ランチタイム”と形造られた赤色のネオン管が輝く下を潜り、煙草とアルコールの匂いが混じった店内で色彩鮮やかな桃色の長髪に腰の細い華奢な女性を見つけた。
女性は、裸足で多少の汚れの目立つ小さな子供からしわくちゃになった紙幣を受け取って、にこやかな笑顔を浮かべている。
その女性に声をかけて、少し小さめな声で「会いし愛され哀を知る」と呟いた。
女性は「来る人が変わったのね」とだけ応えて俺の手を掴んで更に言葉を続けた。
「あたしは、リプルト・リヴリー。ここで貴方を見たのは初めてね、V」
「……俺を知ってるのか」
「ええ、朝に新聞だけ読んで帰った人がいるってオーナーから聞いたの。本題に入っても良いけれど、少し話さない?」
そう微笑んだリプルトの手にはダイナーのメニュー表が差し出されていた。
売女らしさが感じられる商人の眼差しをしていた。
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タロットに描かれた死神の絵が脳裏で笑う。
机に広がった錠剤は散らばっており、横に倒れたコップの水に溶けつつあった。
「…オリー、なにしてる」
半ズボンに傷の見える裸足の|男《リア》が部屋の中で入口付近に立って、声をかけてきていた。
「……ただ…寝ていた。それだけだ」
「寝ているだけで、薬が必要になるのか?」
「…俺は……ルーンレイの奴等が、どうしたいのか分からない。昨日までサイバーヒューマンを支持していたのに、明日になると手のひら返して反対しやがる。
おまけにサイバーヒューマンが危ないだとか、AIが怖いだとか…ありもしない噂を真に受けて…ゆっくりと、セルゲイの横へつくんだ。
そこに、ただサイバーヒューマンが嫌いな奴も、インプラントを中に入れるのが嫌な奴もいるかもしれない」
「…………」
「…リア、お前は…なんでここにいるんだ?何か、目的があるのか?」
「まだ……嫌なものがない…消したいものがないからだよ」
「…どういう意味だ?」
答えの意味を聞き返そうとリアの瞳を見るが、どこか朦朧として焦点が合わないように感じる。
「あ、あぁ、悪い…忘れてくれ……き、気分転換に外で運動でもするか?」
「いらない」
ぶっきらぼうに提案を捨てられ、うっすらと頭痛がした。
そもそも、三十代の男性相手に何をしているのか。
今やるべきなのはルーンレイの問題を片付けることだ。
現在のルーンレイは元々サイバーヒューマンに対して保護的で、決して反対的な側面が強く見られるような人が多かったわけではない。
それが最近になって情報社会の波に呑まれたのか、噂の一つや二つに踊らされるようになった。
つまりはありもしない噂と、元々あった不安からサイバーヒューマンを批判的思考に基づいて考えるオールドヒューマンが増えたわけだ。
まぁ、一人に関しては違うのだろうが…個人的な事情には介入しない方針だ。
「リア、俺は外に行ってくる。じゃあな」
焦点の合わない瞳に目を背けて、リアの横を通った。頭の部分に何か、光ったような気がした。
廊下を歩く音の一つ一つが歓声や拍手の音のように聞こえる。
張り詰めるような緊迫感に苛まれ、足が震えを覚えはじめる。
床に手をついて壁に背中を預けて座り込むような姿勢で落ち着いていると、俯いた視線に白のスカートと黒のタイツが見えた。
「……み、見てない!」
急速に冷えた思考の中で、そう伝えるのがかやっとだった。
勢いよく立ち上がり、目の前に中学生のような女児が立っている。
途端に落胆するような声が自分の口から漏れるのを感じた。
「…………ああ……キャットか……」
キャットと呼んだ女児を見れば幼いながらの身長の差がよく開いて見える。
「なんで、そんなに落ち込んだみたいな顔してるの?」
「大人には色々あるんだよ」
ラナート・キャッツアイこと、ラナートは子供ながらに不思議そうな顔をして、学業に生を費やしながらせっせと“反対派”についた。理由は確か、身体に物を入れるのが嫌だったか。
