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インスタグラマーの私、なぜか芸能人に好かれた件について
1時52分
5分前行動の3分前(つまり8分前行動)
何それっていうツッコミはさておき私達は集合のハチ公の近くまで来た
(ほえぇーめっちゃ人いるやん…いくら芸能人だからって見つけられるかこれ)
「これ見つけられなくね?」
やっぱり由良もそう思ったらしい
「まだ52分だから来てない可能性あるくない?」
「来てたとしても来てなかったとしてもこれ探すのは無理ゲーだろ」
(私は特別芸能人に詳しいってわけではなく、むしろ全く分からない方だからな…瑠衣斗って人を知ってるのもたまたまだし…確かに見つけるのは無理ゲーだ)
そう思いつつハチ公に近づく
すると…
「あの人じゃね?」
由良が言った
周りにバレないようにするためか大きめのマスクをし帽子を深く被っている
それでも他よりも高くスタイルの良い体格とマスクと帽子の間から覗く色素の薄い綺麗な目はいかにも芸能活動してますみたいなオーラがダダ漏れしてる
(てか今52分だよな…私達より早く来るって相当暇なんだろうな(()
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「初DM失礼します!
俺rikuhaさんの大ファンで!マジでリアコしてます!
最近毎日投稿してくれて本当にありがとうございます!
おかげで今日も頑張ろうって思う気になれます
髪型とかファッションセンスが毎回の神ってるし表情とかセンスの塊すぎて…
よく参考にさせてもらってます!
今までこうやってずっとDM送りたいって思ってたけどなかなか勇気出なくて…
今ちょうどここの近くいるのでもし良かったら会えないかなって思ってDMしました!
もし良かったら返信お願いします!お忙しい中すみません」
(……私よりお前の方が忙しいよ多分())
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「私の方が忙しかった説あるなこれ…」
「何の話〜?」
「なんでもない、そんな事より早く話しかけよ」
そう言い瑠衣斗らしき男性に近づく
するとこちらが話しかける前に
「こんにちは!!瑠衣斗です!本当に来てくれるなんて…ありがとうございます!」
と言ってきた
「いえいえ、こちらこそいつも応援ありがとうございます」
(いつも応援してくれてるかは知らんが熱量凄いし多分けっこーガチで応援してくれてんだろ(()
「それで今日はどうして呼び出したんですか?」
と由良が言った
(…由良それはお前がいう事じゃない、私が言う事だ普通)
絶対瀧 瑠衣斗ビックリしてるだろって思ったけど
「あぁ実は渡したいものがあって」
と本人は驚く様子もなくスンとしていた
(と言うか渡したいものってなんだろう)
とか思ってるとカバンから小洒落た袋と財布を取り出して来た
その小洒落た紙袋を私に渡し、財布を開け私に福沢諭吉5枚を握らせた
「え!?」
思わず私がそう言うと
「これずっと渡したくて…でもプレゼントどこに送れば言いか書いてなかったから」
紙袋の中身をチラッと確認する
それはこの前インスタに投稿したお気に入りの香水ブランドだった
(そういえば私これ欲しいとか投稿したな…私はそこまで活動を本気にしてなかったからプレゼントとか送る場所書いてなかったけど…書いてなくてもこうやって私の為にプレゼント買ってくれてる人もいるんだな…)
「で、でも初めて会ったばかりだし私あなたにお礼されるようなことしてません!」
そう言ってプレゼントと諭吉さんを返そうとする
「確かに初めて会った。でもrikuhaさんの投稿が毎日の励みになってる。だから受け取ってください!」
こんな物をもらう理由としては浅いかもしれない
でもこんなに真剣に言ってくれてるのに受け取らないのも失礼だろう
「本当にありがとう」
そう言って微笑むと瑠衣斗は嬉しそうに頬を緩ませた
「でもタダで受け取るのも申し訳ないから何か私にして欲しいことある?」
そう言うと瑠衣斗は顔を赤くした
(何考えてるんだコイツ…まさかそっち系!?私も成人してるけど流石にそれはやべーだろ…)
「あの…」
そっち系のはNGで!と言おうとした時
「…ゅして貰えますか?」
「え?」
「握手して貰えませんか?」
(え、マジ?)
横目で由良を見てみると
(コイツマジか)
みたいな顔をしていた
私は瑠衣斗の手を両手で握る
するとさっきより顔を赤くし「きゃー」と女子の様な悲鳴をあげた
(普通逆だろうよ…)
そう内心ツッコんだが顔には出さなかった
「折角なのでツーショもします?」
「…え?」
「あ嫌ならいいんですけど…」
「いや全然!むしろ嬉しいです!!!嬉しすぎて死にそう」
そう言ってまた財布から諭吉さんを取り出した
「ツーショするのにお金は要らないんですけど…」
「そうじゃなくて!これでタダでツーショするとバチが当たりそうなので!!」
(もうすでにお前からプレゼントと5万貰ってる私の方がバチ当たりだろうよ!!)
そう思いもう1人の福沢諭吉さんを受け取るのはやめといた
私は自分のスマホを由良に預け写真を撮ってもらう
横を見ると瑠衣斗はマスクと帽子を外していた
「…バレちゃいません?」
「俺なんか誰にも気付かれないですよ笑それよりrikuhaさんの方がバレちゃいますよ?」
(それはないだろーよ)
そう思ったがいちいちツッコんでるとキリがないので愛想よく笑っておいた
(そういえばコイツガチ恋オタクなんだっけ…)
そんな事思ってたらツーショが終わってた
私は由良が撮ってくれた写真をエアドロで瑠衣斗に送る
それだけなのに「やった!rikuhaさんからエアドロされたもう俺死んでもいい」とか言ってた
(死なれたら私が加害者になりそーで非常に困るんだが…)
「それじゃあ今日はわざわざありがとうございました!」
そう言って瑠衣斗はスキップしながら消えていった
「もうちょっと話すのかと思ったけど意外とあっさり、しかも向こうから引き下がったな」
「ね〜良オタじゃーん!」
(良オタか…)
私は今まで活動をそこまで本気にしてなかった。これからも趣味程度で続けるつもりだった。
だけど
(もう少しだけ応援してくれてるみんなの期待に応えられる様な活動しようかな)
そう思った