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Day1 1-2
今回は梟です.
改めて客船の中を見渡す.天井には大きなシャンデリア.豪華な階段.サッカーフィールドが一面じゃ足りないくらい広いロビー.ニキたちだけにはもったいないほどの広さだ.
あたりを見渡して関心するニキたちに,清楚なスーツを身にまとったホテルマンが近づいてきた.
ホテルマン「お部屋に,ご案内します.」
言うまでもなく荷物を預かったホテルマン達を先頭に,部屋に足を運ぶ.ぽかんとしたままりぃちょと暇72も後に続く.
ガラスの階段を上り,水槽のある廊下を渡る.透明なガラスに閉じ込められた,透き通った水と美しい魚達を見てキルシュトルテは思わず開いた口が戻らない.
キルシュトルテ「すっげぇ」
せんせーが呆然と突っ立ったままのキルシュトルテの手を引く.
しろせんせー「遅れるぞー」
引っ張られながらもキルシュトルテの目は水槽の魚達に釘付けだ.
その後も驚くような装飾に気を取られながらもホテルの部屋にたどり着いた.しかもなんと,一人一部屋持てるらしい.
りぃちょ「え!?もうキャメさんのいびき聞かなくていいの?」
キャメロン「失礼な」
ここで,とある事件が起こる.
弐十「部屋争奪戦…!」
ニキ「一番いい部屋を取るのは誰か…!」
なんて映画的な茶番を始める弐十とニキ.だが,ここにいる者達にとって,部屋争奪戦は,茶番などではなかった.
18号「ここはレディーファーストじゃない?圧」
ニキ「僕が権力者だよ?圧」
はとね「俺ら友達だよなぁ?圧」
全員が拳を固める.ついに暴力が!そう思っただろう.ニキの掛け声で全ての意味がわかるだろう.
ニキ「さぁいしょはグー!!」
ニキ「じゃぁんけんポン!!」
一斉に手を出す.この人数だが,勝負は一瞬でついた.
シード「あ」
なんとシードの一人勝ち.悔し顔を見せる仲間たち.何人かはシードに部屋を変われと悲願している.ニキは血眼でシードの肩をゆする.
ニキ「変われ!変われよぉ!!」
18号「好きなもの買ってあげる!」
りぃちょ「これからは優しくするから!」
負けたみんなをフル無視してシードは一番眺めのいい部屋へと入っていった.
* * *
夜ご飯は大ホールで一流シェフが手掛けたビッフェらしい.これも含めてすべて無料とは,信じがたい.荷物をまとめたせんせーが部屋から出ると,廊下にはもうすでにシードと18号の除く,全員が集まっていた.
しろせんせー「あれ?18は?」
ニキ「女子は持ち物が多いんだよ」
しばらく二人が来るのを待った.
全員集まったところで大ホールへと向かう.重い扉を開くと,すでにビッフェ会場は出来上がっていた.
りぃちょ「いい匂い!」
はとね「俺ら一番乗りじゃん」
「女子研究大学様」と書かれたプレート席に荷物を置き,一同は色とりどりの野菜,肉,フルーツ,デザートなどなどに手をつけていく.
まっさらだった白い(葉や花の模様があった)皿は,次にテーブルの上に戻ってきた頃には,模様が見えなくなるほど大量の食べ物が乗っていた.
18号「え,盛りすぎじゃない?;」
その光景を目の当たりにした18号も流石に心配になるほどだった.
ニキ「こんな機会はめったにないんだ!好きなだけいただくぜい!」
そう言うニキは,新しい皿を取り出そうとしていた.呆れた18号としろせんせーがビッフェを楽しみまくるニキ達をしょうがない,と見つめている.18号としろせんせーの皿は,彩,バランス全てが整っており,おまけにナイフとフォークの使い方まで綺麗だ.いい環境で育ったことかよくわかる.
しろ「うま」
一流シェフが作った料理だ.しろせんせーは思わず笑顔がこぼれてしまう.
* * *
ただビッフェで食べ物を取りに行っていただけなのに,戻ってきたニキ達はくたくただった.テーブルの上にはぎりぎり全ての皿が収まり,食べ切れるかと心配になる.
ニキ「せ~のっ」
全員「「「いただきます!」」」
広いホールに声がよく響く.幸い,他の客はいなく,迷惑にはならなかった.
食べる許しの許可が降りたニキ達は食べ物に飛びつくように食べ始めた.
キル「|ほうひや,はひろひーはは?《そういや,まちこりーたは?》」
一瞬黙り込むニキに,慌てて物を飲み込んでから,キルシュトルテが謝罪する.
キル「ごめん.答えにくい質問した?」
ニキ「いや全然.びっくりして固まっちゃっただけ」
キルシュトルテの表情も和らぐ.
ニキ「誘ったんだけど,案件が入ってるらしい.」
りぃちょ「んじゃ,しょうがないか」
再び目の前の絶品料理を食べ進める.
弐十「はとね氏?どうしたん?」
先ほどまで気づかなかったが,はとねはずいぶん周りをきょろきょろと見渡していた.
はとね「ここ,俺ら以外誰もいなくない?」
しろ「確かに.シェフもおらんしな」
シード「ホテルマンがいたじゃん」
しろ「そうやな」
なんとか事態は丸く収まり,しろせんせーとはとねの疑問も少しだけ軽くなった気がした.
その夜,シードの部屋問題でまたもや喧嘩が起きそうだったが,ふかふかのベットでぐっすり眠った.
一航は,ロストアイランドへと暗い海を進む.