女性にはよく聞く理由だ。男性はロマンを求めるが、女性は可愛いものや綺麗なものに目がない。
要は魔法のようにファンタジックなユニコーンやプリンセスが好きなわけだ。
そんな理由を抜きにしたって、人体に人工物なんて異物を入れるのは抵抗感があるのだろう。
俺が仮に健やかな身体なら喜んで入れるが、彼女はそうじゃない。好きな物は誰だって違う。
少し痛みの波が来た頭を抑えながら、ラナートへ言葉を投げかける。
別に子供を虐める趣味はない。
「時たまに思うんだが、そこそこ良いところのお嬢さんがなんでこんなところにいるんだ?」
「有名な学校へ入学する過程で、インプラントとオリオンの存在を知ったから。でも、体内にインプラントを入れるのは嫌!」
「へぇ、じゃあサイバーヒューマンに会ったらどうするんだ?」
「普通に話すよ!」
「そりゃ何で?」
「だって、同じ人間なことには変わらないもの!インプラントが入っていても、人間は人間でしょ?」
「あー…そうか、そうだな……」
子供というのは、やはり純粋であるものだ。
痛みが激しくなる頭の中で、死神が鎌を手にかけた気がした。
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ヘルパーから送られる動画に映るもぬけの殻のようになった兄を見て、両手の拳に力がこもるような感覚がした。
|愚者《47》は未だに見つからない。何度、街へ身体を駆り立てても痕跡すら掴めない。
タロットに映る|女教皇《オリオン》は激しく主張し、|魔術師《セグレブ》を嗤う|皇帝《AI》を引きずり降ろす|愚者《V》はいない。
これでは|隠者《セルゲイ》も、|吊るされた男《ヴィネット》も、|悪魔《金になった男》も…誰も救えない。
|世界《アルド》が作り上げた擬似的な息子ですら、救うことはできない。
|月《誰か》は|太陽《イーオン》に照らされるが、一時的なものに過ぎない。
焦燥感と映像の残る頭の中で瞼を閉じた。
「それ、お兄さん?」
聞き覚えのある声に携帯を閉じて、顔も向けずに返事をする。瞼の裏で光が侵食している。
「……ああ、セグレブ・ケニーだ。元々、オリオンの…システムエンジニアだった」
見えない姿から声を頼りにシータだと分かる。少し好奇心の強い、揚々とした声。
「…オリオンのシステムエンジニア?そりゃ凄いね、重役だ」
「重役、重役ね……あそこに何人、システムエンジニアがいると思って………いくらでも換えは利くんだ、働けなくなったら切っちまう。だから…」
「今、無職ってこと?」
「そうなるな…セグレブは近々、浮き足立ったみたいで何を言っても上の空だ。まるで何かに取り憑かれたみたいに上を見る」
「取り憑かれたって、何にさ」
「……“皇帝”」
「皇帝?なに、王様でもいるわけ?」
「いや……例え話だ。今、全てを支配しそうな…“V-o28”の“ゼウス”が“過激的なノアの方舟”に_」
「ちょっと待って、君が凄く面白そうな話をしているのは分かる。けど、ほら…専用用語って言うの?それが、多いよ!」
「………ああ、うん…いや……確かに、そうだな。それに…そもそも、オリオンと無関係なのに知ってるはずないか…」
「…よく分からないけど……それ、今の私が理解できる?」
「いや…全く。Vなら、ヴィルなら……」
「V?あの傭兵?」
「……その、ああ……多分、そのVだ。また後でいいか?」
逃げるようにシータとの話を切って、携帯を弄りつつ、廊下の床を足で勢いよく蹴った。
横を通ったサラが何事かと振り向いたが、特に声もかけずにシータの方へ進んでいった。
しかし、ナイトシティに生きた人だからこそ、シータだからこそ、分かることもあるものだ。
ナイトシティはひどく治安の悪い街で犯罪行為は日常的に起こる。そういったところへ住むのは大抵、孤児やホームレスで行く人間なんかは金のある富豪に雇われて武器を引っ提げた傭兵くらいだ。
