公開中
01 平凡な私
いよいよ始まります!
楽しんで読んでください!
ガラッ。
「おまえさ〜、モテすぎじゃね〜?」
「ガチずるいわ。俺らにもわけろよ〜」
ん、なんか教室が騒がしい。
「あ、睦月!おはよ〜!」
「美咲、おはよ。今日なんかあったの?騒がしいけど」
「あ〜、男子?牧野がさ〜、またコクられたらしいよ」
「え…!誰?このクラスの女子?」
「ううん、隣のクラス。4組の橘ってコ」
「聞いたことない…」
「もう、睦月ったら!橘さんなんて、有名人じゃん。可愛いからクラスでも人気らしいよ」
「へえ…。」
「てか、睦月、最近恋愛事情興味津々じゃん」
「え、そ、そんなことないって…!私なんか全然、誰とも釣り合わないし…」
「またまた〜、そんなこといって〜、睦月は世界一可愛いんだから!」
「え、もう、やめてよ…、ほら、席つこっ…!」
「は〜い」
私、|白石睦月《しらいしむつき》。中学2年生。親友の|一ノ瀬美咲《いちのせみさき》は可愛い可愛い言ってくれるけど、全然平凡な女子。
色で例えるなら…濃紺。
うちのクラスの|牧野緋向《まきのひなた》くんは、例えるなら緋色。名前は緋向ってのもあって裏で緋色のプリンスって呼ばれてる。犬系で可愛いって、男女ともに人気がある。
私は1,2回しか話したことないけど、めっちゃ優しいらしい。
「席ついてるかー。HR始めるぞ〜!」
牧野くんは今、席にきちんと座って、可愛い笑顔で先生を見ていた。
……私とは大違いだ。
---
事件が起きたのは、翌日の昼休みだった。
「ねえねえ、睦月〜!一緒に図書室いこ!」
「いいよ〜、私、借りたい本あったんだよね」
図書室に向かう途中、ある教室の前がとても騒がしかった。
「え、なにあれ?」
「揉めてる?」
見ると、たくさんの男子に一人の女子が囲まれていた。
「はあ、おまえさ、いい子ぶってんじゃねえよ」
「え、だって、いい子ぶってるとかさ、授業に集中しないそっちが…」
「だからそれがいい子チャンっつってんの!」
うわ〜。ちょっとあれはヤバいかな…。
ん?
「美咲…!友達行っちゃうよ?なんで?」
囲まれた女子の友達らしき人物たちが、その場を離れていった。
「あ〜、真ん中のコ、あれ、橘さんでしょ?なんか、抜け駆けして牧野にコクったから、最近ちょっと嫌われちゃったみたい。今回はなんか、授業受けない男子に注意しなよ〜って周りに言われちゃったっぽいよ。あのコ、学級委員らしいから」
「可哀想に…。てか、美咲、さすが情報屋!」
「えっへん。てか、ケンカもエスカレートしてる!」
え?
「だいたいおまえさ、2組のやつにコクってフラれたんだろ?イキってんじゃねーよ」
「え?それとこれは関係ないでしょ…。てかなんで知ってるの?」
「は?おまえみたいなブスに言うことねーよ。ブース!ブース!ブース!」
あ〜、これ、入ったほうがいいのかな。私たち、ただの野次馬…。
「ねえ」
その時全員が、声の主の方を見た。
「え、牧野?」
ま、牧野くんだ…。
周りの野次馬の女子たちから、黄色い声があがっていた。
「何やってるの?彼女、困ってるよ?」
牧野くん、目が全く笑ってない…。
「は?こいつがイキってるから注意しただけだし。関係ないおまえが入ってくんなよ」
「関係ないとかどうでもいいから。よく知らないけどおまえらのその行動、馬鹿っぽいよ」
……
「そーだそーだー!」
「いじめ反対〜!」
野次馬たちからも声があがった。
「やべっ。このままだと教師くるっ」
「全員退散〜!」
ボスらしき人の声で、いじめっこたちは退散していった。
「緋向〜!おまえすげ〜!」
「やっぱそうゆうヤツだったよな〜!」
「ありがと。見つけたから止めただけだよ〜。みんな、売店でジュース買い行こ〜!」
「おまえいい奴すぎんだろ〜」
…。
「みた〜?ヤバかったね〜、今の!」
「…え、あ、うん。」
「え、ちょっと睦月、反応薄くない?」
…この時私は、心のどこかで気づいていたのかもしれなかった。
「え、う、薄くないよっ…、それより図書室!」
「は〜い」
---
時は流れ、放課後。
美咲はバド部だけど、私は弓道部。
小学生のころから続けてるけど、一人集中して的と向き合うのがとても楽しい。
え、てゆうか、弓道の道具、教室に忘れた!?
取りに行かないと…。今からなら部活まで間に合うよね。
私は、途中の廊下で引き換えした。
…ん?
うわさの緋色のプリンスならぬ牧野くん?
牧野くん、部活バスケだよね?なんでこっちに向かって走ってくるの?
てか、え?手に持ってんの、私のバッグじゃん。
え?
「あ、白石さん!」
「…え、ま、牧野くん?なんで?」
「はい、これ白石さんのだよね?探してると思って!」
「あ、ありがとう。‥.嬉しいっ!」
「どういたしまして!弓道、いつも頑張ってるよね。応援してるよ!」
それだけ言うと、彼は引き返していった。
え、もう、牧野くんと話すことになるなんて…。緊張した〜。
え、でも、私となんて、全然話したことないよね…。なんで?ホントに優しいんだ…。
どうしよう、美咲に言おうかな。でも、いろいろ言われそう…。
牧野くんの髪は汗で少し濡れて、軽く息が上がっていた。
私のために走ってくれたんだ。
弓道部ってことすら、知られてるだなんて思わなかった。
全部、ちゃんと知ってくれてたんだ。
え、てゆうか、私…
---
今まで全然わからなかったのに、
ううん、わかってたけど、フタをしてただけだった。
私_____
牧野くんに恋してる。
頑張って書きました〜!