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涙7粒、人形劇。 +4+ だがしわらべ 前編
翌日は学校が休みだった。
かおるは築40年は経つアパートの一室で、ゆるゆると宿題をしながら2時半を待った。
3時に、7不思議の1番『だがしわらべ』に会いに行く。
あのおばちゃんに詳しく話を聞くと、どうやら彼らも交通事故で亡くなった霊らしい。
当時犠牲になった子供たちの多くは、学校が早帰りの日にみんなで駄菓子屋に集まって駄菓子を買う約束をしていたらしい。
向かいながら、交通事故はやはり残酷なものだと感じる。
私が死ぬときも、やっぱあの子たちと同じように事故なのかな。
駄菓子屋に着いたかおるは、徒歩20分・帰るなら往復40分のその労力を悔やんだ。
「定休日……?」
これでは歩き損ではないか。
かおるは少し気分を落とした。
帰るために、後ろを向いた……そこに、10人近くの子供がいた。小学1年生か、それくらいの子たちだ。
「おねーちゃん、だがしちょうだい」
「あたしにも!」「ちょーだい!」
彼らは、一斉にわめき始めた。
この子たち……「だがしわらべ」だ。
どうしよう……。
混乱しそうになったけれど、コンビニという便利なものの存在を思い出し、「確かこっちに」と走り出した。
後ろから「ちょーだいよぉ!」「いじわる!」と、子供たちが呼んだ。
「ごめんね、今買ってくるから!」
「……え」
かおるはレジで硬直していた。
レジ台の上には、駄菓子つめあわせ。
両ポケットを漁っても、それは出てこない。
「私のお財布、どこ……?」
どこかで落としたのだろうか……。
焦るかおるの顔に、橙色の日光が当たった。
タイムリミットが近づいてしまっている。
「すみませんでした~っ‼」
取り置きというシステムをど忘れして、一旦商品を戻してコンビニを出た。
あぁ……日が暮れちゃった。
つかれるのめんどいなぁ。
(疲れると憑かれるどっちもの意味で)
いつのまにか、駄菓子屋の前に戻ってきていた。
そしてかおるは気づく。
子供の霊の1人が、自分の財布を持っていることに。
これ書いてて前1600円くらい持って買い物行って買うものレジ通したら1590円くらいしたのを思い出した。