だからセカンドニューヨーク暮らしの自分が『最近になって腕の良い傭兵が誰であるか』とか『変なインプラントの頭に入れた独立傭兵の居場所を知っているか』なんて質問には答えられない。
それぐらい傭兵の情報には疎かった。
何しろ傭兵に仕事を頼むことなどしないし、オリオンだってその名前を聞かない。
極一部の人間なら、もしかしたら知っているのかもしれないが…大抵はセカンドニューヨーク出身の方が多い。
学業に励むネオワシントンか、|伝説《レジェンド》を目指すセカンドニューヨークか…はたまた、犯罪が蔓延するナイトシティか……何を選ぶかは人それぞれだろう。
しかし、新天地こそ良い情報があるかもしれない。ここは一つ、ソロで行動するべきだろうか。
ひとまず、希望を探さなければならない。
|愚者《星》が堕ちる前に、取られる前に…手を伸ばさなければならない。
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オリオンという会社は外見や性別、障害、能力などにおいて差別的に見られることはなく、単に能力だけを評価する。
その能力を適材適所に振り分けた仕事から評価し、人それぞれの報酬に応じた額を与える残業を禁止する定時帰宅の会社で、三十年程前にセカンドニューヨークでアルド・オリオンが創設し、長期に渡って武器商の一つとしてインプラント開発会社で最も権力を握り、様々なことを支配下におく会社である。
しかし、どんなに大きく太い会社にも一定の闇というのが存在する。
それがどんな闇だったとしても、黙認するほかない。
だが、それを知らないと言ってはどうだろうか。
仮に、実際に社長の席に座った若者を動かすのは歳を喰った古びた官僚で、社長の席に座る若者は単なるお飾りだとしたら、オリオンという名前の幼い社長の信頼は地に堕ちるだろう。
しかしながら、その社長を操る官僚のやり方にも問題がある。
後ろ盾にいるのはDPの署長やラーニ放送局の会長やプロデューサー、修道孤児院スタスの修道長、NEO USAの大統領クリプトン・ミリティア、有名大学の理事長など…そこまでに政治的にもメディア的にも国際的な部分は強いものの、大きな事柄に目を向けるばかりで、大きな事柄になり得る小さな火種を取り零す可能性が高い。
そういった火種を拾うのが世間では“マスゴミ”と揶揄されるラーニ放送局の下っ端記者だ。
「前にローズ劇場にいたのは、どういうことですか?」
そう下っ端記者の内の一人、一際目立ち活力に溢れた|キャロライン《キャロッツ》・ルーセルが長い金髪に野心的な赤い瞳を刺すように食い込んだ。
「プラベートなご質問にはお答えできません」
そう獣を狩るような眼差しの記者に答えて、前を歩く|ヴァレイド《アル》の背中をやんわりと押した。若干、足の歩みが遅く感じる。
「前、ゆっくりでいいからしっかり歩いて。僕はちゃんといるから」
「…………」
「アル?」
「……お酒の匂いが…するんだけど、いいの…?」
「…良いんだよ」
アルに合わせた歩調で歩みを進めていたが、必然的に記者であるキャロッツもついてくる形になり数十分程を歩いたところで|女神の泉《聖杯》が見えてくる。
ラム・ラインブレットが経営する酒場の一つで、どんな身分の人間でも入れるが、店内での暴動や乱交等は禁止され、比較的に常識のある店だった。
ヴァレイドの鼻を抑えながら店内へ入ると、既にキャロッツの姿はなかった。
代わりに物珍しそうな顔をした常連らしい客と神妙な顔のラムがこちらを見ていた。
「……随分と、また…珍しい客だね」
ラムがカウンターへ招いて、席へ案内する。改めて合った視線がどうにも恐ろしく感じる。
うっすらと感じる威圧感の中で、先に切り出したのはやはりラムだった。
「それで、天下のオリオン様が何の用だい?隣の若い子も見たことがないし」
先手を打たれた質問にヴァレイドがほんの少しの警戒心を含みながら応えた。
