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十三
時哉「ここで合ってる?」
友里「うん、ここだよ」
時哉に抱えられたまま、友里は4人を案内した。
賢治「普通の煉瓦塀にしか見えないけど・・・」
友里「色が違うレンガを外してみて」
友里の言う通り、少し色褪せたレンガに指をかけてみると、パカリと開いてボタンが現れた。
乃愛「赤と青と白と黒のボタンがありますね」
友里「ボタンを押す順番で隠し扉が開くの。間違えると電流が流れるから気をつけて」
玲「順番わかる?」
友里「うん。多分・・・。車椅子を壊した奴がこれを落としてたの。何かわかるんじゃないかな」
友里の手には紙切れが握られていた。
鳥→龍→亀→鳥→亀→虎→龍
時哉「なんだろうこれ・・・」
友里「おおよその見当はついてる。赤、青、黒、赤、黒、白、青で押してみて」
玲「もう一回言ってもらえる?」
友里「赤、青、黒、赤、黒、白、青」
ガチャ!
乃愛「開きました!」
友里「よかった、開いて・・・」
賢治「どういうこと?答え教えてよ」
友里「『青龍』『朱雀』『白虎』『玄武』って聞いたことない?」
時哉「なんだっけ、四神?」
友里「そうそう」
乃愛「なるほど!朱雀は赤い鳥だから、鳥を赤に変換するんですね!」
玲「青龍は青い龍、玄武は黒い亀、白虎は白い虎だから、鳥→龍→亀→鳥→亀→虎→龍を赤→青→黒→赤→黒→白→青に変えるんだね」
友里「そういうことだよ。私はボタンに手が届かなかったから、あそこで這いつくばって、誰かに押してもらうしかなかったの」
時哉「なるほど・・・。とにかく、この中に車椅子が残ってるかも」
友里「被害者は他にもいるはず。助けに行かないと。時哉さん、引き続きお願いします!」
時哉「おけ!」
賢治「下は階段になってるのか・・・」
乃愛「暗いですね」
玲「あ!車椅子はないけど松葉杖があったよ!」
友里「松葉杖があれば大丈夫。貸してくれる?」
友里は松葉杖を使って歩き出した。
時哉「檻がいっぱい置いてあるな」
友里「私、あの中にいたの。車椅子の跡があるはず」
乃愛「タイヤの跡が残ってますね。ん?あの空き瓶は・・・?」
玲「ええええ⁉︎これ、痺れ薬だよ⁉︎まさか友里さんはこれで⁉︎」
友里「そんなはずないよ!私の下半身麻痺は生まれつきなんだよ⁉︎」
賢治「どういうことだ・・・?けど、痺れ薬があるなら、それを治す薬もあるかも!」
時哉「だとしても、生まれつき足が悪い友里さんに痺れ薬を飲ませるのは謎だな・・・もう少し調べたほうがいいかも」