「…ヴァレイド・アルファ。みぃのことはアルと呼んでいいよ」
「へぇ、それじゃアルだ。歳は?見たところ、そこの社長様とは違って若いんだろう?」
「…15歳」
「……ふぅん………オリオンってのは、経営難なのかい?こんな小さい子供も雇用するくらい、職場環境が悪いなんて知れて良かったよ」
「いや……その…」
吃ったヴァレイドにラムが笑って、リンゴジュースを渡し、「変なことを聞いて悪かったね」とだけ答えて僕の方へ狙いをつけた。
「……で、どうなの。いつものこと?」
「…官僚がナイトシティで都合の良い子供でも連れてきたんだろう」
「はぁ、なるほど。あくまでも|看板《イーオン》は飾りと」
「そんなことは言っていない」
「…その割には、何も知らないような口ぶりだったじゃないか」
「社長だからって、何でもかんでも出来るわけじゃない。年齢が低い内はどう足掻いたって、上に舐められるさ」
「……ああ、そう。それで、その舐められまくった社長様は部下を引き連れて…何でここに来た?」
「……………」
「言えないのかい?」
「……|お人好し馬鹿《ヴィル・ビジョンズ》を探してる」
「…ああ、あのお人好しね。最近は来ないよ、残念だったね。街中にある監視カメラを辿ればどうだい?」
「監視カメラは個人を探すためにあるものじゃない、犯罪を抑止するためのものだ…だから、分からない」
「そう。それで、他に要件は?」
「………ああ、ええと……」
伝えたいことはあるが、言葉に出すことはできない。
そんな状況に気づいたのか、ラムが紙とペンを差し出した。
「…そこの紙に書きな」
有り難く使わせてもらうとしよう。紙には『アルドについて詳しく知りたい』と書き、ヴァレイドがジュースを飲んでいる内にラムへ紙を手渡した。
手渡された紙を見て、ラムは少しだけ笑って言葉を投げた。
「…イーオン、こんな女に聞いてる時点で……知りたいことの先が真っ暗闇なことは分かってて言ってるのかい」
「元々、そのつもりだった。外面は良いが、内面は…」
「いい。言わなくていい。この死者のことはよく知ってる。でも、世話になったんだろう?」
「……全く。擬似的な兄の方に熱が入ってたよ」
「そりゃ、ひどい……悪いエピソードがまた追加されたよ」
「お役に立てたようで、何より」
「ああ、有り難う。携帯は持ってるかい?番号だけ書いてくれ」
「…助かる」
再度、渡された紙に番号を書いてラムに手渡した。
ふとヴァレイドを見ると不思議そうな顔をしてこちらを見ていた。
コップの中の氷は溶けて、味のしない水だけがコップの中に漂っていた。
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「ねぇ!飽きた!」
そう22歳にもなる女性、|リリー《リリリリ》・リアリー…リリーが手足をバタつかせて不満を体で現した。
「し、しょうがないよ…見張りなんだから見てないと、鬼みたいなエレインに怒られるよ」
険悪な雰囲気の漂う車内の中で、リリと|ルディ《黄金蟲》・アラバスタが車窓の向こうのマンションを監視するように長い時間を過ごしていた。
マンションの一室であるD-002-047-o-28の14-103、謂わばヴィル・ビジョンズの現在の住居であるが、例の居住者は未だに帰ってこない。
「もう突入した方が良いんじゃないの?」
「ダメだ、社長の命令に背くわけにはいかない。何より…」
「儲けにならない?もう、うんざり!いくら待っても|標的《ターゲット》は張り込んだ|場所《エリア》に帰ってこないよ!」
「……だとしたって…いつかは、皆が家に帰るものだろ。だから、Vだって……」
「そのVが!帰ってこない!!!」
「…リリー、言い分は分かる。けど…」
そうルディが口論に油を注ごうとした時、頭の中で着信音が響いた。
コールに出れば、聞き慣れたイーオンからの声がよく響く。
“_……ハロー、ルディ?リリはいる?”
「…ハロー…確かに、ここに。何かあったの?アルが何かした?発作?」
“_いや…何も起きてない。輩にだって絡まれなかった。Vは帰ってきた?”
「帰ってくる気配すらない。おかげでリリーの不満が大爆発しそうだ」
“_ああ…そりゃ大変だね。でも、もうしばらく張っていてくれない?”
「…了解」
了承の言葉を皮切りに通信が途切れ、不満気な顔をしたリリーが「どうだった?」と聞く。
その答えを言った時、リリーがどうだったかなど語るまでもない。
車体が大きく揺れ、男性の悲痛な声が響いた。
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セカンドニューヨークの街を歩きながら、隣で獣を狩るような鋭い瞳ですれ違う人々を見る|エレイン《アイスピック》・カスティーリャの様子を|クラシカ《クラリ》・リミッドを伺っていた。
内心は頼り甲斐のある人と組むことができ、楽ができるという思考に至っていたが、“冷たい完璧な司令塔”の隣にいることは楽よりも辛さや緊張が勝っていた。
「……エレイン、さん」
「何か?」
「その…休憩をしませんか?」
「今は休憩時間外です」
「…でも、こんなやり方でVが見つけられるとも思いません」
「しかし、仮に見つけられたら直ぐに襲うことができます。高所での発見も悪くはないですが、距離がありますし何より簡単に逃げられてしまいます」
「……このやり方も逃げられたりしません?」
「|Frost Sight《フロスト・サイド》がありますので、ご心配なく」
淡々と質問を答える様にむしろ、こちらが異議を説いているのではないかと不安に駆られた。
顔色を伺おうにもエレインの表情は変わることなく、しばらくの間、眉一つすら動かさなかった。
やがて、動かない顔の中で瞳の瞳孔が大きく開かれた。
自然なはずのその動作が、気味悪く感じられる程だった。
「クラリ、ヴィルの車種はO.A.スーブラの黒ですよね?」
「O.A.スーブラ?」
「スポーツカーに似た形状の車種です」
そう言われて目線の資料の元オリオンにいた頃のVの資料に目を通した。
通勤に使う車の車種はO.A.スーブラ黒。ナンバープレートはAYG-473。
「……その通りです。まさかとは思いますが、その車が見えたとか…?」
「そうです」
自信満々に告げられた一言に頭の中がくらりとした。
何も言わず前を歩みを進めるエレインに一言が溢れた。
「…嘘でしょ…」
その一言がエレインの耳に届いても返されることはなく、距離が更に遠くなっただけだった。
セカンドニューヨークの街は相変わらず、人々がすれ違い続けていた。
メインがやはりVなので、どうにも長くなりますね…。
キアリー、ラム等とは絡みがないと思っていたのですが、普通にあるようになってしまいました。
レイズ関連でしかないので、さほど絡まないと思います…。
また、グク(グラン)、オリー(オリバー)は死亡します。ヤスヒロは知りません。
追記:ラナートさんの苗字等の修正
V視点の最後(リプルトの点等)
苗字の件につきましてはご報告有り難うございます。
それと同時に申し訳ありません。
**参加者キャラクタープロフィール(一部)**
名前:クラシカ・リミッド
通名:クラリ
性別:男性
年齢:二十六
性格:
楽するのが好き。とにかく面倒なことは省きたい。
利己主義で、自分に利益があるなら仲間も売るし裏切る。
いつもへらへらしている。
だが根はいい奴、というか臆病なので、そんな大それたことはできない。
軽薄な若者という感じ。
容姿:濃い水色と緑色を混ぜたような長髪に右が黄緑、左が赤色の瞳
一人称:ぼく
二人称:きみ、〜さん
三人称:あのひと、あのひとたち
好きな物:楽な道、甘いもの、酒(弱いけど好き)
嫌いな物:威圧感のある人、怪我すること
サンプルボイス:
「クラシカ・リミッドっていいまぁす、みんなクラリって呼ぶけど、ま、好きなように呼んでくださいよ〜」
「ぼくに任せてくださいよ〜、ま、できたらですけどね」
「うひぇあの人こわぁ…近づかんとこ」
「ぼくは一番楽できる役がいいなぁ…」
インプラント:
エクスパンディング・エスケープルート
日本語で言うと逃げ道拡大。
危機に陥ったとき、一番生存率の高い動き方、方法が見える。
(光の筋みたいな感じで)
インプラントの部位:両目
武器:小さい銃
加入組織:オリオン(敵)
サイバーヒューマンorオールドヒューマンorフェイクオールドヒューマン:
サイバーヒューマン
担当位置:クラッシュサイバー
出身:ナイトシティ
過去:
頭も体力も平均以下で、落ちこぼれとしてみんなにパシられていた。
そのため今はとにかく楽な道、苦労しない道を選びたがる。
治安の悪いところで育ったのでまともな教育を受けていない。
生死:おまかせ
**オリオン**
ルディ&リリ
エレイン&クラシカ
イーオン&ヴィレイド
**地名まとめ**
▪NEO USA
ネオワシントン(首都)、セカンドニューヨーク、ナイトシティと3つの州に別れた元アメリカ合衆国の新たな名前
▪セカンドニューヨーク
オリオン、アーデン、ルーンレイがあるレジェンドが誕生する都会的な憧れの土地
治安はナイトシティより下
▪ナイトシティ
治安が最も悪く、犯罪が多い土地。しかし、組織に入ると人情に厚く歓迎される
▪ネオワシントン
国際的に将来有望な若者が集まる土地。様々な学校がある
方面に長けて優秀な人材が多い
治安は一番良い
**脇役まとめ**
▪グラン・デイトバック (アーデン/デジタルランナー)
▪ヤスヒロ・ウチダ (アーデン/クラッシュサイバー)
▪オリバー・マシュー (ルーンレイ/サイバーヒューマン保護団体)
▪セルゲイ・ケニー (ルーンレイ/サイバーヒューマン反対団体)
▪セグレブ・ケニー (無職/オリオン元社員・システムエンジニア)
▪アルド・オリオン (オリオン/研究者・社長)
▪サイバークローン (オリオン/アクションサイバー)
▪ロキシー・ガーランド (DP(デジタルポリス)/サイバー捜査官)
▪マリア・カトリック (修道孤児院スタス/修道女)
▪キャロライン・ルーセル (ラーニ放送局/記者)
▪メアリー・メレル (ウィッシュウォッチ/リーダー)
▪スペレット・エドガー (ルヴァン/リーダー)
▪セレナーデ・プルーン (グランド合唱隊/ピアニスト)
▪シュヴァリエ・ヴァン (グリティニー大学/インプラントサークル)
▪アリザック・リーブ (マチェピカ大学/インプラントサークル)
▪カルロス・ターペンター (ヴィランジ/リーダー)
▪ラム・ラインブレット (聖杯/個人経営者)
▪キアリー・パーク (インプラントクリニック/医師)
▪ヴィネット・シルヴィー (グランド合唱隊/メインボーカル)
▪ヴードゥー・ジャック (ドールリカバリー/医師)
▪リプルト・リヴリー (ドールハウス/ドール)
▪ノルター・プラシド (ドールハウス/ドール)
▪クリプトン・ミリティア (NEO USA/大統領)
▪カレン・ラック (NEO USA/デジタルランナー)
多いな……語句の方に施設の名前だったりを追加しています